以前こんな凄いミシンは他にないと紹介したHZL-010Nの一個前のモデルです。
電話でお話を伺った時はこの機種だとは思わず、「ミシンのモーターの交換って出来るのか?」って修理依頼でしたので、モーターのカーボンブラシが飛んじゃったか?糸掛け間違いで天秤に糸が掛かってないだけか?と思いましたが、このミシンで完全自動糸通し機の不具合でした。
矢印の所のサメの背ビレみたいな部品ですが、完全自動糸通し器のボタンを押すと、正常なら見えなくなるまで下がります。
これが中途半端にしか下がらないので、上糸掛けが正常に出来なくて、天秤に糸が掛かっていないのと同じ状態で縫えないのでした。
稀に寒くなると本体内の油が固くなって同じ現象が起きることが有りますが、お客様宅は暖房も効いてましたしミシンも温まってましたから、その可能性は低いかと・・・
この糸通し器を使わないで手で糸掛けをする方法もお伝えしましたが、これじゃ不便じゃ!
って事で、安いミシンですがこれを下取りにして買い替えて頂きました\(^o^)/
直してお返ししなきゃいけないミシンだと冒険は出来ませんが、最悪直らなくても良いのでバラして見ました。
ベルトカバーと液晶画面が付いてる前カバーを外しまして、そこにでっかいコンピューター基板が付いてます。
この基板の裏に付いてるステッピングモーターがサメの背ビレを動かしているのですが・・・
ここの油が固くなって正常に動作してない事が以前有ったのですが、これは正常に動いてました。
手で動かして様子を見ているうちに「ピン!」と音がしてどこかの何かが外れちゃったみたい。
直らなくても良いミシンとは言え悔しいので(笑)
後ろカバーも外したらバネが飛んじゃった所が分かりました。
後ろカバーも外してみたらサメの背ビレが下がらない不具合箇所も、何となくですが分かりました。
ここを調整したら正常に上糸掛け出来るように成りましたから。
JUKIさんのサービスマニュアルが貰えれば完璧に直せると思うのですが、それは出来ないので・・・
普通のミシンには無いこの装置は中々難しいですな。
以前下取りさせて頂いた正常に動く010Nと見比べながら整備しました。
上糸掛けはこれで完璧に直った様ですが、自動下糸巻きがどうも正常には動きません。
ま、正常な010Nも自動下糸巻きが上手く行かないことも多々有るので、ここまで直れば立派なものかと思います。
完璧に直ってないので中古にも出来ませんが、バラしてみていい勉強に成りましたな。