ザ・サウンド オブ わんわん The sound of wan wan

ベルジアンシェパードグローネンダールのズースです。

ノラや

2011年02月24日 | 
ノラや (中公文庫)
内田 百けん
中央公論新社


きのう2月22日は、にゃんにゃんにゃんの猫の日だったそうです。(竹島の日でもありますが)
この「ノラや」は、最近読んだ、「百年読書会」(重松清 編著 朝日新書)にはいっていたものです。
「百年読書会」は朝日新聞紙上で企画実施された読者の投稿による読書会を、重松清さんがまとめた本で、さまざまな感想が読めて興味深いものでした。
「ノラや」は明治生まれの随筆家内田百間が、行方不明になった愛猫のノラを案じて、悲嘆にくれる日々を綴ったもので、新聞折込広告を出したり、ラジオでよびかけたり、英文の広告まで出すが、見つからず、毎日大泣きする百間おじいさんの様子に、深く同情しながらも、どこかユーモラスな名随筆家の筆に、思わず笑いもこみあげてきます。
昭和30年頃ので番犬としてつながれて飼われていた犬よりも、家の中にいる猫のほうが可愛がられた時代なのかもしれません。
「百年読書会」の投稿では、猫嫌いな人たちから「猫がいなくなったくらいで」とか「気持がまったく理解できない」という感想も寄せられていましたが、このブログを観に来られる動物好きのかたたちは、百間先生の深い嘆きにきっと心から共感できることでしょう。
私も、最近、ふうちゃんが行方不明になって焦る夢を見たばかりで、ありありとそのときの気分を思い返しながら読みました。
大切なものを失う気持ちは万人共通のはずですしね。


久しぶりに4匹一緒に写りました。