叩く気なんて、さらさらなかったんだけどね。この話。
後で枝野がこの件で激高しているという記事がでた。産経より。
と、言うわけで東電の発言と枝野の発言とで不整合が出ているのだ。
枝野の発言は、至極尤もだろう。3月11日時点では、優先度は明らかに東北の津波被害だった。リソースを東北に集中させる戦略に、誤りはない。
しかし、「車が使えるだろうが。自衛隊機を使うな」という方針で叩くのはおかしい。だって高速道路通行止めやん。いくら、たまにトバす産経新聞でもそれぐらいの裏はとって記事にしている。
判断に誤りはないと思う。でも、その結果として東電の社長の到着が遅れたのは事実であって、そこは認めるべきだと思うのね。
要するに、「あの時点で、最優先事項は東北の津波被害者の救助。東電の原発暴走の報はまだ深刻との認識には程遠かった。ベント実施が遅れた一因になった可能性は考えられるが、結果論だと思う。」ぐらいでいいのだ。
まるで、最早いち分の隙も許されないみたいな、余裕の無さが見える…。そしてその余裕の無さが、
「東電さえ叩いとけば、この案件については東電に矛先が向かう。少なくとも非難圧力は東電と政府で二分される。」
というロジックを完成させている。
【J-CAST】ベント実施の判断遅れを強調 細野首相補佐官が東電の対応を批判
http://www.j-cast.com/2011/04/25094135.html
これも、そのロジックの一環。テレビではあまり指摘されないが、既に様々な角度からの検証によって、菅の視察がトリガーになって水素爆発が誘引されたのは、ほぼ事実ではないかと考えているし、それを一番感じているのが民主党の閣僚。
この記事から感じられる、細野の傲慢不遜な「トウデンガー」発言は、俺は朝、テレビで聞いていたのだけど、言いたい放題という言葉がぴったりだった。
お気づきかもしれないが、東電は政府を非難していない。ひたすら平身低頭である。
この時も、東電は弁明しなかった。
…前もエントリしたが、この細野の発言は事実に則していると言っていいだろう。
しかし、放射性物質を大量に放出する判断を、いち企業のトップですらない人物に委ね、政府が放置したのが大きな問題なのだ。
実際、朝方「命令」に切り換える直前に、政府は原子炉等規制法第15条通報で、住民に避難を呼びかけた後に命令に切り替えてるやんけ。なぜ、住民が避難していない時に、民間人が放射能で地域一帯を汚染する決断ができんねん。
【参考】【拙】尊敬に値する変態ミスリード師
http://blog.goo.ne.jp/jpakiyo/e/1887ad5050f5fa671604f4ea80402241
話は最初に戻るんだけど。
東電は叩かれて当然だと思う。でも、むやみやたらと東電叩きに走る政府には虫酸が走る。
しかし、この沸点の低さはなにかなぁ。細野にしても枝野にしてもな。
偶然か、この沸点の低さが露呈されたのは、両方とも「ベントのタイミング問題」だった。
邪推だが、それなりに罪悪感を感じているのではないかな。志は違えど、彼らも多少は愛国心を持っているだろう。閣僚として、内閣の現状を考えるに、やはり「こんなハズじゃなかったのに…」という思いは、あるだろう。
無能の人 [DVD]
【産経】震災当日、東電社長を乗せた輸送機が防衛省指示でUターンさせられていた
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110426/dst11042601310004-n1.htm
東京電力の清水正孝社長が、福島第1原子力発電所が深刻な事故に見舞われた3月11日の東日本大震災当日、出張先から東京に戻るため航空自衛隊の輸送機で離陸後、防衛官僚の判断でUターンさせられていたことが25日、分かった。
被災地救援を優先させるべきとする北沢俊美防衛相の意向をくんだ過剰反応ともいえる。(中略)
東電によると清水社長は午後3時ごろ、帰京すると伝えてきたが、東京に向かう高速道路が通行止めとなり、奈良から名古屋まで電車で移動。名古屋空港から東電グループの民間ヘリで帰京しようとした。だが、航空法の規定でヘリは午後7時以降は飛行できなかった。(後略)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110426/dst11042601310004-n1.htm
東京電力の清水正孝社長が、福島第1原子力発電所が深刻な事故に見舞われた3月11日の東日本大震災当日、出張先から東京に戻るため航空自衛隊の輸送機で離陸後、防衛官僚の判断でUターンさせられていたことが25日、分かった。
被災地救援を優先させるべきとする北沢俊美防衛相の意向をくんだ過剰反応ともいえる。(中略)
東電によると清水社長は午後3時ごろ、帰京すると伝えてきたが、東京に向かう高速道路が通行止めとなり、奈良から名古屋まで電車で移動。名古屋空港から東電グループの民間ヘリで帰京しようとした。だが、航空法の規定でヘリは午後7時以降は飛行できなかった。(後略)
