Dr. 讃井の集中治療のススメ

集中治療+αの話題をつれづれに

「臨床にダイレクトにつながる 循環生理」好調です

2014-12-20 22:09:31 | 循環

臨床にダイレクトにつながる 循環生理」好調です。

Amazonの臨床医学一般部門で第1位。

http://www.amazon.co.jp/gp/bestsellers/books/2442244051/ref=pd_zg_hrsr_b_1_3_last

 自治医科大学附属さいたま医療センター麻酔科・循環器科・ICUの合作です。苦労の甲斐が報われます。


臨床にダイレクトにつながる 循環生理 刊行しました

2014-11-14 23:04:33 | 循環

臨床にダイレクトにつながる 循環生理

https://www.yodosha.co.jp/medical/book/9784758117616/index.html

http://www.amazon.co.jp/臨床にダイレクトにつながる-循環生理~たったこれだけで、驚くほどわかる-Richard-E-Klabunde/dp/4758117616/ref=pd_ybh_1

ようやく出ました。翻訳です。

まず原著がきわめて高い評価を得ています(amazonで7人中6人が5つ星)。

解説が丁寧(でときにくどいくらい噛み砕いて説明してくれています)、章末にテストがついていたり、臨床問題があったり、至れり尽くせり、筆者の誠意を感じます。

本来、医学生向けですが、初期研修医、循環生理を復習してみたい臨床医、循環器にどっぷり浸かっている臨床工学技士や看護師にとって、いろいろ学ぶところが多い本です。ただ、最初から読破しようとすると挫折する方もいらっしゃるかもしれませんので、必要なところ、気の向いたところから読むことをお勧めします。

読みやすい日本語にするのに結構苦労しました。読める日本語になっていると思いますが、わかりにくいところは是非ご指摘ください。ご評価お待ちしています。

 

以下、「監訳を終えて」の一部。

.......。呼吸生理の入門編にはWestのRespiratory Physiologyという定番が存在しますが、循環生理にはそのような入門編の定番が存在せず、十年以上前からずっと探していました。石黒先生から「この本を翻訳したいのですが...」と本書の原著をご紹介いただいたときの第一印象は、まさしくこの本こそが長い間探していた循環生理入門編の定番ではないか、というものでした。丁寧な解説の中に理解を促す症例・練習問題や復習問題が散りばめられた本書の監訳を終え、原著者である Klabunde先生の溢れる誠意を感じ、原著がきわめて高い評価を受けているのも当然のことと思いました。ここまでおつきあい下さった読者も、リズム良く解き明かされる“なぜそうなるか”の連続に、“読んでいて楽しい”と感じたのではないでしょうか。.......

 


Intensivist 急性冠動脈症候群 出ました

2013-02-03 04:16:20 | 循環

実はまだ現物を見てないのですが、濃そうですよね。

心臓関連は、不整脈といい、心不全といい、いつも売れ行きがよいので、今回も行くでしょう。

香坂先生、伊藤先生、内野先生ご苦労さまでした。

<特集・急性冠症候群(NSTE-ACS)>

循環器第三弾として「急性冠動脈症候群(NSTE-ACS)」を取り上げます。心筋虚血の急性期をめぐる現在の世界観は10年前とは随分異なっています。病棟や救急外来で遭遇する典型的な虚血性心疾患患者はACS,そのなかでも非ST上昇型急性心筋梗塞や不安定狭心症が増えています。これは虚血性心疾患の病態の理解が深まり,診断に必要なバイオマーカーや画像診断の技術が進歩したことによるかと思われます。こうしたACSの理解の拡大に伴い,そのマネジメントは循環器専門医だけでなく,一般内科医や集中治療医がかかわることが多くなってきました。そこで,本特集では,ACS症例の診療の際に,循環器内科医とのディスカッションをスムーズに行うための基礎知識の解説を目的としています。

1. NETE-ACS特集を組むにあたって:STが上昇したACSが特別扱いを受けるのはなぜか?    
 香坂 俊 慶應義塾大学 循環器内科

“A” is for Acute
2. 非ST上昇型急性冠症候群の初期マネジメント:ステップ ワン・ツー・スリー    
 伊藤 大樹 あおばクリニック

3. 心電図でどこまでACSを読むか?    
 小菅 雅美 横浜市立大学附属市民総合医療センター 心臓血管センター

【コラム】バイオマーカーがすべてを変えた:トロポニンは有用だが,問診と心電図診断もおろそかにしてはならない    
 永井 利幸 国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門 冠疾患科 心臓血管系集中治療科

