博文(ひろぶみ)通信

浪江町の今をできる限り発信!

実質全面拒否

2014-06-27 21:07:27 | 日記

<福島民報ニュースより>

東電、和解案を拒否 浪江の精神的賠償増額「公平性保てず」 ADR形骸化懸念 

 浪江町民約1万5000人が東京電力福島第一原発事故の精神的損害賠償増額などを求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、東電は原子力損害賠償紛争解決センターが提示した「一律月5万円」を増額する和解案を拒否した。26日までに町とセンターに伝えた。「高齢で病気の人」に限定し、月2万円を増額する。賠償額を迅速に確定するためのADRだが、東電の和解案拒否が相次いでおり、制度の形骸化も指摘されている。
 センターは、一律月5万円の増額に加え、75歳以上の高齢者には、さらに3万円を加算する和解案を示していた。東電はこれを拒否した上で、原発事故発生時に75歳以上の高齢者で傷病があった人を対象に、平成24年3月までの13カ月分は月2万円増額する「一部受諾」の回答をした。
 東電側は和解案について、個別事情を考慮せず一律の増額を認めていることについて「(精神的賠償額を月10万円とした)中間指針と懸け離れる」と指摘。他の避難者らと公平性の面で「影響が極めて大きい」と拒否した理由を示した。
 東電側の回答に対し、町支援弁護団(代表・日置雅晴弁護士)は「一部受諾という形式をとっているものの、実質は全面拒否回答に他ならない。著しく不当」と声明を発表し、和解案の受諾をあらためて求めた。弁護団は同日、センターに対し、東電が和解案を受け入れるよう求める上申書を提出した。
 馬場有町長は「東電の回答は受け入れられない」と述べ、「和解案拒否は、町民に新たな精神的苦痛をもたらす」と訴えた。
 東電は「慎重に検討した結果、今回の回答に至った。今後も引き続き、個別の事情に応じて協議、対応したい」とコメントした。
 今回のADRは、町民約1万5000人が申立人となり、中間指針で示した月10万円の精神的損害賠償について、25万円を増額した一律35万円を支払うよう求めていた。町は、センターが提示した一律5万円増額の和解案の受け入れを表明していた。

■解説
 東電が政府の原子力損害賠償紛争解決センターによる裁判外紛争解決手続き(ADR)による和解案を拒否した背景にあるのは、原子力損害賠償紛争審査会が精神的賠償の中間指針で示した「月10万円」と、一律5万円を上積みする和解案との金額面の大きな隔たりだ。
 和解案と中間指針が乖離(かいり)した場合、受諾拒否が相次ぐ可能性があり、和解案と中間指針の整合性をどう取っていくかが課題となる。
 さらに、今回の和解案は申し立てを行った浪江町民約1万5000人を対象に「一律5万円増額」としている。東電は「個別の事情を考慮することなく、一律に精神的損害を増額するような場合は受諾できないこともある」としており、集団申し立ての難しさも示した。
 ADRは、和解案提示までの時間が民事訴訟に比べて短く、被災者の早期の生活再建につながるのがメリットとされる。しかし、和解案に法的な強制力がなく東電が一部拒否したり、受諾するかどうかの回答期限の延長を求めたりするケースが出ており、専門家からはADRの形骸化を懸念する声も上がる。
 東電は昨年12月にまとめた再建計画で、原子力損害賠償「三つの誓い」の一つとして「和解仲介案の尊重」を掲げている。
 今後、東電側の受諾拒否による和解不成立が相次げば、センターの和解仲介能力が問われ、センターの存在意義を失う事態になりかねない。(本社報道部・神野誠)

( 2014/06/27 08:55カテゴリー:主要

 

<町ホームページより>

【浪江町ADR集団申立て】東電回答書に対する馬場町長のコメント

 浪江町ADR集団申立てについて、ADRセンターが提示した和解案に対し、東京電力の回答がありました。

 東京電力は以下の範囲について受諾し、それ以外は受諾しないと回答しました。

 対 象 者:申立人のうち傷病を有していた高齢者(75歳以上)

 対象期間:平成23年3月11日から平成24年3月末日までの13か月間

 増額する賠償金額:一人月額2万円

 

 回答書に対する馬場町長のコメントは次のとおりです。

馬場町長のコメント全文

 和解案は中立の立場にあるADRセンターが現地調査や町民の意見陳述を経て熟慮した結果だされたものである。東京電力の回答は実質的に全てを拒否するものであり、加害者である東京電力が被害者の痛みを全く理解しないものと言うしかない。
 また、「新・総合特別事業計画」で謳う「3つの誓い」を自ら破るものであり、信義に強く反し、著しく不誠実である。
東京電力は、和解案の拒否によって避難町民に新たな精神的苦痛をもたらすことを認識し、和解案を尊重して再考するように強く求める。
 早急にADRセンターへ上申書を提出し、東京電力へ和解案を全て受け入れるようにADRセンターから強く働きかけるように訴える。
                                            平成26年 6月26日
                                            浪江町長 馬場 有

 

*今日も行政報告は、お休みします。

 

 

 




 

お悔やみ情報」  

 

紺野トヨ子さん89(紺野ミート社長紺野清一さんの母)。浪江町権現堂字下続町16。通夜29日午後6時、告別式30日午後1時、ともにさがみメモリアル斎場二本松(二本松市)。喪主長男清一さん

 

謹んでお悔やみ申し上げます。合掌