無線脳の視点

無線関係のモノ・ヒトに毒された日常を地味に書いてみる。

実は無線マニア向け?!電話用の通話録音装置を無線通信に流用してみた

2016年12月01日 | 無線機器
無線(受信)マニアなら、誰しもが「受信した無線通信は録音して残しておきたい」というニーズはそれなりにあるだろうし、「あーーーーっ!その通信聴いてたけど録音してたらよかったぁーー!」的な瞬間にも遭遇したことだろう。
かつてはカセットテープやらMDなんかに録音をしたものだが、音声が無いときの無音状態が無駄に録音されたり、通話があったときの時間が分からないなど、いろいろな苦労も存在したものだ。
それが今では、パソコンのソフトやICレコーダーなどの外部録音装置、さらには、無線機や受信機の本体そのものにあらかじめ音声録音機能が搭載されていたりするから、世の中、進歩したものだと思う。
と言いつつ、ソフトウェア上では多機能ではあるけれど、パソコンを付けっぱなしにするのはどうなのよ?という意見もあるし、ICレコーダーで録音してるときは、受信した時間のログ情報って記録出来るんだっけ?などと贅沢を言い始めると、「じゃぁ、音声録音の専用機で何か良いの無いの?」というところに行き着く。


AOR AR-5001D と タカコム VR-D175 の組み合わせ(自家用)

そこで目を付けたのが、電話用の通話録音装置なのである。
何だソレ?という方のために、ざっと通話録音装置の本来の用途を説明すると、企業とお客との間でクレームの受付やら何かしらのサポートに関する通話の中で、「絶対言った!」「そんなこと言ってない!」というトラブル防止に証拠として記録を残すための道具である。どっかの会社のお問い合わせ窓口に電話をすると、担当オペレーターにつながる前に「この通話は、製品やサービスの向上のため、録音させていただきます」などと言うアレで使ってるヤツである。一度は聞いたことがあるフレーズだろう。(何か感じ悪い気はするけどw)
特に、110番や119番などの緊急を要する電話は、事件事故の背景を聞き逃さないためにも記録を残す必要があるため、大昔から導入されているのだ。
でも、「電話の通話記録でしょ?無線と関係ないじゃん」と思うかも知れないけど、ところがドッコイなのがこの装置の良いところ。






本来ならば、電話機本体と受話器と間に線を繋いで使う記録装置なのだけど、実はちゃんと外部入力端子も装備してあります。「外部の音源」のところに何の機械を繋ぐかはご想像にお任せするとして。
そして、「音声の有り無しで勝手に録音したり止めたりしてくれるのかいな?」という疑問に対しては、







はい、音声が入ったら自動で録音開始して音声が無くなったら自動で止まります。
(しかも音が無くなってから録音を停止するまで4秒または8秒後という設定も出来ます)
「じゃぁ、ログは?録音開始と終了時間ってどう見るのさ?」という疑問は、






はいこのとおり。
そこで記録したファイルをパソコンに展開するとログ情報が見れます。(音声記録はwavデータに変換して保存できるようになってます)
「そうは言っても録音できる時間が短いとダメじゃん?!100時間とか200時間とか録りたいじゃん!」と思った方、そのあたりはSDカードの容量によりますが、ほぼ録りっぱなしで大丈夫なんじゃないの?というレベルです。通話しっぱなしでも最大、半年間録りっぱなし可(笑)。当初、8GBのSDを入れていたけど、何だかんだで今の自分の使い方だと、2GBのSDでも十分足りる。さらに言えば、データの容量が一杯になったら古いファイルから消していってくれる機能も付いているから、記録装置を使ってることや存在まで忘れそう。(ただし、ファイル容量ではなくファイル数で制限はあるのであまりほったらかすのもよろしくないかも)
ただしファイル操作に関しては注意点があり、タカコムのサイトからダウンロードして使えるVR-D175の専用ソフト以外の方法でパソコンにデータを展開したりコピー/移動すると、ソフト側が記録した録音データを認識してくれない場合がある。(つか、使い方を守らないと認識してくれない)

唯一の難点(?)は、USB経由で通話記録をPCに転送する際、結構な時間が掛かるってことか。(本体からSDカード抜いてソフト上でコピペ転送したほうが時間は短い)
例えばATCなんかを受信させて記録を仕掛けたままにすると、あっという間に記録が何千件と溜まってしまうので、小まめな転送が必要かも。