4. ACSにおける血流画像検査の役割:心筋血流イメージングで心筋梗塞の急性期診断のみならず,慢性期のリスク層別化も    
 松本 直也 駿河台日本大学病院 循環器科

【コラム】心臓MDCTはERでの胸痛患者に対して有用か    
 伊藤 大樹 

【コラム】ACS急性期の心エコー図の役割:その特徴と限界を理解し,非侵襲性という強みを最大限に利用する    
 武井 康悦 東京医科大学病院 循環器内科

【コラム】MRIで深まったACSの理解:各撮像法の特徴を理解し,適切に組み合わせて検査を行う    
 奥田 茂男 慶應義塾大学医学部 放射線科学教室

“C” is for Coronary
5. ACSの薬物療法1:抗血小板療法と抗凝固療法    
 伊藤 大樹

【コラム】本邦未承認の抗血小板薬と抗凝固薬:多種多様な選択肢を有する米国での使用法    
 小船井 光太郎 東京ベイ・浦安市川医療センター 循環器科

6. ACSの薬物療法2:MONA,β遮断薬,ACE阻害薬/ARB,スタチンによる補助療法    
 上月 周 大阪府済生会中津病院 循環器内科
 平岡 栄治 東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科

7. NSTE-ACSの心カテーテルによる冠動脈造影検査とインターベンション:重症NETE-ACS患者における有用性を考える    
 酒井 孝裕 小倉記念病院 循環器内科

8. ACSの心カテーテル治療(PCI):テクニカルな話題と手術適応    
 青木 二郎 三井記念病院 循環器内科

【コラム】ACSの手術適応:外科医の立場から:PCI,CABG,OPCABの評価とその比較    
 西川 幸作・田端 実 榊原記念病院 心臓血管外科

【コラム】IABP/PCPSの使い方:あくまで“補助装置”であることを念頭に,適応となる症例を的確に判断する    
 田中 寿一 東京慈恵会医科大学 循環器内科
 香坂 俊 

“C” is for Complication
【コラム】ACSの急性期合併症1:腎保護の見地から,そして腎症が起こってしまったときの対応    
 猪原 拓 慶應義塾大学 循環器内科
 小松 康宏 聖路加国際病院 腎臓内科

【コラム】ACSの急性期合併症2:出血合併症:出血したときの抗血小板薬や抗凝固薬は?    
大野 博司 洛和会音羽病院 ICU/CCU

【コラム】ACSの急性期合併症3:ショック    
 阿古 潤哉 自治医科大学附属さいたま医療センター 循環器科
 村木 浩司 埼玉社会保険病院 循環器内科 

【コラム】ACSの急性期合併症4:不整脈    
 足利 洋志 Cardiac Arrhythmia Service,Division of Cardiology, Johns Hopkins University School of Medicine

“S” is for Syndrome
9. ACS という概念がもたらしたもの    
 安斉 俊久 国立循環器病研究センター 心臓血管内科

【コラム】ACSの病理学:不安定プラークを基質とする血栓形成メカニズム    
 水野 篤・西原 崇創 聖路加国際病院 心血管センター 循環器内科

10. ACS with normal coronary:単一の病態ではなく,さまざまな機序によって起こり得る    
 澤村 匡史 東京ベイ・浦安市川医療センター 集中治療科

11. 包括的心臓リハビリテーション:ACSからの回復をどうサポートするか?    
 長山 雅俊 榊原記念病院 循環器内科

12. ACSの長期予後を視野に入れた薬物・生活のマネジメント:科学的根拠と最新の知見    
 島田 悠一 Division of Cardiovascular Medicine, Brigham and Women’s Hospital, Harvard Medical School
 香坂 俊

13. 「特集 急性冠症候群」解説:ACSはカテ室から集中治療の現場へ    
 香坂 俊

【連載】
■Lefor’s Corner
第6回:Ventilator Management:Part II. Ventilator Modes and Settings    
 Alan T. Lefor Department of Surgery, Jichi Medical University

■ICUフェローからのメッセージ
第18 回:米国の医学シミュレーションセンターの取り組み    
 鹿瀬 陽一 東京慈恵会医科大学 麻酔科 集中治療部

■呼吸器離脱座談会:
こんなときどうする“もし◯◯患者の人工呼吸器離脱を考えたら”2例目    
 古川 力丸 日本大学医学部 救急医学系 救急集中治療医学分野
 内野 滋彦 東京慈恵会医科大学 麻酔科 集中治療部
 大庭 祐二 University of Missouri 呼吸集中治療内科
 讃井 將満 東京慈恵会医科大学 麻酔科 集中治療部

■集中治療に関する最新厳選20論文    
 柳井 真知 聖マリアンナ医科大学 救急医学
 藤谷 茂樹 東京ベイ・浦安市川医療センター/聖マリアンナ医科大学 救急医学

■JSEPTIC簡単アンケート    
第7回:補液,鎮静,人工呼吸器の設定と離脱
 内野 滋彦


免罪符としての周術期予防的冠動脈拡張薬

2011-12-07 14:29:06 | 循環

 

