人の声を介した、猫と人の社会的関わり、社会的な絆がたしかに存在することを
初めて科学的に確認する研究が、フランスのナンテール大学のシャルロット・ド・ムーゾン(Charlotte de Mouzon)氏らにより発表されました。
そこで明らかにされたのは、
猫は飼い主の声を認識しており、飼い主の声とそうでない知らない人の声を識別していること。
つまり飼い主の声には反応し、そうでない知らない人の声には反応しないこと。
また、飼い主が自分に話しかけているかどうかを理解しており、
自分に話しかけているときには反応し、他の人に話しかけている時は反応しないこと。
そして、飼い主でない人の声を聞くときには、その人が自分に話しかけているときも、他の人に話しかけている時も、反応しないこと。
ここで「反応」というのは、声の方向への耳の動き、尻尾の動き、瞳孔の開き具合、室内を動き回る動作、休憩の姿勢の維持などです。
猫好きの人には、どれもよくよく知り尽くしていることですね。
こんなふうに、科学の方が後ろから着いてくることも少なくありません。
<原著論文>
De Mouzon,Ch.,Gonthier,M. & Leboucher, G., 2022 Discrimination of cat-directed speech from human-directed speech in a population of indoor companion cats
(Felis catus), in Animal cognition ; doi: 10.1007/s10071-022-01674-w.