Dr. 讃井の集中治療のススメ

集中治療+αの話題をつれづれに

レジデントの味方? インターネットワイヤレス接続

2009-06-26 00:07:02 | 集中治療
無事ICU改装も終了しもとのICUに戻ってきました。

念願であったインターネットワイヤレス接続を設置してICU内どこでも接続できるようになりました。

これが朝夕の回診で絶大な威力を発揮します。

指導医:◯◯の××は何だっけ?

レジデント:調べておきます

という会話はなくなり、すぐにだれかがインターネットで(多くはUpToDateから)◯◯の××を調べて、「それは△△」ということです。と答えてくれます。

今まで、「昼飯までに調べておくように」と決めておいても皆なんだかんだで忙しく、結局忘れ去られる確率が50%ぐらいありました。しかし、インターネットをワイヤレス接続しておけばベッドサイドで即解決です。

今までは指導医が、“◯◯年のNEJMの××という人の△△というRCTによれば......”、と多少あやふやな記憶でも自信を持って言うと、みな「へーっ」という顔して聞いていましたが、賢いレジデントは、“いえ、正確には◯◯です”と反論できます。

レジデントの強い味方かもしれません。

冠動脈疾患にNSAIDSは禁!

2009-06-18 01:50:25 | 集中治療
老人にNSAIDSは原則禁!に続く、禁シリーズ第2弾です。

UpToDateのNSAIDs: Cardiovascular effectsに以下のようなrecommendationが。

While the AHA recommendation (above) addressed use of selective COX-2 inhibitors primarily, we recommend that the use both classes of drugs (ie, nonselective NSAIDs and selective COX-2 inhibitors) be limited to patients for whom there are no appropriate alternatives; and then only in the lowest dose and for the shortest duration necessary. We concur that they should not be used in the setting of an acute ST elevation (Q wave) infarction.

根拠は、薬理学的にアスピリンとcompeteする作用からNSAIDSがpotentialに悪いこと、いくつかの後ろ向き解析でassociationを示すことから、少なく見積もっても他に使うことができる薬がある(たとえばopioid)のに「わざわざ使うこともないであろう」ということはいえそうです。

Inhibition of clinical benefits of aspirin on first myocardial infarction by nonsteroidal antiinflammatory drugs. Kurth T; Glynn RJ; Walker AM; Chan KA; Buring JE; Hennekens CH; Gaziano JM. Circulation 2003 Sep 9;108(10):1191-5. Epub 2003 Aug 25.

詳しくはUpToDateのNSAIDs: Cardiovascular effectsによくまとまっています(見れない方はごめんなさい)。

日本では意外に気にされていない事実かもしれませんし、自分自身もCOX-2阻害剤はともかくとし、それほど気にしていませんでした。「そんなの当たり前じゃん」という方には、恐れ入りました、と脱帽する他ありません。

というわけでJSEPTICセミナーは自分たちにとってもとてもよい勉強の機会になっています。

次回も是非みなさまご参加ください。

JSEPTIC第4回セミナーにご参加くださりありがとうございました

2009-06-15 00:09:52 | 集中治療
JSEPTIC第4回セミナーにご参加くださった方へ

お忙しいなか数多くの方にお越しいただきありがとうございました。また、講師のミズーリ大学の大庭祐二先生、東京女子医大の小谷 透先生、飛び入りですばらしいコメントをくださった京都府立医大の橋本 悟先生、神戸百年記念病院の尾崎孝平先生、ありがとうございました。ほんとうにこれだけの方が一同に会するチャンスは滅多にありません。

個人的には呼吸に関する素晴らしいディスカッションができたのではないか、いや、もっと時間が欲しかったと思いました。また、実際にお会いして話すことの威力を痛感した一日でした。

