あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
新年一台目の修理ミシンは暮れの30日にお預かりしたJUKIのtheMISIN AT-1000、1986年発売の、当時198000円で売りだされたコンピューターミシンです。
久々にミシンを出して、かなりの厚手で硬いものを縫ったところ動かなくなったとの修理依頼です。
症状としては、硬い物を無理して縫ったからという故障では無く、長く使ってなかった事による油切れだと思われました。
天蓋とベルトカバーと針カバーを外して可動部に注油して回してみますが、中々硬さが取れません。
前カバーも外してみましたが、上も前面も基板に覆われてて、この基板を外すのはかなり難しそうです。
でも、これは外さなくても良いような気がしました。
糸巻き器だけ外してはずみ車の所の上軸受けに注油して、針棒周りの天秤とか可動部に注油して、釜にも注油して、徐々に軽くは成って来ましたがまだどこかで引っかかる感じがします。
お客様は「真っ直ぐだけ縫えれば良い。」っておっしゃってましたが、その真っ直ぐが何だか怪しく、動かしてみると微妙に左右に針がブレています。
ジグザグ縫いにしても針は直線縫いの時と同じ動きしかしません。
正常で有れば針は支持体ごと左右に動く筈ですが手で、力を掛けても動きません。
ダメ元で針棒支持体ごとハンマーで叩いて見ました。
左側で固まってた針棒支持体が右側に動いて、注油しながら手で左右に動かしていると徐々に軽く左右に動くように成り、正常に戻ったようです。
その後は直線縫いをしてもブレることは無く、ジグザグ縫いも正常に出来るように成りました。
メッキ部品に出てた錆も出来るだけ綺麗に落として、全体も綺麗に磨いて修理完了です。
新年一台目のミシン修理は中々手強かったですな。
「真っ直ぐだけ縫えるようにしてくれれば良い。」っておっしゃるお客様は多いですが、全部ちゃんと動くように直さないと、真っ直ぐ縫えるようには成らないのです。