 朝7時のレジデントインターアクティブ講義をしている最中に、何かの拍子で周術期にしばしば予防的に用いる冠血管拡張薬の静脈内持続投与の話になりました。そこで、本邦の冠動脈疾患急性期や周術期冠動脈イベントリスク患者に対し、ときに“免罪符”的に予防的に投与されるニトログリセリンやニコランジルに [注1] 、その使用をサポートする強い根拠はないのではないか、という主旨の話をしたいと思います。

<ニコランジルについて>

 ニコランジルに関しては二編の大きなRCTが有名ですが、いずれも周術期の心筋虚血予防効果についての研究ではありません。また、対象、エンドポイントともヘテロジニアスです。

 ちなみにその一つは、IONA トライアル [文献1]。 5126人の慢性期安定狭心症患者に対して標準的治療に加えてニコランジルの経口投与を行うとプラセボに比べ、冠動脈死亡、非致死的な心筋梗塞、胸痛による入院などのコンポジットアウトカムの発生を減らし( 13.1% vs 15.5%; HR 0.83, 95% CI 0.72-0.97, p=0·014)、ACSの発生率を減らし( 6·1% vs 7·6%; HR 0·79, CI 0·64–0·9, p=0·028)、総心血管イベント率を減らしました(14·7% vs. 17·0%; HR 0·86, CI 0·75–0·98, p=0·027)。

 もう一つは、本邦の国立循環器病センターから提出されたJ-WIND-KATP で [文献2]、プラセボに比べて急性心筋梗塞後の梗塞サイズ、慢性期EFを減らさなかったというネガティブスタディです。

 いずれにしても“周術期におけるニコランジルの予防投与は有効か”というクリニカルクエスチョンに解答を出すための材料にはなりません。

 周術期のニコランジルに関しては、CABG関連でニコランジルの静脈内投与による術後の心筋逸脱酵素の改善などの生理学的アウトカムを改善する小さいRCTは見つかりますが[文献3] 、心血管イベントなどの臨床的に重要なアウトカムの改善を示すものは見つかりませんでした。

 非心臓手術患者では、術中ニコランジルを投与した前向きコホート研究 [文献4] が見つかりましたが、術中のみのニコランジル投与でなぜ術後のイベントが減るのか(イベントのリスクが高いのはむしろ術後24~48時間)、他の周術期血行動態管理はどうなっていたのか?、他の薬剤などの因子の関与は?、などの疑問が浮かびました。

 これら以外「ニコランジル vs 周術期心筋虚血」のトピックで、Journal of AnesthesiaやMasuiなどで発表されている症例報告以外でPubMedで引っかかる臨床研究は皆無と言ってよいと思います。

 

<ニトログリセリンについて>

 一方、ニトログリセリンにも周術期心筋虚血予防効果はないと考えてよいでしょう。泣く子も黙るかどうかはわかりませんが、世界のエキスパートの総意として尊重すべき、ACCF/AHA非心臓手術のための周術期評価およびケアのガイドライン2009 [文献5] には、予防的投与はClass IIb(考慮してもよい)エビデンスレベルC(エキスパートオピニオンレベル)で、

 「術中の予防的ニトログリセリンの効果は不明確で、用いるとしても、心臓前負荷を下げ(反射性に頻脈などを誘発し)かえって有害な可能性があるので、麻酔、血管内容量の状態による低血圧に十分配慮する必要がある」

“The usefulness of intraoperative nitroglycerin as a prophylactic agent to prevent myocardial ischemia and cardiac morbidity is unclear for high-risk patients undergoing noncardiac surgery, particularly those who have required nitrate therapy to control angina. The recommendation for prophylactic use of nitroglycerin must take into account the anesthetic plan and patient hemodynamics and must recognize that vasodilation and hypovolemia can readily occur during anesthesia and surgery.”

とされています。

 ただし、心筋虚血発作、すなわち狭心症発作におけるニトログリセリンの抗狭心症作用は失われているわけではありません(AHAのERにおける不安定狭心症およびNSTEMIのガイドライン2005) [文献6]、心不全における静脈拡張薬 [文献7]、冠動脈疾患患者で降圧薬を使用したい場合の選択肢 [文献7] としての役割は失われたわけではないでしょう。

 薬理的にニトログリセリンは耐性が生じやすい薬剤で、「ニトログリセリン軟膏も効果を取り戻すためには“少なくとも一日に8時間は休薬すべき”である」と、臨床薬理学の古典“グッドマン・ギルマン”に記載されています [文献8]。臨床的にも持続投与中にだんだん効かなくなる(血圧や肺動脈圧が下がらなくなる)ことを経験します。そもそも持続投与(やテープ)という投与法に向かない(か時間を決めて中断して用いる)薬剤なのかもしれません。

