
ジャノメの古い直線縫い専用ミシン『マリーナ8』のモーターベルトが切れたので交換して欲しいという修理依頼を受けました。
モーターベルトの交換は、モーターステーを緩めて、新しいベルトを付けて、ベルトの張りを調整してモーターステーを締め付ける簡単な修理です。

が・・・
ベルトを交換して試し縫いをしようと思いましたが、モーターとはずみ車は回転するのに針が動きません。
どうやらお客様、修理依頼をする前に自分で分解して見られた様です。
ミシンの小物入れに分解したときに外れたコロが落ちていました。

小さくて短い、ただの鉄の棒ですが、これが無いと糸巻きと縫いの切り替えのデクラッチが働かず、針が動かなく成りますのでとっても重要な部品です。
ところが、コロは小物入れに入っていたのですが、切り替えレバーを押し戻すバネがどこにも見当たりません。
どうやら分解したときに、バネをどこかに飛ばしてしまったようです。
手元にこのミシン用の部品もありませんし、古いミシンの部品ですのでおそらく本社にも部品は無いでしょう。
それで、廃棄ミシンから適当なバネを外しまして・・・

塩梅を見ながら整形して、飛んじゃったバネを作り直しました。

元々のバネもこんな形で付いていたのだろうと思います。
何度かテストしましたが、問題なく動作するようです。
古いミシンですが、これでまた当分、お客様の相棒として働いてくれそうです。