先月も記しましたが、吟道範典の一つに渡辺吟神先生が著された「吟神作品集」があります。
最初の章は「一日一吟、これを吟じ、これを実践して、幸福をつかんでいただきたいと祈りながら」の
前書きの基、「万人幸福之詩」として多数の吟譜が纏められています。
私も座右に置いている訳ですが、7月吟詠では、「柳は緑」を紹介します。
1.詩文
柳は緑 渡辺吟神
柳は緑に 花は紅に発す 明 歴々として 黙して語る
千紫 万紅 皆心に在り 唯我 独尊 是真境
2.詩文の意味(範典より)
「柳は緑、花は紅」ーーー美しいなあ、と思う。しかし、もともと、物そのものは、美しいのでも、きたないのでもない。
ただそうした形と色を持っているだけである。美しいとかきたないとかいうのは、物にあるのではなく、人にある。心にある。
不足不満は物そのものにあるのではない。人にあり、人の心にある。
これを知った時、天上天下唯我独尊の境地が開け、常楽不変の世が開ける。一木一草みな光を放ち、一事一物が輝いてくる。
3.素読から吟詠をどうぞ
平成29年7月の吟詠は渡辺吟神集から「柳は緑」を紹介しました。
ではまたお会いしましょう。