 もう一つ、トリビア的に知っておいてよい事実は、ニトログリセリンの抗狭心症作用は冠血管拡張作用によるものではなく、左室前負荷および後負荷軽減による心仕事量の軽減、心筋酸素消費量の低下によるということです [注2]。実際、「心臓カテーテル検査室で生じた狭心症発作に、冠動脈に直接ニトログリセリンを投与しても症状は軽快しなかったが、舌下投与したら軽快したという報告さえ存在する」と、前述の “グッドマン・ギルマン”に記載されています [文献8]。臨床的に静脈内投与で使用する量で、冠動脈を開く効果を得るのは難しいであろうと言うことも想像に難くないでしょう。

 ちなみに筆者が米国で麻酔科医、集中治療医として研修した6年間で、ニトログリセリンを含む硝酸薬、ジルチアゼム、ニコランジルなどの冠動脈拡張薬を周術期に予防的に静脈内持続投与(テープや軟膏も含む)した経験は、OPCABGでジルチアゼムを使用した一回だけでした(ニコランジルは米国未発売なので使用した経験がないのは当たり前ですね)。なぜ投与しないのか指導医に聞いたら、「もともと飲んでいる人は朝飲ませればいいじゃないか」、「有効であるというエビデンスがない」、「s◯◯p◯d」などと反論され、それよりずっと重要なのは、心筋の酸素供給を保ち、酸素需要を抑える血圧、心拍数、血管内容量の管理だよ、と叩き込まれました(当時は周術期高リスク患者におけるβ遮断薬の適応、使用法が今ほど厳格に定められていなかったので [文献5]、“術当日朝からのβ遮断薬の内服”なども行われていたのも事実ですけれどもねー)。

 以下、脱線的結論。

 ・ルーチンでやっているから、

 ・先輩に言われたから、

 ・コンサルタントの指示だから、

 ・やらないと不安だから、

 ・やっておかないと誰かに何か言われたときに言い訳が立たないから、

など「自分の不安症候群」を治療するのではなく、本当に患者のためになる有効な治療法なのか、という疑問を常に自分に発してみることが重要です。率直に、全国で行われているはずの“予防的な周術期冠血管拡張薬の使用”を止めるだけでいくら医療費が浮くんだろう、と思います。その一方で医療者は、自分に対する直接の影響がなく、患者に良いことをしているという“自分のココロのなぐさめ”になるなら「四の五の言わずに使っておけばいいじゃん」と思う人はなかなか減らないであろうという懸念は消えません。

 

<注です>

注1:以下、昔書いた文章(LiSA 2008; 15:606-610)の“冠動脈バイパス術周術期における冠血管拡張薬の役割”の引用改変になりますが、以下。

 本邦では、冠動脈バイパス術や心血管リスクをもつ非心臓手術におけるニトログリセリン、ジルチアゼム、ニコランジルなどの周術期持続投与が、あたかも虚血に対する“免罪符”のように一人歩きをしている。冠動脈疾患の既往歴のある患者の胃切除術中に硝酸薬の予防投与を行い、血管内容量が低下して血圧85/42mmHg、心拍数102/分になった場合でも「冠動脈発作予防のために中止すべきでない(あるいはテープの場合ならはがすな)」と考える人も多いのではないか。“冠動脈を開くから”、“使っておけば安心”という無思慮な使用になっていないだろうか。ニトログリセリンがなぜ狭心症発作を解除するかを知っていれば少しはこのような使用法が減るのではないだろうか(上記)。

 筆者が危惧するのは、若い麻酔科医や将来外科医や内科医になる麻酔ローテーターが、冠動脈疾患患者の周術期には、このような免罪符さえ投与しておけば安心と、勘違いすることである。一番重要なのは、冠動脈疾患患者の循環管理の基本、すなわち心筋の酸素需給バランスの理解にもとづいた管理を教えることではないか。

 

注2:麻酔科専門医レベルで知っておくべき“ニトログリセリンのトリビア”は、「ニトログリセリンがどのレベルの冠動脈を開くか」ですよね。わかりやすい解説は以下。

1. 冠動脈病変を含む虚血領域の末梢の“細い”心内膜下の冠動脈は、自己調節能により冠血流を増やそうとして最大限に拡張している

2. ジピリダモールやイソフルレンは、自己調節能を無効にして正常、異常領域に関わらず“細い”冠動脈を一様に拡張させるので、相対的に正常部領域の血流が増え、虚血領域の血流が減る(冠動脈盗血現象: コロナリー・スティール)

3. 一方、ニトログリセリンは心外膜側の比較的太い冠動脈を拡張し、自己調節能を温存するので コロナリー・スティール は起こさないので、虚血性心疾患患者に有利である

 

<文献>

文献1:PMID: 11965271

文献2:PMID: 17964349

文献3:PMID 18662629、PMID: 15454860など

文献4:PMID: 17321926

文献5:PMID: 19884473

文献6:PMID: 15911720

文献7:PMID: 20937981

文献8:Michel T.  Treatment of myocardial ischemia.  In: Brunton LL, Lazo JS, Parker KL.  Goodman and Gilman’s the pharmacological basis of therapeutics.  11th ed.  New York: McGraw-Hill, 2005

