1995年1月4日、名古屋発デルタ航空のボーイングは無事オレゴン州ポートランド空港に着陸しました。空港にはチェスター・マックさんが迎えに来てくれています。奥さんのロニーさんは私が宿泊するというので朝から大掃除だそうで、友人のグラントさんが運転手として一緒でした。
「さて、これから夕方までポートランドの観光地を案内するけど、どんな所が良いんだ?」
「観光は次回でもかまいませんから、今日はセーラム(Salem)に連れて行ってください。」
「?」
ここで会話は中断してしまいましたが、私の希望はセーラムにあるI.M.S.(Indoor Model Supply)訪問が今回の観光?の目玉だったのです。送られてきたI.M.S.の宛名シールをグラントさんに手渡し50分のフリーウェー・ドライブ、「こいつは変わったやつだね、観光キャンセルしてバルサ買いに行くんだから、オレゴンまで来て・・・」という2人の視線を受けながら、無事に住宅地の奥まった所にある典型的なアメリカンホームに到着しました。「ところでコンタクト取ってあるんだよね?」「No・・・・」ですから、もーっ!
幸運にもオーナーのLew Gitlowさんは在宅中でした。いなかったらここまで車走らせておいて、どう言い訳するのかなんて考えていません。最初、驚いて言葉も出なかった非常に真面目そうで物静かな感じのLewさんでしたが、次第に色々なバルサのサンプルやリビングを一部屋つぶしてしまったストック・ルームを案内してくれました。15帖程度の部屋に棚をいくつも配置して、キット類、小物パーツ類、バルサ、紙、その他カタログ上にある物はほとんど見ることが出来ます。さすがに雑誌や彼の執筆した本は「かさ」がありますからもう一部屋つぶして背の高さ位まで山積みになっていました。私が持って行ったサンプルのバルサ数種類とサイズの違うバルサのメモを渡して、「持って帰る・・・Take away」(マクドかここは!)を意思表示したところ、慌ただしく奥の部屋に入って行った途端モーターの音が聞こえて来ました。0.8と1.2mmの角材を数百本、シートを50枚程度揃えてもらい、やっと4人で談笑です、あっバルサ見てしまったらここまで連れて来てもらった2人の事ずーっと忘れてました、ゴメンナサイ。チェスターさんとグラントさんはインドア用のバルサの違いや薄く削る方法が解らないようで色々と質問していましたが、私はもう必要な物は手に入ったし、時差ボケで眠くなる始末・・・・当然ヒルズ・ボロのチェスター家迄の帰り道は夢の中でした。
昨日久しぶりにTimさんの「A2Z Corp E-Commerce Store」http://www.peck-polymers.com/store/をのぞいたら、Indoor Model Supplyのロゴをみつけました。企業では吸収・合併・買収等最近よく耳にしますが、とうとうI.M.S.とPeck-Polymersが一緒になってしまった事になります。今まで同様これらのブランドは入手可能ですから、うれしいには違いありませんが、何となく寂しい気持ちもあり複雑な夜でした。前回オーダーしたときLew Gitlowさんは「在庫が少なくなってきたので、君が使えそうなバルサをまとめて入れておくから宜しく。私もこのビジネスをあまり長くは出来ないと思う・・・」と書いてありました、残念です。
I.M.Sのバルサで、コレ作った機体・・・Lewさん喜ぶ。
大切な箱を持って帰り支度。Lewさんホッとする。正月早々お騒がせしました。