JUNSKY blog 2015

私の時事評論等です
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キッチンウォーズ

2006-02-26 23:00:00 | TVレビュー
新番組「キッチンウォーズ」を見ました。
松坂慶子と天海祐希が主役で、題名がウォーズなので、この二人がカタキ役で火花を飛ばすのかと思いましたが、第一話を見る限り、料理スクールの先生・杉野さくら(松坂)は、夫を急な交通事故で亡くした香坂真琴(天海祐希)を心を込めて励ます役どころで、近頃のドラマに多いバトル調とは全く異なる落ち着いた展開で好感が持てました。
天海祐希は前作「女王の教室」で見せた役どころとはまた違うキャリアウーマンの役作りで「離婚弁護士」に近い雰囲気でしたが、今後どのように変わってゆくかが見どころでしょう。
「離婚弁護士」で天海と競演した佐々木蔵之介は夫哲也役ですが、ドラマ開始後16分で事故死するという役どころで、今後は回想シーンでの登場のようです。
娘・麻世を演じている福地亜紗美も難しい立場をうまく演じていました。

メタンハイドレートは環境に安全か?

2006-02-21 10:51:27 | 環境問題
今朝のニュースで、日本海で数十メートルに亘ってメタンハイドレートの頭頂部が露出している部分が発見され、次世代エネルギーの大規模埋蔵として期待されている、との報道がありました。
メタンハイドレートは化石燃料に代わる次世代エネルギーとして注目されているようですが、地中深く太古から長い時間を掛けて(微生物の力によって?)徐々に蓄積されてきたメタンを地上に取り出して燃焼させることは、結局カーボンニュートラルではない燃料を燃やすことになり、地球温暖化物質(CO2等)を環境に排出することになるのではないでしょうか?
一部で化石燃料よりも効率が良いかのような取上げられ方をしています。
環境負荷を増大させないのかどうか?
地球温暖化にとって安全かどうか?
また、現状の温暖化が続けば海水温も上がり、海底のメタンハイドレートが溶融・崩壊してますます温暖化を助長するとも言われます。
みなさん、どう思われますか?

ドライビングミスデイジー

2006-02-20 18:28:00 | 観劇レビュー
『仲代達矢、奈良岡朋子の夢の顔合わせが実現。
 アメリカのまだまだ黒人差別意識が色濃く残るアトランタ。裕福なユダヤの未亡人、72歳のデイジーはカクシャクと一人暮らしを続けている。しかし年のせいか車の運転が不得手になってきた。母を心配した息子は、嫌がるデイジーを説得し黒人のホークを運転手に雇い入れる。最初はぎくしゃくしていた二人だが、いつしか奇妙な友情が芽生えて…。
 1987年ピューリッツァー賞、89年アカデミー賞(映画)受賞作品。』
以上は公式ページの御案内。

昨年数々の演劇賞を受賞した注目の公演を福岡市の「ももちパレス」にて市民劇場例会の場で鑑賞。ほぼ満席。
上手側最前列だったので、ドライブ中の演技では唾が飛んできそうな臨場感。
前評判通りの楽しくステキな舞台でした。

奈良岡朋子さんは金持ちの令嬢から今は70代になったミス・デイジーを矍鑠(カクシャク;こんな文字だったんだ!)とした演技で、活舌もクリアに演じ始めた。配役としても実年齢でも同世代だろうが、ちょっと70代とは思えない若々しい演技。

仲代達矢さんの方も同世代の黒人お雇い運転手ホークを演じているが、こちらはどちらかと言うと飄々(ヒョウヒョウ;こんな文字だったんだ!)とした演技で、言葉も明晰という訳ではない(文盲という設定)。ふんわり話す感じ。

もう一人デイジーの息子でホークを雇ったブーリー役として『無名塾』の長森雅人さんが脇を固めている。

出演者3名だけだが、演劇空間を充分に埋めている。
ブーリーが白髪になってゆくことで時間の経過を表現している。
二十数年後の老いた(90代半ば?)二人の足元の不安さや「よっこらしょ」と立ち座る仕草はリアルで会場の共感の笑いを呼んでいた。
ユダヤと黒人問題を背景にしているが、それほど強いメッセージ性は無い。
最初から最後まで、会場に笑いの渦が巻き起こる喜劇であった。

カーテンコールでは三人とも、この演劇開始の時代よりも、もっと若々しい衣装と化粧で颯爽(さっそう;;こんな文字だったんだ!)とした軽快な動きを見せて観客を驚かせた。とても70代とは思えない軽妙さであった。

音楽が池辺晋一郎だったことに今気が付いた。

PROMISE

2006-02-12 23:42:41 | 映画レビュー
公開日の11日土曜日、映画「PROMISE」を見た。
『真田広之が全編中国語を吹き替え無しで演じている』と各局のインタビューで取上げていたので注目したが、その『吹き替え無し』を除いては、全くの駄作。
筋立てもイマイチだし、ワイヤーアクションやCGはいかにもと言う感じでリアルではない。
さりげなくCGを活用する(3丁目の夕日みたいに)のではなく、まるまる見えみえのCG、笑ってしまうようなワイヤーアクション。
必要性の感じない無駄な動き(ワイヤーアクション)など、金は掛かっていそうだが活かせていない。
中国人民軍が800名動員されたということであるが、人海戦術はさすがだとしてもあまり顔のみえてこない群集処理で・・・
「HERO」や「LOVERS」も見たが(これらもいかにものワイヤーアクションが少なくなかったが)、3番煎じ(中国ではもっとたくさん制作されているかもしれないが)の感を否めない上に、前2作と比べても相当レベルが低い。
かといって、「反戦」メッセージが根底にある訳でも無しで・・・
また間も無く次の中国作品も上映されるようで。

スタンド・アップ

2006-02-05 00:23:29 | 映画レビュー
原題は「North Country」北国である。
DV(暴力夫)から逃れて北部の実家に帰るジョージ(女性)。
父も働いている鉱山で働き始めるが、周囲の目は冷たく父母も理解を示さない。
職場には労働組合があるが、組合員からも女が男の職場を奪っていると言う口実で強烈な差別とセクハラ(この頃はまだセクシャルハラスメントという用語もなかっただろうが)。
これにジョージは果敢に闘いを挑むが・・・
職場に居る数少ない女性もジョージに同情はしながらもますます事態が悪化するのをおそれ声が低くなってゆく。
組合の大会で発言を求めるが男たちからの冷かしと野次轟々。
その中で父親が発言させるよう助け舟を出す。
セクハラ裁判を起こそうとするジョージに賛同する同僚もなく・・・

こういう状況で自らのプライバシーも暴かれながら闘いを続ける人々が居たからこそ【セクハラ】が犯罪として裁かれる世の中に徐々に変わったきたのであろう。
最初に闘いに挑む孤独と困難と、これを超える意思の強さと不屈さを教える映画であった。
闘いなくして勝利無し。これを示す貴重な実話映画である。