昼と夜が厳然と在る
昼がある
青の空は抒情を誘い
雲の流れに永遠を見た
陽光の人影の寂しさに
一人 枯野に立ち尽くし
呟きを書き留めている
夜はやって来て
黒い大地が街の灯で煌めき
蛍光灯の明るい部屋で
各々の物語が綴られて
静かにキーボードを叩く音が
明かりが漏れるように闇に響いた
(これは、時間の費やし方。起きる事物。)
月に昼と夜がある
漆黒の空に太陽が昇り沈む
海の無さ 大気の無さ 雲の無さ
その分 宇宙との繋がりが明確だ
晒された天体 月
昼間 遮光板を通して見る
構成物の影の切れ味のいいこと
宇宙線は霰のごとく降り注ぐ
風の無い
無音の潮が押し寄せる
影の凍る 月面の昼
漆黒に輝く太陽の翼
日が落ちると
星星の世界のヴェールが揚げられる
吊るされた天体ら
私の心拍の拍動に同期して
グワーン グワーンと落ちてくるよう
聞こえるのはこの生体を維持している
心拍音に呼吸音それと星の音
構成物で生体維持を図ったら
ここの昼と夜を謳おう
恒星と惑星の永遠の真実だから
海も消え 水も無く 有機生命体が消えても
私は霊となり惑星周回軌道に疾風のペガサスを駆って昇ろう
日の出があり日没があり山脈の影ができる
殺伐とした大地を見下ろしながら
人には決して聞こえない波動で
この昼と夜を謳おう