実はこの記録装置の複数回線仕様の高級なものは、消防救急無線がデジタル運用に移行する際、指令卓の更新に併せて納入仕様書の中にもちゃっかり(?)書いてあったりして、「長時間録音装置」などという名目で、何十回線もの複数回線の通信が記録できる装置が納入されています。(119番の受付台だけでなく使っている消防救急無線の全チャンネルの通信も同時に記録して庁舎内サーバーに蓄積し、庁内ネットワーク経由で音声が再生できちゃう)
企業の大規模なコールセンターなどが使っているものとは使用している回線規模は違えど、こんな便利な道具が安く調達できれば無線マニアが使わない手は無いですということで、今回は個人ユースにはちょうど良い1回線用の記録装置 タカコム製 VR-D179 を勝手に紹介。(何でもかんでもアフィリエイト貼るのは好きじゃないのでリンクは企業サイト直接としました。また、VR-D175はリンク切れのためVR-D179にリンク変更)

このタカコム製 VR-D179 の新品実売価格は2万円台ぐらいだけど、Yオークションなんかでは、このVR-D175だけでなく旧モデルの VR-D170 や VR-D160 (コレでも実用上は十分!)の中古品がおおよそ2千円程度から1万円程度(オクなので時価)で調達出来るのだから、無線脳目線(笑)・マニア目線で、「欺されたと思って使ってみても損は無いオモチャだよ」と勝手に推奨。ICレコーダーと併用すると便利かも。

冒頭の写真にあるAORのAR-5001DとVR-D175だけど、AR-5001Dの後部にあるLINE出力端子とVR-D175の外部入力端子の間を3.5Φオーディオプラグを繋いでいる。RECレベルが気になる場合は、VR-D175の入力レベル設定(1-8段階)で変更でき、音が切れてから録音を停止させるまでの時間も、4秒か8秒の選択ができる。さらには、録音されている通話は留守番電話機のように本体の操作で1通話ごとに飛ばしたり戻したり消したり、という技が使える。(さすが録音専用機!)AR-5001Dの前スタンド幅にVR-D175が収まるのも結構お気に入り。AR-DV1と組み合わせると、白に白だからAR-DV1の置き台としては実にマッチしちゃう。


AR-DV1の後部にある外部スピーカー端子からVR-D175の外部入力端子へ接続して使用する。
もうAR-DV1向けに作られたのか?と思える程(笑)(ただし外部スピーカーを繋がないと音が出ない。端子はVR-D175本体左側にあり、音量は左端のボリュームスイッチで調整する)

「AR-5001DでもAR-DV1でも、本体に録音機能があるじゃないか」という意見もあるけど、録音した内容をAR-5001DやAR-DV1本体で再生する際、早送り・巻き戻しが出来ないため、必ず頭から聴かなければならないので、結局パソコンのお世話にならなければならず、無線脳的には帯に短したすきに長し、なのだ。

この装置をこよなく愛すマニア側のヘビーユーザーの友人は、モバイルバッテリーを繋いで外出先でも使っちゃうというからその根性たるや恐れ入る。しかし、この機器は複数台あっても自分なら使い倒すことが出来る自信はある(笑)VR-D175は既に2台持ち、VR-D170は1台持ちの私。
年が明けてタカコムのホームページを見に行ってみたら、VR-D175 がちょっと進化して VR-D179 という型番で新製品が出てた。「この通話は録音させてもらいまっせ」を電話を掛けてきた側に通知する機能が追加されたらしい。同時に再生ソフトの VPS175 から VPS179 へバージョンが上がってた。無線通信を録音するのに使うのであれば、旧モデルの VR-D175 、旧旧モデルの VR-D170 でも十分。安く出てたらまた買お。


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2018/04/18 追記

外出時でバッテリー運用を想定した際、電源はどうしたら良いかと思いつき、消費電流を測ってみることにした。

音声再生時(VOL-2)でだいたい90mAぐらい


録音時でも同じぐらいの85mA~90mAぐらい


思ったほど消費電流は大きくなかったので、DCプラグ(EIAJ2規格)経由で単3乾電池4本運用という手が使える。(※USBプラグからは電源供給しない)
コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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なるほど (いぬ)
2018-11-04 09:44:52
たいへん参考になりました。
ありがとうございました。
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なみなみ (電話 通話 録音)
2019-02-10 09:00:40
あんまりにも複雑なんだと思う…
でも、活用すれば役に立てるでしょうか
電話の通話録音と言えば、携帯のアプリの通話録音も可能でしょうか?LINEやSkypeなども通話機能が搭載してるでしょう
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