日本柔道界を脅かす、2大事件。
一つは、九州看護福祉大の教え子に性的暴行を加えた内柴正人被告(34)
が有罪判決を受けた事件。
「合意の上での性行為」と無罪を訴えた内柴『証言』がスポーツ紙に
具体的に描かれているが、酷い内容なので、ここでは引用しません。
もう一つが、もっと大きな問題かも知れない、女子柔道TOP選手達への
『体罰』=暴力とハラスメントです。
この件は、当ブログでは書き兼ねましたが、
幾つか、「Web記事」引用 Twitter をしました。
JUNSKY @junsky2010
【東京新聞社説】柔道の告発 体質そのものを見直せ http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013020102000125.html?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter … 大阪・桜宮高の自殺事件からもわかるように、スポーツ指導での暴力、体罰は依然として存在しており、しかもけっして例外的なことではなさそうだ。それは日本のスポーツ界全体の問題と言わざるを得ない
2013年2月1日
【夕刊フジ】大揺れ女子柔道、なぜ男子監督ばかりなのか? http://news.goo.ne.jp/article/fuji/sports/zak20130202006.html … 教え子に性的暴行を加えた内柴正人被告(34)が有罪判決を受け、選手からパワハラで告発された日本代表の園田隆二監督(39)は辞任が決まった。女子柔道界には、なぜ男性の指導者が多いのか
2013年2月3日
【NHK】JOC 告発した選手に聞き取り調査へ http://nhk.jp/N45r6P18 理事4人と弁護士で構成する特別調査チームを作り、選手への聞き取りを行うことにしていました。 JOCはすでに選手たちと日程や場所の調整を進めていて、早ければ4日から聞き取り調査を始めるという
2013年2月3日
その『暴力』やハラスメントの様子も各紙に描かれていましたので
ここでは引用しませんが、一人の女子選手に対して、複数の男性選手が
いわゆる『廻し稽古』で肉体を蹂躙するとか、『死ね!』などの暴言を
浴びせかけるとか、人としての尊厳も何も考えていないものでした。
『暴力』・ハラスメント(パワハラと特定していないのでセクハラも含むかも)
の執拗さに耐えかねて声を上げた、柔道女子の15名が、園田監督を外す
だけでは、問題の本質的解決にはならず、私たちの真意ではない、と
代理人の弁護士を通じて改めて訴えた、とのこと。
これを読むと、勇気ある行動が、一時的な憤りや短絡的考えではなく、
充分に練られた行動であることが明らかになりました。
柔道女子告発は失望と怒りが原因 暴力問題、選手がメッセージ
(共同通信) 2013年2月4日(月)19:07
その長文の「声明全文」が、【スポニチWeb版 2/4】 に掲載されていたので、
このブログの最後の方に引用します。
しかし、柔道界のハラスメントは言語道断な非道いものであったようです。
「声明」から、選手たちの『思い』の一部を引用すると、
私たちが全柔連やJOCに対して訴え出ざるを得なくなったのは、憧れであったナショナルチームの状況への失望と怒りが原因でした。
指導の名の下に、または指導とは程遠い形で、園田前監督によって行われた暴力行為やハラスメントにより、私たちは心身ともに深く傷つきました。人としての誇りを汚されたことに対し、ある者は涙し、ある者は疲れ果て、またチームメートが苦しむ姿を見せつけられることで、監督の存在におびえながら試合や練習をする自分の存在に気づきました。代表選手・強化選手としての責任を果たさなければという思いと、各所属先などで培ってきた柔道精神からは大きくかけ離れた現実との間で、自問自答を繰り返し、悩み続けてきました。
今回の行動をとるにあたっても、大きな苦悩と恐怖がありました。
