最近、専門医取得数年後の若い麻酔科医(ちなみに、自分の病院の人ではありません)と話す機会がありました。
麻酔科医としての自分の将来、日本の医療界の中の麻酔科という診療科について漠然とした違和感、危機感を抱いている。
自分はプロフェッショナルと言えるだけの資質を備えているのか、日本の麻酔科という診療科は、プロフェッショナルを再生産して、周術期医療をよくして、みなさまの役に立っているのか、など。
自分を振り返ってもよくわかります。
初期研修を終わり、麻酔を研修して、心外も自信を持ってできるようになって、小児も産科もそれなりにできるようになって、見よう見まねでICUも救急もできるようになった後に自分に質問してみました。
「自分は麻酔のプロフェッショナルか、自分は麻酔を人に教えられるか」
答えは「No」でした。だから、米国で、あらためて麻酔科レジデントに逆戻りしました。
うちの同僚(非麻酔科系の集中治療医)は、「何科の医者?」と訊かれると「自分は集中治療医です」と答えます。ときに、それを私に強要します。確かに、私もアルバイト以外、ICU専従の生活をもう5年もしていますので、客観的に見ると集中治療医が正しい。しかし、多くの場合、反射的に「私は麻酔科医です」と答えてしまいます。
理由は自分でもよくわかりません。
悪く解釈すると「集中治療医とは何か」を説明するのが “日本では” まだまだ面倒だからかもしれません(先生がそんなんじゃだめでしょ、とまた怒られますが)。よく解釈すると、やっぱりなんだかんだ言って自分が麻酔科医であることに誇りがあるってことなのかもしれません。
偶然見つけた気持ちの良い「集中治療医を目指す麻酔科医のブログ」
http://anesthfow.exblog.jp/
頑張って、若者。応援します。