先月修理承ったミシンですが。
メモリークラフト6000
1982年発売で当時208000円の文字縫いもできるコンピューターミシンでした。
修理依頼は下糸巻きが出来ない、時々目飛びするって事で・・・
大分汚れていましたから分解掃除と注油で直るだろうと思ったのですが、目飛びの診断した時に、針先と釜の剣先が離れているような?嫌な予感はしました。
汚れを綺麗に落として糸巻きは注油して気長に手回ししているうちに油が馴染んで緩みましたが、目飛びが直らない。
剣先と針が離れていますから当然の事で、釜位置を調整してみましたが上手くいかない。
よくよく見ましたら、ありえないことに外釜が変形していました。
正常なのと比べてみると良くわかります。
さてどうしたものか・・・
幸い、ちょっと前に電装系が壊れて引き取って来てた同じ6000型があります。
それから外釜を外して移植するか?と考えましたが・・・
まてよ・・・と・・・
職・工業用ミシンなら釜の交換は簡単ですが、家庭用の水平釜の釜交換はかなり面倒です。
いっその事と・・・
お客様に電話で説明しましたが「よく解らないけど、直ってまた使えるならそれでいいからお任せします。」って事だったので、大移植をやりました。
コンピューターとか電装系は何とも無いけど縫い機構が壊れちゃったお客様のミシンと・・・
コンピューターとか電装系は壊れてるけど縫い機構が何とも無い中古ミシン。
二台合わせて一台のミシンに蘇らせることに・・・
例えるなら、ブラックジャックが患者の脳みそを、遺体提供者の身体に脳移植するような感じだろうか?(笑)
電装系が壊れている方から、電装部品を全部外しました。
電装系のどこが壊れて動かないのか一々確認するのも面倒だし、元々のお客様のミシンの部品を出来るだけ活かすためにもまるごと全部。
念の為にモーターも取り替えることに・・・
電装系を全部外しちゃった本体。
電装系を取っ払ったミシンに、お客様のミシンから外した電装部品を組み込んでいきます。
当然ですがこれでお客様のミシンは蘇りました。
で、外したNGの電装と本体・・・
そのままにしておくのも何かかわいそうなので、形だけは元通りに組み立てて置きました。
これはもう回収センター行きだな。