<福島民報ニュースより>
議員失職処分を取り消し 浪江町議会議長 県が決定
浪江町議会で議員失職の処分を受けた議長の小黒敬三氏(58)が申し立てた不服審査で、県は25日までに町議会の処分を取り消す決定を出した。町議会は3月、小黒氏について「議員の兼業禁止に該当し、議員資格を有しない」とした。県の決定を受け、小黒氏は町議会が処分を下した3月19日にさかのぼり、議長に復職した。
昨年11月の臨時議会で、小黒氏が取締役を務める会社が落札した町役場本庁舎空調設備修繕工事契約の議案を否決し、一部議員から「地方自治法に定める兼業禁止に当たる」との意見がでた。町議会は同12月、議員資格審査特別委員会を設置した。同委員会は「議員資格を有しない」と結論づけ、3月定例議会で可決した。
小黒氏から審査申し立てを受けた県は、小黒氏と町議会双方の主張を聴取し、議事録や請負契約額などを調査した。県は「(小黒氏が取締役を務める)会社全体の請負額に占める町からの請負額は数%で、判例などにより兼業禁止に当たらない」と判断した。判例では「全体の半分を超える場合、兼業禁止に当たる」としている。
小黒議長の失職期間中に議長職を務めていた吉田数博議員(67)は、処分の日にさかのぼり議長職を解かれた。県によると、吉田議員が議長を務めていた間の町議会の議決は全て有効となる。議長職の報酬は小黒、吉田両氏に支払われる。
議長に復職した小黒氏は「町の復興が何よりも大切だ。同僚議員と力を合わせたい」と語った。吉田議員は「町議会の判断は正しいと思うが、県の判断は尊重すべきだ。全議員でしっかりやっていく」とした。
■“騒動”に町民批判 「復興にまい進を」の声
東京電力福島第一原発事故により、全町が避難区域となっている浪江町。復興に向け重要な役割を果たす町議会をめぐる“騒動”に、批判の声も漏れる。
二本松市の仮設住宅に避難している女性(65)は「町議会の内部でごたごたしている場合じゃない。震災から3年たって、慢心しているのではないか。これを機に議会が一丸となって復興にまい進し、町民が平穏を取り戻せるようにしてほしい」と強い口調で求めた。
( 2014/06/26 08:53カテゴリー:主要 )
*今日は、行政報告はお休みします。
以前お伝えしましたが、3月議会において、議員資格審査特別委員長報告のとおり「小黒議員は、議員の兼業禁止に該当し、議員資格を有しない」と可決しました(賛成10票、反対5票)。しかし、県は「兼業禁止に当たらない」と判断し、町議会の処分を取り消す決定を出しました。重い裁定です。
誤った判断を議会はしてしまい、皆さんに混乱や不信などを招いてしまいした。
議会を構成する議員の一人として深くお詫びいたします。