 


極論で語る循環器内科

2011-08-01 11:50:13 | 循環
本の紹介です。

みなさんすでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、慶應の循環器の香坂 俊先生の編著の

極論で語る循環器内科

http://amzn.to/r3YHCs

が刊行されました。若いドクター、パラメディカル、医学生の方たちに良い内容に見えます。

「極論」とは、つまるところ記憶しやすい「臨床的格言」のことらしい。こういう「臨床的格言」は、全部が全部主として経験にもとづくclinical pearlsではないが、「短く言い切る」ことの効用は共通です。

たとえば、

極論1:脈がデタラメに打っていたら心房細動
極論2:長生きすればみんな心房細動になる
極論3:脈がバラバラ なら 症状もバラバラ
極論4:心房細動は脳を守るために治療する

経験、見識ともに備わったドクターでないと、なかなかこういうふうに「短く言い切れません」よね。

自分自身も、毎日のベッドサイド回診でできるだけ「短く言い切る」ように心がけていますが、まだまだ修行が足りません。いくら多数経験し、たとえそれが臨床的センスに裏打ちされていても、それらのみに端を発する「極論」は聞いている人たちに必ずと言ってよいほど違和感を引き起こしますし、逆に「文献的知識」のみに端を発する「極論」も聞いている人は苦しい。臨床医として毎日のように悩みながら、調べながら、いえ、悩んで調べるから、ずばっと言い切ることができるようになるのでしょうね。

見習いたいところです。

肺動脈カテーテルは不滅です(2)

2011-07-03 15:37:25 | 循環
好評発売中の雑誌Intensivist4月号( http://www.medsi.co.jp/books/products/detail.php?product_id=3214 )の中のコラム「肺動脈カテーテル(PAC)必要説:やはり肺動脈カテーテルは集中治療に必要である」の「冒頭の意地悪な質問」に対する解答のつづき。

Q1~Q3までは「肺動脈カテーテルは不滅です(1)」( http://blog.goo.ne.jp/jseptic/e/00070391949d7b1c3331502caea2b24d )を参照してください。

Q4: 肺動脈破裂を防ぐために有効な予防手段は何か

重要なことは以下。

1. PACが留置されている間は、PA圧を持続的にモニターする
2. モニターを見る
3. 波形の意味を理解する
4. 少量(1 ml程度以内の)空気を入れただけでウエッジする位置は深い
5. 人工心肺開始時には少し引き抜く
6. バルーンをやたらめったら膨らまさない
7. 膨らましたバルーンは確実にデフレートする

などでしょうね。胸部写真で先端位置を定期的に確認することもみなさんおやりになっていると思いますが、左右の肺動脈主幹部に先端があればよいと思います。また、一般常識として、どの程度PACを深くいれたらバルーン閉塞位置に到達するかも知っておく必要があります。右内頸静脈穿刺部からですと、小さい体格、心臓の方で40cm程度、大きな体格、心臓でも60cmを越えると“恐い”。

「確かな目、慎重さを持つ人による持続的モニター」とまとめることができるでしょう。


Q5: PAOPと肺動脈拡張期圧(PAEDP)の相関が悪くなるのはどのような病態か?

PAOPの解釈を正しく行うためには、PAOPとPAEDPが相関しない状況ばかりでなく、PAOPが左室拡張終期圧(LVEDP)と解離する状況も理解しておく必要があります。これらを理解しておくと、PACを使用しない場合でも、最終的な目標である左室前負荷、すなわち左室拡張末期容量(LVEDV)の適正化を考える大きなヒントになります。以下簡単に。

1. PAOP > LVEDP
僧帽弁狭窄、閉鎖不全、左房粘液腫( LAP > LVEDP)
肺静脈疾患( PAOP > LAP)
高いPEEP( PAOP > LAP)

2. PAOP < LVEDP
左室コンプライアンス低下(LAP < LVEDP)
大動脈弁閉鎖不全(LAPのa 波 < LVEDP:拡張末期の早期僧帽弁閉鎖)

3. PAOP < PAEDP
肺高血圧、肺性心、肺塞栓症


Q6: PEEP付加時のPAOP測定をどのようにおこなうべきか? 測定値をどのように解釈すべきか?

