平成22(行ケ)10170:4部
請求棄却。
本件は、拒絶不服審判不成立審決に対する取消を求めるものです。
裁判所の判断は12頁以下です。
本判決は、引用発明1に引用発明2及び3を組み合わせることについて、引用例1に、家族性高カイロミクロン血症症候群について遺伝子治療の可能性が示唆されていることに加え、本件優先日当時、欠陥レトロウイルス等を使用し、目的とする遺伝子を大細胞に導入する方法も公知技術であったことを踏まえて、引用例1に接した当業者が、引用例2及び3に開示された知見を組み合わせて相違点の構成(LPLをコードする拡散配列を含んでなる欠陥組換えウイルス)の創製を着想し、具体化に向けた努力を行うことは、当業者の通常の創作能力の発現というべきである、と判断しました。
また、原告の主張に対する反論という文脈ですが、本判決は、本件優先日当時、欠陥組換えウイルスを用いた遺伝子治療の研究が進められており、一部の遺伝病について成功例が報告されていたことに言及しており、この点も、相違点の構成に想到することが当業者の通常の創作能力の発現といえる理由になると思われます。
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