Dr. 讃井の集中治療のススメ

集中治療+αの話題をつれづれに

加藤友朗コロンビア大学医学部外科学教授 「いま、専門家に求められているものとは」

2020-08-28 11:10:46 | 集中治療

ヒューモニー 特別連載 第14回 特別対談 加藤友朗コロンビア大学医学部外科学教授 「いま、専門家に求められているものとは」

https://humonyinter.com/column/med/med-14/

古くからの友人、恩人である加藤友朗先生との対談パート1。ECMO(人工肺)が必要になるほどの重症新型コロナウイルス感染症から生還、回復したのは聞いていましたが、実際にナマで話すまで安心できませんでした。よかったです。

キーワードは“想像力”と“安心感”。

人間、どうしても自分の半径30mくらいまでしか想像力が及びません。このバイアスはかなり強力です。結果的に、何か悪いことが自分の目の前で起こるまで「まあ、起こらないでしょう」と盲信し、安心を得ようとします。そして実際、何も起こらなければ「ほら、やっぱり大丈夫でしょ」と自己肯定に走る。見えないから安心、なのかもしれません。

その一方で、人間、不安があると感情的な言動をとりがちです。心ない言葉を吐いてしまうこともある。見えないから不安、なのかもしれません。

そんな時期だからこそ、安心感は、患者さん、医療従事者、経済活動を営む一人一人にとって重要なキーワードでしょう。しかし、真の安心感を与えるのは結構難しい。

第一に行うべきは、事実を、相手のわかる言語で、正確に、繰り返し伝えることだと思いますが.....。

野本先生淵田先生にも報告していただきましたが、ニューヨークから学ぶことは多いようです。


今は危機的状況なのか?

2020-08-22 16:10:43 | 集中治療

ヒューモニー 特別連載 第13回 “今は危機的状況なのか?”

https://humonyinter.com/column/med/med-13/

4月と比べると新規陽性者数の山の高さ、形状が異なり、重症患者さんも非常に動きが緩やかです。自施設でも、4月は人材をICUに集中し、予定手術も制限して対応しましたが、今はそこまでの必要はありません。しかし今は人的応援がない中、むしろ厳しいベッド運営が求められています。スタッフは、本当に毎日よくやってくれています。頭が下がる。

その一方で、通常患者さんの中に、”stay home”、受診控え、感染への過度な恐れから、状態が悪くなるまで我慢してしまい、最適な治療タイミングを逃すような方も散見されるようになりました。

首都圏の多くの医療機関で新型コロナウイルス感染症患者さんの診療を行っていますが、各施設とも厳格な感染対策・ゾーニングを行っていますので、通常の外来受診・入院で感染することは、まず考えられません。安心して紹介・受診して下さい。