答えは、一般的には無視して(PEEPをかけたまま呼吸回路をはずさずに)そのまま測定し、呼気終末の時点のa波の平均を採用すればよい、だと思います。

理由はいくつかありますが、以下。
 
生理学的には、まず理想的なPAOPを測定するポイント(肺動脈を閉塞する位置)はWest zone 3(肺動脈圧 > 肺毛細血管圧 > 肺胞圧)かつ左房レベル以下と言われ、その領域でバルーンが拡張し肺動脈を閉塞すれば、その先端から左房まで連なる一続きの血管コラムが作られ、内圧が反映されるはずです。PEEPを高くして、先端がWest zone 3の状態をはずれる場合には、肺胞内圧が反映され、PAOPの呼吸性変動の方が肺動脈圧の呼吸性変動よりも大きくなることでわかるともいわれます(UpToDate Pulmonary artery catheterization: Interpretation of tracings)。
 
昔、PEEPをかけたときの真の血管内圧をPAOP値から推測する簡易式として、肺コンプライアンスの正常な患者においては、かけたPEEPの2分の1をPAOP実測値から引く、ARDSのような肺コンプライアンスの悪い患者では、かけたPEEPの4分の1を実測値から引くなんていうことも教わりましたが(Miller‘s Anesthesia)、臨床上この簡易式をマジメに使っている場面に出くわしたことはありません。
 
実際臨床の現場では、以下のように考えておけばよいと思います。

1. PAOPは所詮指標の一つであり、常にその他の指標ととともに用いる総合判断が求められる
2. 数字そのものよりも、経時的トレンドやボーラス投与による時間的変化が大切
3. PEEPを外すことのデメリット(肺胞の虚脱およびそれにともなう低酸素血症)の方が大きい(ので、多くのエキスパートはPEEPを外して測定することを推薦しません。余談ですが、個人的にはPAOPやCVP測定のために頭部をフラットにすることもしません。頭部挙上されている場合 [というかいつでもですが]、トランスデューサーの位置を心臓の高さに合わせます)
4. 原理的には、PAOPが高いPEEPによる高い肺胞圧を反映するような状況では、適正な左心前負荷を得るためには十分に高い血管圧(肺静脈圧)が必要です。つまり十分な容量負荷が必要というわけですが、容量負荷は肺水分量、間質圧も上げてしまうので、高いPEEPが必要なガスが悪い患者に気軽に容量負荷は行いにくい。適切な状況判断、総合判断が重要です


Q7: 心機能の良好な患者が陽圧換気中と自発呼吸中でPAOPが8mmHgと同一の値を示した。同様な血行動態管理を行うべきか? 判断のためにどのような情報が必要か?

仮に8mmHgという結果が得られたとします。これを低値と考えて全例に輸液すべきでしょうか。

上述の議論から、陽圧換気、PEEPの影響により、PAOPは多かれ少なかれ上昇します。また上記の議論から、陽圧換気中は原則的に十分な容量負荷が必要にもなります。したがって、血行動態管理上の目安となるターゲットのPAOPは、陽圧換気中の方が自発呼吸患者よりも高くなるはずです。SSCGガイドライン2008でも、PAOPではなくCVPですが自発呼吸中は8mmHg以上、陽圧換気中は12mmHg以上としています(ちなみにPACをルーチーンには使わないように推薦していますね:グレード1A)。

たとえば心機能の良い自発呼吸患者が何らかの理由でPAOPを測定した場合8mmHgはおそらく十分でしょうが、敗血症性ショック患者で陽圧換気中ならもっと輸液が必要だ、となるはずですよね。

いずれにしてもそのほかの各種の血行動態パラメーター(平均動脈圧、脈拍数、尿量、皮膚の指針・触診、乳酸、混合静脈血酸素飽和度などなど)、次に述べる病勢、時間経過などからの総合判断が大切です。


Q8: ショック発症0日、5日でそれぞれPAOPが12mmHgと同一の値を示した。同様な血行動態管理を行うべきか? 判断のためにどのような情報が必要か?

以下、若干乱暴な議論をお許しいただけますよう。
 
ショック発症初期では、PAOPが12mmHgのように“まだ容量負荷をしても許される”だろう、“容量負荷を行って心拍出量が増加することが期待できそうな”患者を見たとしたら、さらに容量負荷を行って最も心拍出量が出るPAOPを探るべきと思います。
 
逆にショック発症5日に、同じPAOPが12mmHgという数字を見ても、輸液負荷をせずに逆に水を絞り、利尿をかけなければならないこともあるでしょう。たとえば、すでに利尿期に入り、利尿をかけてもかけてもPAOPが下がらない(間質から血管内に余剰水分がモービライズされている)状態が考えられます。

もう少し欲しい情報としては以下のようなものが上げられるでしょう。

1. ショック初期には陽圧換気していたが今は自発呼吸かもしれません(前述)
2. 病態が安定してカテコラミンがオフになっているかもしれませんし、逆に依然としてショックを離脱できていないかもしれません
3. 肺酸素化能が良いかもしれませんしこれ以上後がないほどに悪いかもしれません
4. 心拍出量、乳酸、尿量などのその他の循環の指標が、良い値かもしれませんし、不十分な値かもしれません