いろいろ至らぬ点もあったかと思いますが、また率直なご感想、ご意見いただければさいわいです。

讃井將満

6月13日JSEPTIC第4回セミナーに参加される方へ緊急告知

2009-06-12 06:44:11 | 集中治療
6月13日JSEPTIC第4回セミナーに参加される方へ3つだけお断りがあります。

1. 座談会のパネリストを一部変更いたしました。さらに凄いメンバーになること請け合いです。“誰”が加わるかは当日のサプライズにいたしたいと思います。

2. 座談会のテーマ1としてCOPD急性増悪の呼吸管理にいたしました。レジュメは当日お渡しします。また、このテーマに関することや、それ以外でもなんでも受け付けますので当日どしどし質問して下さい。以前申し上げた通り”大質問大会”、脱線大有りです。パネリストを困らせるような質問多数お待ちしています。ちなみにもし時間が余ればテーマ2のARDSの呼吸管理に移りたいと思います。

3. 以下お断りかつお願いです。大庭先生もいらっしゃるという、またとないすばらしい勉強の機会ですので椅子の追加で対応できるギリギリまで申込を受け付けました。しかし若干オーバーする可能性があり、後ろの方は立ち見またはテーブルに座り見の可能性があります。また、会場がフラットなフロアーですので、後ろの方は若干見にくくなる可能性があります。

講演される先生がたのご了解が取れれば後ろの方にハンドアウトをお渡しすることなども考えております。当日はできるだけみなさまに満足していただけるよう臨機応変に対応したいと思っておりますので、席をあけずに座る、前の方をあけないなどの対応をしてくだされば助かります。ご理解ご協力をお願い申し上げます。

今回準備を担当しました私の不手際をお許しください。会場、時間、日時などの相当な制約の中で出来るだけ多くの方に学んでいただきたい、と考えた結果です。

日時、場所に変更はありません。

自治医大さいたま医療センター 讃井


VAPの講義があります

2009-06-04 22:54:58 | 集中治療
さいたま感染症勉強会 特別企画 第2弾として、以下のように6月12日ミズーリ大学呼吸・集中治療内科の大庭祐二先生をお迎えしてVAPの講義をしていただきます。ご興味のある方は是非どうぞ。

新緑の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。この度、さいたま感染症勉強会の特別企画として、ミズーリ大学 呼吸器集中治療内科 准教授でいらっしゃる大庭祐二先生をお迎えし、下記の通り教育講演を企画致しました。大庭先生は1994年に渡米され、米国の呼吸器内科・集中治療の臨床の第一線でご活躍されてきた先生で、特にARDSやCOPDの診療に関する著作、ご経験も豊富です。
今回、一時帰国のお忙しいお時間を拝借してさいたま市周辺の皆様のためにVAP(人工呼吸関連肺炎)/HAP(院内肺炎)に関する講義をしていただけることになりました。VAP/HAPは呼吸器・集中治療の観点からも、感染症の観点からも重要なテーマです。皆様のご参加をお待ちしております。

さいたま感染症勉強会世話人を代表して 讃井將満


日時:平成21年6月12日(金)19:00~20:30
場所:大日本住友製薬(株)埼玉支店 7階会議室
さいたま市大宮区宮町2-35 大宮MTビル7階 大日本住友製薬 埼玉支店
JR大宮駅東口徒歩6分(東口を出て線路に直行して進み、高島屋のスクランブル交差点を左に曲がりしばらく歩いた道路右側です)
http://www.mapion.co.jp/m/35.90582777_139.62991943_10/
TEL: 048-649-7011

【製品紹介】19:00~19:15

【教育講演】19:15~20:30
VAP/HAPの診断と治療 ミズーリ大学 呼吸器集中治療内科
大庭 祐二 先生

共催:さいたま感染症勉強会 
大日本住友製薬株式会社

会場設営の都合上、参加人数を確認させて頂きたく存じますので下記まで
ご連絡よろしくお願い申し上げます。また会終了後、大庭先生を囲んで有志で食事会を企画しておりますので参加希望の方も併せてご連絡お願い申し上げます。

連絡先:takeshi-honda@ds-pharma.co.jp 大日本住友製薬(株) 本田 丈士