それでは、取扱説明書のエアクリーナーのページを確認します。例によって発行年月日がよく分からない、新三菱重工業株式会社と菱和自動車販売株式会社に発行された取扱説明書から。JH4エンジンの馬力が76psと記載されていますので、おそらく1961年8月以降に発行されたものと考えられます。具体的には以下のような記載があります。J3R,J3RD,J3,JC3が併記されていますので、この表現だと全車このようにしなさいという意味に取れます。
(3)エアクリーナー(図21)
オイル交換の際は、下部のオイルバスを取り外して洗油でよく洗い、既定の線まで新しいオイルを入れます。入れすぎますとエンジン内へ吸い込み不都合を生じます。日常の補給の際も同様です。
実施時期:オイル交換は1000㎞毎に行います。特に埃の多い場所では更に早めに点検して汚れている場合は毎日でも交換してください。
油量:J3R,J3型ガソリン車0.57L、J3RD,JC3型(ディーゼル車)0.6L。
使用オイル:エンジンオイルでエンジンと同じもの。
つまり、この頃はJH4ガソリンエンジン及びKE31ディーゼルエンジン車とも湿式のエアクリーナーが設定されていたということになります。
ピンぼけスキャンで申し訳ありません。1961年頃のJH4及びKE31エンジンの
エアクリーナー記載に関するエビデンスです。
手元にあるJH4/KE31エンジンパーツリストは、1967年12月版なので、この頃はJH4エンジン用はレベルマークがある湿式で、KE31エンジン用は乾式であったのではないかということが考えられます。
《JH4エンジン用エアクリーナー部品図》
《KE31エンジン用エアクリーナー部品図》
三菱重工業に生産が移管された段階で、もしかしたらエアクリーナーの仕様変更を実行した可能性がありそうです。では何故そのような変更が必要となったのでしょうか?軍用車両が、CJ3B-J4CからCJ3B-J4Aに代わった時期ともクロスしているような気もします。CJ3B-J4Cは、1963年6月まで新三菱重工業で生産されていました。実に奥が深いです。
★三菱ジープ互助会★
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