第四エズラ書
邪悪は消し去られ、偽りは滅び
信実は栄え、背徳は取り除かれる。
久しく果を結ぶ事の無かった真実は明るみに現れ出る。
声が語っている間に、みよ、私の足元の大地が、少しずつ
揺れ動き始めたではないか。
『旧約聖書外典』<講談社学芸文庫>
お前はなぜ悩むのか、滅びるべき者である事を悟っているのに。
なぜ動揺するのか、死すべき者であると知っているのに。どうして
今あるものではなしにやがて来るべきものに心の思いを集中しないのか。
『旧約聖書外典』第四エズラ
『みよ、お前たちは誰を否定し、誰に仕えなかったか、誰の
戒めを守らなかったか。今こそ思い知れ。こちら側と向こう
側とを比べてみよ。ここには悦びと休息があり、向こうには
火と刑罰がある』。
大地に聞いてみるがよい。大地は自分こそその上に生まれてきた
全ての者のために嘆くのが当然だと答えるだろう。今迄に生じた
全てのものは大地から生まれ、その他のものもこれから生まれる
であろう。しかし、見よ、殆ど全てのものが滅びに向かって急ぎ、
多くのものは破滅する運命にあるではないか。『第四エズラ』