Dr. 讃井の集中治療のススメ

集中治療+αの話題をつれづれに

ICUを救う「長期人工呼吸病院」

2013-01-28 14:28:14 | 麻酔

以前お伝えしましたが、第16回日本集中治療教育研究会(JSEPTIC)セミナーm3.comの記者の方が取材に来てくれました。

セミナーの中でとくに注目を集めたのは、札幌平成会病院の岡村 篤先生による「長期人工呼吸病院」に関するレクチャーで、その記事がm3.comに掲載されています。

http://www.m3.com/clinical/news/article/165236/

記事の閲覧には会員登録が必要ですが、ご興味のある方は是非どうぞ。

なお、「JSEPTIC Club」にご加入いただきますと、岡村 篤先生による「長期人工呼吸病院」のレクチャーだけでなく、大阪府立母子保健総合医療センター 竹内宗之先生の「呼吸仕事と呼吸筋疲労」など、必見のレクチャーが動画で見れます。

さらに、1年分遡ってセミナー(小児ICU、術後管理、終末期医療)のレクチャーも見ることができますので、お得です。

アップされたらMLでお知らせします。


とある人との会話から勉強になったこと

2013-01-19 13:52:38 | その他

唐突ですが、求められていることと自分の希望との間にどうもズレがありそうだ、と気づくことはありませんか。最終的にその溝を埋めないと物事が始まりません。どういう障壁があるのでしょうか。

◯◯から(世間から、病院から、友達から、家族から、何でも入ります)自分に求められていること、あるいはもっと広く“◯◯の意向、希望”は、“自分のやりたいこと”とはもちろん、“◯◯から求められているだろうなと自分が想像すること”と一致しないことがしばしばありますね。これに気づくかどうかが第一の障壁。

さらに、◯◯の希望と自分の希望との不一致、障壁に気づいても、その障壁は実は自ら作っていることが多いということ。これに自ら気づくかどうかが第二の障壁。

このような自ら作る障壁の存在に気づき、自分で「◯◯の求め」に沿うように頭を切り替え行動に移すのにさらに躊躇があるはずです。頭の切り替えと行動ができるかが第三の障壁。

このように◯◯の希望を叶えることには障壁が複数ありそうです。おそらく、これらの障壁を乗り越えられる人はいろいろなことに成功する確率が高いと想像します。

でも、自分の希望が叶えられたわけではないじゃん(注1)、と反論する方がいらっしゃるかもしれません。どういう希望を持つかにもよりますが(注2)、◯◯の希望を叶える過程で自分の希望を取り入れてくれるように交渉することができます。◯◯の希望が叶えば、交渉次第で自分の希望もある程度叶うでしょう。100%は所詮無理ですが、「どうせ自分と◯◯との溝は埋まらない」とあきらめて何も変えようとしなければ、自分の希望が叶う確率は0%。何%で満足するかも自分次第ですね。

障壁を乗り越えるためにできること、コツはあるのでしょうか。あれば教えて欲しいです。すぐ思いつくのは、◯◯からの希望の提示に対して「まず否定から入らない」「とりあえずYESと言う」こと、観察癖や想像癖をつけること、プライドを捨てること、ぐらいですかね(注3)。

忘れてました。もう一つイバラの道があります。◯◯の希望を完全無視して、何が何でも自分の希望を叶えるべく努力して◯◯側が変わるのをひたすら待つ、という作戦もあるでしょうね。敗者復活戦から勝ち上がるように最後に笑うことができるかもしれません。といっても、実は◯◯の希望を完全に無視したわけではなく、10年後、100年後の◯◯の希望を思い切り叶えるということなのかもしれません。そういう大義がないとイバラの道を進むのはツライ、やるせない。多くの先駆者、発明者はイバラの道を進むことができる人種なのだと想像します。あるいは、そういう将来の自分の大義のために当座の◯◯の希望をどんどん採用する方もいるでしょう。

最後にもう一つ、完全に一度ぶちこわして新たな世界を構築するという方法もあります。小沢さん(政治家)がかつてそうだったように。

さて、全員が一致する正解はないが、自分の中に正解を見つけることができる疑問。みなさんならどうしますか。

 

注1:「.....じゃん」と語尾に付けるのは何弁になるのでしょうか。

注2:◯◯の希望を完全に叶えることが自分の希望である方がいらっしゃいます。そういうサービス精神旺盛でない方でも、場面によってはそういう希望を持つことがありますよね。

注3:根拠ゼロだし、漠然としてるし、すいません。


JSEPTICホームページにあたらしいコンテンツが増えました

2013-01-11 00:50:25 | 集中治療

JSEPTICホームページにあたらしいコンテンツが増えました。

1. 看護師に役に立つ論文紹介

まずは何と言ってもこれ。

http://www.jseptic.com/nursing/

この業界では知る人ぞ知る筑波大学副看護部長の  卯野木 健 さんを中心とした「看護師に役に立つ論文紹介」のコーナーです。

http://www.jseptic.com/nursing_paper/index.html

ナース用のこのようなコンテンツは今までなかったかもしれません。興味深いですねー。

今後もいろいろ発信していただける予定。

 

