昨日の続きです。
○浪江町ADR集団申立てについて、ご報告いたします。
町が町民の15,600人余りを代理し、東京電力による謝罪、除染のほか、原発事故により発生した精神的苦痛に対する慰謝料の増額を求めて行った「浪江町ADR集団申立て」に対して、原子力損害賠償紛争解決センター(ADRセンター)の仲介委員より「和解案」が示されました。
今回、示された和解案は、100%満足できる内容ではないものの、現地調査や町民の方々の意見陳述等により、避難者の置かれた状況を直接に把握して示されたものであり、「避難生活の長期化に伴う精神的苦痛の増大」による加算と、75歳以上の高齢者には、日常生活阻害慰謝料の加算も認めら、また、他の精神的損害賠償請求に関して何ら不利益がないことを確認しております。
これを受け、町ではこの和解案について、参加申込みをされた町民の皆さまに対して「和解案同意書」を送付いたしまして、15,500人を超える方々から返送いただき、その99%以上が「同意する」意思を示されております。
また、5月上旬から県内では5会場にて6回、県外では東京会場にて1回の説明会を開催いたしまして、960名余りの町民の皆さまに参加いただきました。
その際に頂戴いたしました多数のご意見、ご質問を踏まえ、浪江町支援弁護団と検討のうえ、5月26日にADRセンターに対して「回答書」を提出し、正式に「和解案」を受諾いたしました。
しかしながら、東京電力は5月29日夜にADRセンターに「上申書」を提出し、回答期限を6月30日まで延長するよう求めてきたことから、町は翌5月30日に抗議のコメントを発表いたしました。
また、浪江町支援弁護団も同日、ADRセンターに「上申書」を提出いたしまして、東京電力に対し「速やかな回答を求めるべきであること」「受諾するよう説得すべきであること」を訴えております。
この和解案は、浪江町と町民の被害状況を十分に調査し、把握した上で示された極めて重い判断であることから、今後も和解成立に向け、出来得る限りのことを進めて参る所存でございます。
○津波被災地域の復興事業について、ご報告いたします。
津波被災者の生活再建を図るため、防災集団移転促進事業を実施しているところですが、3月25日に国土交通大臣の同意が得られたところであります。
現在は買取り対象となる移転促進区域内の権利者調査を行っており、今後移転先団地や規模等を検討するため、町内への帰還を希望する住民との意見交換会を予定しております。
津波で流失した共同墓地の移転事業につきましては、3月20日に工事請負契約を締結し、4月14日に安全祈願祭が行われました。現在は整備工事を行っており、早期に完成できるよう取り組んでいるところでございます。
なお、津波被災地域の土地利用につきまして、浪江町復興まちづくり計画に基づき、太陽光発電施設、海岸防災林の整備等事業化に向け検討を続けているところでございます。
今日は、ここまで。