後で枝野がこの件で激高しているという記事がでた。産経より。
【産経】枝野氏「防衛相の判断は妥当」自衛隊機を依頼した東電社長を批判
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110426/plc11042611190007-n1.htm
「北沢俊美防衛相は(輸送機の使用について)被災者救援の輸送を最優先すべきだと指示していた。被災者救援に総力を挙げていた状況だったので、防衛相の指示は妥当だった」(中略)
清水社長が東電本店に不在だったことが福島第1原子力発電所事故の対応に影響したかどうかを聞かれると「名古屋-東京間は車を飛ばしても走れる状況だ。なぜ、自衛隊に頼んだのか。自衛隊機が飛ばないなら自動車を飛ばすのは当然で、常識ではないか」
(後略)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110426/plc11042611190007-n1.htm
「北沢俊美防衛相は(輸送機の使用について)被災者救援の輸送を最優先すべきだと指示していた。被災者救援に総力を挙げていた状況だったので、防衛相の指示は妥当だった」(中略)
清水社長が東電本店に不在だったことが福島第1原子力発電所事故の対応に影響したかどうかを聞かれると「名古屋-東京間は車を飛ばしても走れる状況だ。なぜ、自衛隊に頼んだのか。自衛隊機が飛ばないなら自動車を飛ばすのは当然で、常識ではないか」
(後略)
と、言うわけで東電の発言と枝野の発言とで不整合が出ているのだ。
枝野の発言は、至極尤もだろう。3月11日時点では、優先度は明らかに東北の津波被害だった。リソースを東北に集中させる戦略に、誤りはない。
しかし、「車が使えるだろうが。自衛隊機を使うな」という方針で叩くのはおかしい。だって高速道路通行止めやん。いくら、たまにトバす産経新聞でもそれぐらいの裏はとって記事にしている。
判断に誤りはないと思う。でも、その結果として東電の社長の到着が遅れたのは事実であって、そこは認めるべきだと思うのね。
要するに、「あの時点で、最優先事項は東北の津波被害者の救助。東電の原発暴走の報はまだ深刻との認識には程遠かった。ベント実施が遅れた一因になった可能性は考えられるが、結果論だと思う。」ぐらいでいいのだ。
まるで、最早いち分の隙も許されないみたいな、余裕の無さが見える…。そしてその余裕の無さが、
「東電さえ叩いとけば、この案件については東電に矛先が向かう。少なくとも非難圧力は東電と政府で二分される。」
というロジックを完成させている。
【J-CAST】ベント実施の判断遅れを強調 細野首相補佐官が東電の対応を批判
http://www.j-cast.com/2011/04/25094135.html
これも、そのロジックの一環。テレビではあまり指摘されないが、既に様々な角度からの検証によって、菅の視察がトリガーになって水素爆発が誘引されたのは、ほぼ事実ではないかと考えているし、それを一番感じているのが民主党の閣僚。
この記事から感じられる、細野の傲慢不遜な「トウデンガー」発言は、俺は朝、テレビで聞いていたのだけど、言いたい放題という言葉がぴったりだった。
「『ベントすべし』という判断は、実質的には11日の深夜、遅くとも12日の海江田大臣と東京電力の副社長が会見をした時点で、政府としては、『東京電力は腹を決めてベントをやるつもりだ』という共通認識に立っていた。ただ、なかなかベントが行われないということで、朝方、6時50分に命令に切り替えた。従って、11日夜から12日朝にかけて『ベントをすべし』という判断は、政府としては一貫して変わらなかった」
お気づきかもしれないが、東電は政府を非難していない。ひたすら平身低頭である。
この時も、東電は弁明しなかった。
…前もエントリしたが、この細野の発言は事実に則していると言っていいだろう。
しかし、放射性物質を大量に放出する判断を、いち企業のトップですらない人物に委ね、政府が放置したのが大きな問題なのだ。
実際、朝方「命令」に切り換える直前に、政府は原子炉等規制法第15条通報で、住民に避難を呼びかけた後に命令に切り替えてるやんけ。なぜ、住民が避難していない時に、民間人が放射能で地域一帯を汚染する決断ができんねん。
【参考】【拙】尊敬に値する変態ミスリード師
http://blog.goo.ne.jp/jpakiyo/e/1887ad5050f5fa671604f4ea80402241
話は最初に戻るんだけど。
東電は叩かれて当然だと思う。でも、むやみやたらと東電叩きに走る政府には虫酸が走る。
しかし、この沸点の低さはなにかなぁ。細野にしても枝野にしてもな。
偶然か、この沸点の低さが露呈されたのは、両方とも「ベントのタイミング問題」だった。
邪推だが、それなりに罪悪感を感じているのではないかな。志は違えど、彼らも多少は愛国心を持っているだろう。閣僚として、内閣の現状を考えるに、やはり「こんなハズじゃなかったのに…」という思いは、あるだろう。
無能の人 [DVD]