ミシンの買い替えで古いミシンを下取ったり、壊れて使えなくなったからと処分を依頼される事も有ります。
このミシンも処分依頼されたものですが、どういう経緯でお客様宅に有ったのか?これは小学校とかで家庭科の授業で使うための学販ミシンです。
そのままミシン回収業者にやっても良いのですが、ミシン屋としては処分する前に故障の原因を探ります。
このミシンははずみ車がくるくると軽く回るのに針や上軸も釜も回りません。
これは下糸巻をする時にはずみ車をフリーにする為の機構が壊れているのだと解りました。
はずみ車を外して見れば「あ、ここのネジが緩んだだけ?」と思いましたが・・・
はずみ車ブッシュと言う鋳物の部品ですが、バックリと割れておりました。
こりゃダメか?と思いつつも、これさえあれば直るのですし、直線専用のこういうミシンは捨てるのも勿体無い。
ダメ元で本社に問い合わせてみましたら・・・
奇跡的に新品部品が残っておりました。
長年の使用で上軸に部品の止めネジで付いたバリが邪魔して素直に取付できません。
無理やり叩き込んでまた割れても困るので、やすりでバリを落として取付完了。
釜タイミングの狂いも無く縫い目も綺麗に出ます。
勿体無いから廃棄しないで中古ミシンにします。
学販用ミシンのフットコントローラーはコードもしなやかで、一般用の物より丈夫に作られてますな。
踏み込んだ時の深さも調節できるようにネジが付いてて、ミシンを使い慣れない子供が思いきり踏み込んでも針がゆっくり動くように調節出来るように成ってます。
やっぱり捨てるには勿体無い良いミシンです。