今後、自分たちは柔道選手としての道を奪われてしまうのではないか、私たちが愛し人生をかけてきた柔道そのものが大きなダメージを受け、壊れてしまうのではないか
私たちの声は全柔連の内部では聞き入れられることなく封殺されました。その後、JOCに駆け込む形で告発するに至りましたが、学校内での体罰問題が社会問題となる中、依然、私たちの声は十分には拾い上げられることはありませんでした。
前強化委員会委員長をはじめとする強化体制やその他連盟の組織体制の問題点が明らかにされないまま、ひとり前監督の責任という形をもって、今回の問題解決が図られることは、決して私たちの真意ではありません。
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告発は「失望と怒り」から
=選手側代理人が会見―柔道暴行問題
(時事通信) - 2013年2月4日(月)22:06
柔道の日本代表を含む女子選手15人が、園田隆二日本代表女子前監督の暴力、パワーハラスメント行為を告発した問題で、選手側代理人の辻口信良弁護士らが4日、大阪市内で記者会見し選手の思いを代弁した。代理人は15選手の考えをまとめた文書を読み上げ、この中で選手は、全日本柔道連盟などに訴え出た理由を「ナショナルチームの状況への失望と怒りが原因」と説明した。選手は同席しなかった。
選手は「決死の思いで立ち上がった」ものの、「私たちの声は全柔連の内部では聞き入れられることはなく封殺され、その後、JOC(日本オリンピック委員会)に駆け込む形で告発するに至ったが、依然、私たちの声は十分に拾い上げられることはなかった」と経緯をつづった。
さらに「選手、監督・コーチ、役員間での信頼関係が決定的に崩壊していた原因と責任が問われなければいけない」として、「監督の責任という形で、問題解決が図られるのは私たちの真意ではない」と主張。全柔連やJOCの対応に再考を促した。
また、今回の行動で「選手としての道が奪われるのではないか。柔道そのものが壊れてしまうのではないかと悩み続けた」と胸中を明かした。
今後について代理人は「選手らに対する事情聴取が行われる予定だが、全柔連も真摯(しんし)に受け止め、自ら改革の方向を目指してもらいたい」と述べた。
選手側代理人が大阪市内で会見
柔道五輪代表暴力問題
(産経新聞) - 2013年2月4日(月)21:41
ロンドン五輪の代表を含む柔道女子の国内トップ選手15人が、園田隆二前代表監督やコーチから暴力やパワーハラスメントを受けたと告発した問題で、選手側の代理人を務める辻口信良弁護士らが4日、大阪市内で園田前監督の辞任を受けて会見し、「前監督の責任で問題解決が図られることは真意ではない」などと、全日本柔道連盟(全柔連)の組織改革を求めた15選手の声明文を発表した。選手側の主張が文書で明らかになったのは初めて。
声明文では「園田前監督による暴力行為やハラスメントで心身ともに深く傷ついた。訴え出ることで所属先や恩師、家族らに多大な影響が出るのではないか、選手としての道を奪われてしまうのではないかと何度も深く悩んだが、決死の思いで立ち上がった」などと告発に至った心境を吐露。その上で「しかし、全柔連の内部では聞き入れられることなく封殺された」と問題が報道によって明るみに出るまで、厳重注意処分や文書による戒告処分で問題解決を図ろうとした全柔連の姿勢を批判した。告発先の日本オリンピック委員会(JOC)にも「私たちの声は十分に拾い上げられなかった」と不満を明かした。
一方で、具体的な暴力の内容については明らかにされず、強化や組織体制の問題を指摘しながら、具体的な中身には触れられていない。選手側はJOCが近く行う予定の聞き取り調査で、詳細な事実関係を明かす意向があるという。
辻口弁護士によると、1月20日に告発した選手の1人から電話で連絡を受け、その後に12人と直接会って訴えを聞き、声明文は選手が作成したという。
大揺れ女子柔道、なぜ男子監督ばかりなのか?