しつこいですが、「常に総合判断」が求められているのです。

もう一つ余談ですが、ある一つの心拍出量データを見たときに、その数字が基準範囲内に収まっていれば良いのでしょうか。そうではないですよね。この議論も上記と同様です。つまり、そのときに最適な心拍出量は、病態、経過によって変わってくるはずです。敗血症性ショックや肝不全の患者の心係数が3.0L/分/m2と正常範囲でも、もしかしたら不十分かもしれませんよね。逆に心係数が2.0L/分/m2でも、意識清明、尿が良く出て、乳酸も高くない、その他文句のつけようがないこともあるでしょう。

心臓手術、非心臓手術の周術期リスク減少手段に関する国際アンケート調査

2011-06-24 11:25:47 | 循環
すでにtwitterでつぶやいてしまいましたが( http://twitter.com/#!/msanui )、イタリア発の国際アンケート調査のご協力のお願いです。

オーストラリアの林先生の友人でイタリア(ミラノ)の売り出し中の心臓麻酔科医Giovanni Landoniが中心となって発行しているHER proceeding( http://www.hsrproceedings.org/index.phpl )という心臓麻酔・集中治療の学術誌(Intensive Careのsection editorはGattinoniのようです。ちなみにhSRとはHospedale San Raffaele(San Raffaele Hospital)の略)からの依頼です。

現在話題になっている心臓手術、非心臓手術の16個の周術期リスク減少手段(スタチン、硬膜外などなど)に関してどう思うか、という至極単純なものです。

以下コツ。これさえ守れば2分47秒(計測しました。n=1)。

マジメに質問文を読んでしまうと逆に I agreeと答えるべきか I disagreeと答えるべきか、迷ってしまい答えられなくなってしまうのが難点。しかし、最初の14問は

Do you agree with the life saving effects of these drugs/techniques/strategies?

と尋ねられている、つまり、そのリスク減少手段が効くと信じるか? と聞かれていると考え、最後の2問は

Do you agree with the life threatening effects of these drugs/techniques/strategies?

と尋ねられている、つまり、その治療法(アプロチニン、メトプロロール)が危険かどうか? と問われている、と考えると簡単に答えられます。

参照文献のpdfのリンクが張ってあって、知りたい人にはお得があります。回答にconflict of interestを選択させるところはさすがですね。


以下、実際に送られてきたメール。

Dear Colleague,

An internet based international consensus conference identified only 16 drugs and non-surgical techniques/strategies that might reduce perioperative mortality. Please could you just take one minute to click on the following link to cast your vote and agree or not with the 16 topics and with the 16 related
sentences?

http://www.hsrproceedings.org/consensus/index.php?pag=vote_after_consensus

We expect 1000 votes from 70 countries.

Please also take a look at the following link for the programme:

http://www.hsrproceedings.org/consensus

Endorsed by

Italian Ministry of Health
Outcome Research Consortium
SICCH Italian Society of Cardiac Surgery
Polish Society of Cardiac and Thoracic Surgeons
Association of Hungarian Anesthesiologist
ANARCHIVE Analgesia Anesthesia Intensive Care for Vascular Surgery
Hungarian Society of Anaesthesiologists (Cardiovascular Section)
Club ARENA Scientific Society
METCARDIO
AISACE

Thanking you in advance for your kind collaboration, we look forward to receiving your votes.

Giovanni Landoni, MD

肺動脈カテーテルは不滅です(1)

2011-06-20 07:24:38 | 循環
 好評発売中の雑誌Intensivist4月号の中のコラム「肺動脈カテーテル(PAC)必要説:やはり肺動脈カテーテルは集中治療に必要である」の「冒頭の意地悪な質問」に対する答えを知りたい、とおっしゃる方がたくさんいらっしゃるので、簡単にお答えします。異論・反論あるかたはまたコメントいただければさいわいです(論の展開上、問題の順番を少し変えました)。
 学習のための文献として恐らく最も参考になるのは、
1) Pulmonary Artery Catheter Education Project (PACEP) http://www.pacep.org/pages/start/ref.html?xin=sccm

血行動態モニタリングおよび管理の基本に関して非常に丁寧に解説してくれています。英語解説もわかりやすいですし(キャプションつき!!)、リスニングの練習のためにも是非どうぞ(ただし登録が必要です)。
 その他、おなじみの
2) UpToDateのPulmonary artery catheterization: Interpretation of tracings

3) 麻酔科の教科書Miller‘s Anesthesia(図がきれいで各種の波形の解説がわかりやすい)

4) MarinoのICU book

などでこと足りるでしょう。
 原稿の中でも述べましたが、肺動脈カテーテルは絶滅危惧種に指定されています。しかし、病態によって、あるいはPiCCOなどの他の血行動態モニタリングモニタリングが使用できないときあるいは信頼度が劣るときには、活躍する場が残されていると信じたい。そのためには正確な使い方を知る必要がありそうです。
 考えようによっては、心拍出量ばかりでなく、SvO2で酸素需給バランスもわかり、ペーシングもできる(待望のSvO2持続測定機能つきのペーシングサーモも上梓されるようです。その良さがわかるドクターが少なからずいるということですね)。こんな高度なあわせワザはなかなか他のモニターにはできません。
 というわけで正しい使用法を学びましょう。

Q1: 肺動脈楔入圧(PAOP)を測定する際に、呼吸サイクルのどのタイミングで測定すべきか? 吸気時か呼気時か? その開始期か終末期か? なぜそのタイミングで測定すべきなのか?