2. 関連書籍

刊行物>関連書籍

http://www.jseptic.com/relevancy/

こちらも随時増やしていく予定。

 

3. 関連セミナー情報

セミナーのご案内>関連セミナー

http://www.jseptic.com/seminar/other.html

直近は

「ICUでよくみかける場面を通して学ぶ!重症・集中ケア」

開催日:2013年1月26日(土)

会場:東京 建築会館

対象:ICU3~5年目ナース向け

http://www.medica.co.jp/seminar/view?id=1433

です。ICUのメジャーどころ(ARDS、敗血症、循環管理、呼吸管理、鎮静)を一気にまなぶことができます。

まだ席に余裕がありますので、興味のある方は是非どうぞ。

以上、宣伝でした。


2013年初のIntensivist編集会議

2013-01-10 01:50:38 | 集中治療

昨日、2013年初のIntensivist編集会議が開かれました。

議題は、現在の問題点の拾い上げと対策、および2014年の特集テーマ決めでした。

問題点の第一は、雑誌の「厚み」。いままでは、その一冊で特集テーマについて漏れがないよう項目をできるだけ網羅し、かつ執筆をお願いする先生がたにそのお考えを十分書いてもらうことを第一に考え、ページのオーバーを許容し、全体として厚くなるのを比較的無制限に許容してきました。しかし、厚いのが続くと値段も考えなければならないし、自分を振り返っても、およそ書物の類いは厚いよりは薄い方がとっつきやすい。「厚み」の弊害があるのは確かです。

考えてみると、すべての医学書の究極のゴールは、患者さんの診療の改善に貢献することではないでしょうか。そのようなゴールを達成するためには、具体的にどのような書物がよいか、両極の類型を考えてみると、医療スタッフが

「これを参照すればとりあえず解決しないことはない」 vs. 「現場でパッと見て役に立つ」

と感じるものに分けられると思います。つまり、「レフェレンスブック」 vs. 「実践的ガイドブック」、あるいは「坐ってじっくり読む詳細さ」 vs. 「立ったまま見て内容が目に飛び込む使いやすさ」の対立というか。

詳しく書いてあっても多くの方に読んでもらえなければ「究極のゴール」につながらないのは言うまでもありません。一方、目に飛びこみやすくても内容が浅く、クオリティーがコントロールされていなければ、「真面目さ」「誠実さ」が足りないと足元を見られ、信用度が下がり読んだ医療者のアタマに長く残らず、やっぱり「究極のゴール」につながりません。

両者が共存するモノを作りたい、とずっと考えてきましたが、そもそも「共存は無理、別々に作るべき」という意見にもまともに反論できません。

個人的に非常に悩ましい問題でした。

もっと考えると、「現場でパッと見て役に立つ」を第一に考えるなら、活字という媒体に頼らない方が「究極のゴール」により近づける気もします。

インターネットの普及により人類全体が長文、装飾文、難解文を拒否し、脱活字化に向かおうとしている時代です。手紙とは違う電子メールが普及し、レクチャー動画、スライドプレゼンテーションが巷に溢れています。「究極のゴール」が達成されるのであれば、そのような大きな潮流に逆らわない方がむしろ効率が良いのは確かなようです。読んで、見て、面白い娯楽の要素もあった方が受け入れやすいでしょうし、印象も強いでしょう。少なくとも「重厚さ」は求められない。

というようなことを、今までもぼんやり考えてきましたが、あらためて考えさせられました。

ちなみに、もう1つの議題であった2014年の特集テーマは比較的すんなり決まりました。なぜかというと、多くの若い方が来てくれ参加者がいつもより多かったからでしょう。「文殊の知恵」は確かなのです。おかげで7時に始まって9時台に終わり、編集会議最短記録を更新しました。

どんな様子で雑誌が作られるか見てみたい、こぼれ話を聞きたい、あわよくば原稿を書いてみたいという方がいれば、是非編集部までご連絡ください。


2013年(平成25年)になりました

2013-01-06 00:17:40 | その他

2013年(平成25年)になりました。

みなさま、2012年はどんな年でしたか? そして2013年はどのような年にしたいですか?

政権が代わり、米国の予算も決まり、円安になり、なんか幸先が良いなあ、と感じる(注1)人も多いのではないでしょうか。

私的には、昨年末までに仕上げなければならない仕事が押せ押せで佳境に入っているところなので、それが終わってから年始に頭を切り替えようと考えています(注2)。

それぐらいの自由は認められるはずです(注3)。

年末の「2012年評価表」、年始の「2013年目標リスト」作成は、それからにします(注4)。

2013年がみなさまにとって良い年になりますように。

 

注1:「感じる」でなく「騙される」が正しい表現でしょうか。また「痛み」が「先送り」されるだけにならないコトを祈ります。

注2:ですので、神社の近くに住んでいますが、初詣はまだ行っていません

注3:自分の父は年末に生まれたが、誕生日はなぜか1月です。父曰く、「昔はそれがフツーだった」。

注4:といっても、頭の中ではいろいろ考えています。今年の私的標語は「なりふり構わず」にしようかな、とか。