(夕刊フジ) - 2013年2月2日(土)17:06
この記事から一部引用すると
この記事の全文は、上をクリックして原文をどうぞ!「身体的接触が多い競技なのに、指導者のほとんどが男性なのが大きな原因。女子柔道界では指導者によるセクハラや体罰は珍しくはない」(関係者)
スポーツジャーナリストの玉木正之氏は
「ひとつには、引退した男子選手を食わせるため。柔道界では、先輩が後輩の就職の世話をする伝統がある。女子柔道のコーチ職も男子選手OBの食いぶちになっていて、女子選手にまでポストが回ってこない」
と解説する。
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【柔道暴力問題 15選手による声明】 全文
スポニチ - 2013年2月4日(月) 19:33
皆さまへ
このたび、私たち15名の行動により、皆さまをお騒がせする結果となっておりますこと、また2020年東京オリンピック招致活動に少なからず影響を生じさせておりますこと、まずもって、おわび申し上げます。
私たちが、JOC(日本オリンピック委員会)に対して園田前監督の暴力行為やハラスメントの被害実態を告発した経過について、述べさせていただきます。
私たちは、これまで全日本柔道連盟(全柔連)の一員として、所属先の学校や企業における指導のもと、全柔連をはじめ柔道関係者の皆さまの支援を頂きながら、柔道を続けてきました。このような立場にありながら、私たちが全柔連やJOCに対して訴え出ざるを得なくなったのは、憧れであったナショナルチームの状況への失望と怒りが原因でした。
指導の名の下に、または指導とは程遠い形で、園田前監督によって行われた暴力行為やハラスメントにより、私たちは心身ともに深く傷つきました。人としての誇りを汚されたことに対し、ある者は涙し、ある者は疲れ果て、またチームメートが苦しむ姿を見せつけられることで、監督の存在におびえながら試合や練習をする自分の存在に気づきました。代表選手・強化選手としての責任を果たさなければという思いと、各所属先などで培ってきた柔道精神からは大きくかけ離れた現実との間で、自問自答を繰り返し、悩み続けてきました。
ロンドン五輪の代表選手発表に象徴されるように、互いにライバルとして切磋琢磨し励まし合ってきた選手相互間の敬意と尊厳をあえて踏みにじるような連盟役員や強化体制陣の方針にも、失望し強く憤りを感じました。
今回の行動をとるにあたっても、大きな苦悩と恐怖がありました。私たちが訴え出ることで、お世話になった所属先や恩師、その他関係の皆さま方、家族にも多大な影響が出るのではないか、今後、自分たちは柔道選手としての道を奪われてしまうのではないか、私たちが愛し人生をかけてきた柔道そのものが大きなダメージを受け、壊れてしまうのではないかと、何度も深く悩み続けてきました。
決死の思いで、未来の代表選手・強化選手や、未来の女子柔道のために立ち上がった後、その苦しみはさらに深まりました。私たちの声は全柔連の内部では聞き入れられることなく封殺されました。その後、JOCに駆け込む形で告発するに至りましたが、学校内での体罰問題が社会問題となる中、依然、私たちの声は十分には拾い上げられることはありませんでした。一連の報道で、ようやく皆さまにご理解を頂き、事態が動くに至ったのです。
このような経過を経て、前監督は責任を取って辞任されました。
前監督による暴力行為やハラスメントは、決して許されるものではありません。私たちは、柔道をはじめとする全てのスポーツにおいて、暴力やハラスメントが入り込むことに、断固として反対します。
しかし、一連の前監督の行為を含め、なぜ指導を受ける私たち選手が傷つき、苦悩する状況が続いたのか、なぜ指導者側に選手の声が届かなかったのか、選手、監督・コーチ、役員間でのコミュニケーションや信頼関係が決定的に崩壊していた原因と責任が問われなければならないと考えています。前強化委員会委員長をはじめとする強化体制やその他連盟の組織体制の問題点が明らかにされないまま、ひとり前監督の責任という形をもって、今回の問題解決が図られることは、決して私たちの真意ではありません。
今後行われる調査では、私たち選手のみならず、コーチ陣の先生方の苦悩の声も丁寧に聞き取っていただきたいと思います。暴力や体罰の防止はもちろんのこと、世界の頂点を目指す競技者にとって、またスポーツを楽しみ、愛する者にとって、苦しみや悩みの声を安心して届けられる体制や仕組みづくりに生かしていただけることを心から強く望んでいます。
競技者が、安心して競技に打ち込める環境が整備されてこそ、真の意味でスポーツ精神が社会に理解され、2020年のオリンピックを開くにふさわしいスポーツ文化が根付いた日本になるものと信じています。
2013年(平成25年)2月4日
公益財団法人全日本柔道連盟
女子ナショナルチーム国際強化選手15名
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