 呼吸サイクルの中の測定タイミングは、呼気終末と決まっています。これは呼吸による胸腔内圧の変化の影響を最も受けにくい時点であると考えられるからです。通常の自然呼吸では吸気につづいて呼気が起こりますが、その後次の吸気が始まるまで何もしていない時間があるはずです(自分で自分の呼吸を感じてみればわかりますよね)。この時期すなわち呼気終末で、最も胸腔内圧が基準点、すなわち自然呼吸(通常のサポートのない自発呼吸)ではゼロ(大気圧)に近づく時点ということが出来ます。
 自然呼吸の場合には吸気時に胸腔内圧がより陰圧になりますので、PAOP波形トレースは低下します。呼気には上昇します。したがって自然呼吸の場合、呼気終末はPAOP波形トレースが低下し始める直前の時点を同定すればよい、ということになります。
 逆に機械(陽圧)換気の場合には吸気時に胸腔内圧がより陽圧になるので、PAOP波形トレースは上がります。呼気には低下します。したがって、呼気終末はPAOP波形トレースが上昇し始める直前の時点ということになります。

Q2: ベッドサイドでPAOPのa波、c波、v波、x谷、y谷を同定できるか、また、生理的、病的になぜそのような波形を生じるか説明できるか?

a波:心室拡張末期の心房収縮によって作られる陽性の波(atrialのa)
c波:収縮期開始時の僧帽弁の閉鎖によって作られる小さい陽性の波(closureのc)
v波:心室収縮期に肺静脈から心房への血液の流入によってできる陽性のノッチ(vetrivcleのv)
x谷:a波、c波につづく下行脚。心房の弛緩に一致する
y谷:v波につづく圧の低下。僧帽弁の開放にともなって心室への急速流入によってできる

はご存知と思います。

PAOP波形の特徴、時相、病的意義をいくつか箇条書きにしますと、
・平均のPAOPは平均肺動脈圧より低い。高いときは何らかの異常。
・基本的にはCVP波形と同一
・ただし、CVP波形は時相がPAOPよりも早い。すなわち、CVPのa波はEKG上のP波の比較的すぐ後(PとQRSの間)に出現するが、PAOPのa波はQRSの終わりぐらいに出現する。これはPAOPは左房圧の反映でそれだけ距離があるので遅れるからである
・通常の洞調律ではa波が最も顕著。

a波が消失する場合
・心房細動
・房室結節リズム
・心室ペーシング、心室リズム(これらは正確に言うとa波が消失するわけではなく、正常な時相に出現しなくなるという意味ですね)

巨大a波
・僧帽弁狭窄
・心室コンプライアンス低下
・III度房室ブロック、房室解離(は、タイミングがずれて心房収縮が僧帽弁が閉鎖された状態で起こるために生じます)

巨大v波
・僧帽弁閉鎖不全
・急性心筋虚血

などはいずれも有名ですね。

Q3: PAOPを測定する際に、心周期のどのタイミングで測定すべきか?
 PAOPを測定することで最終的に推測したいのは左室拡張末期圧(LVEDP)ですよね。本当は、左室拡張末期容量(LVEDV)を知りたいのだが肺動脈カテーテルでは知ることができない。圧と容量とのある程度あるであろう相関関係を利用し、LVEDPを推測し、LVEDVを推測したいというわけです。ここにPAOPの大きな限界の一つがあるわけですが、それは後ほど。
 では、左室拡張末期はいつかというと心房の収縮後、僧帽弁の閉鎖の直前(正確にはzポイント:a波とc波の間。左室圧の立ち上がりの傾きが変わる点でEKGのQ波の50msec後、R波あたり)ということになります。しかしPAOP波形から推定するときには慣習的に、a波の平均値をLVEDPを推定するためのPAOP値として代表させています。ただし、a波が消失していたり巨大な場合には、左室拡張末期圧を最も良く反映するポイントとしてQRS波の終了時を代用し、測定ポイントとします。
 多くのベッドサイドモニターは、正確なPAOP測定が行えるように専用画面が存在します。それを利用しましょう。しかし、多くの場合、モニター画面に自動表示されるPAOP平均値とあんまり変わりなかったりする(1~2mmHgしか違わない)のも事実です。

続きは次回に。