イチゴの栽培管理の時に頻繁に出てくるのはこちら↓
Si22の特長
天然鉱石から熔融ろ過を繰り返すことによって製造された水溶性ケイ酸と、根が吸収しやすいク溶性ケイ酸を配合した、他のケイ酸資材と違う無色透明のケイ酸カリ肥料です。
水分子とほぼ同じ大きさのケイ酸は吸収性に優れており、植物体内へスムーズ吸収されて発根が旺盛になります。表皮細胞や茎葉も強化され、病害虫耐病が向上。また、枝ぶり、受光体性の向上、栄養成分のスムーズな吸収などにより増収も期待できます。
他のケイ酸資材との違いを是非実感してみてください。
左の写真は、馬鈴薯に高濃度の希釈液を葉2枚に散布した翌朝の写真です。
一般的にはケイ酸肥料は薬害や濃度障害は出ないと言われていますが、ケイ酸サプリは吸収性が高いためこのような濃度障害が発生します。
「Si22」1000〜2000倍希釈液に見られる一次現象
- 蒸発速度が遅い。(水と比較すると4〜5日で解ります)
- 表面張力が弱い。(スポイトでガラス上に水と共に置いて傾けると先に流れる)
- 塩素が激減する。(DPD法で明快)
- ECが有意に高まる。(当然)
- 粘性が有意に高まる。(当然)
- 水出し茶が瞬時に可能。(水クラスターが小さいせい?)
- 希釈液中の鉄が錆びない。(クリップを入れて水のコップと較べる)
- 切花や豆腐が2〜3倍長持ちする。(菌繁殖をコントロール?)
- 消臭作用がある。
- 洗剤の泡立ちが増す。
- 酸化還元電位が大きく下がる。(還元力が弱まる)
「Si22」を使用した田畑で見られる二次現象
- 環境微生物がバランスよく増える。
- 植物の根が大幅に伸長する。
- 有機物の発酵分解が促進される。
- 作物の温度、水ストレス耐性が向上する。
- 肥料大幅減でも収量は変わらない。
- ケイ酸が効いた植物の形状が顕著になる。
- 2〜3年もすると地力のあるバランスがよい土になる。
- 冷蔵した植物の休眠打破と活性が早くなる。
- 表皮細胞、クチクラ細胞が充実し、光合成を高める。
イチゴの炭ソ病発生時の「Si22」の使い方
炭ソ病の時期を迎えると、各地から不安の声が増していきます。炭ソ病に弱い「さちのか」始め大果品種は放って置けないレベルにさしかかってると聞きます。
数年前の数個の台風上陸を契機に蔓延が始まりましたが、クラウンやたく葉に寄生した病原菌の衰退までに、あと数年は炭ソ病の被害は覚悟せざるを得ないと思われます。
「Si22」使用の九州・山口のイチゴ生産者およびJA、代理店に確認したところ罹病率0は約50%、1000株に1株以下が30%、1%前後の罹病率が残りでした(2006年9月8日現在)。
1%レベルの大半は親株と育苗ポットへの窒素投与が多めの傾向がみられますし、太郎苗を育苗しているケースも多く、生産者の管理不足と思われるケースが多々あります。定植期にさしかかると、基肥過多の場合は活着期に炭ソ病のぶり返しが懸念されます。
炭ソ病始め病害へは予防が一番大切ですが、多収を期待して窒素過多になるケースが多く、病害を助長している面は否定できません。イチゴは肥料を余り必要としない作物なので、百害あって一利なしと言っても差し支えありませんが、カロリー栄養学の影響は計り知れないものがあるようです。
病害の予防には週1〜2回ほどの2000倍希釈液の葉面散布が有効です。運悪く罹病した場合は同液を5〜7日続けて早朝潅水前に葉がしっかり濡れる程に散布してください。改善傾向が見えれば、週1〜2回に戻してかまいません。また病気蔓延がはなはだしい場合は、1000倍希釈液を1〜2回散布することをお奨めします。(うどんこ病他も同様です)
生産者は農薬を多用していると思われますが、ケイ酸を投与するとイチゴの生理作用が活性化するので、所定濃度で投薬しても薬害の実例が多く見受けられますので、同時使用や時間を置かない使用はやめてください。単肥使用が最善です。
ケイ酸が病害への抵抗性を増す理由については「全身獲得抵抗性(SAR)」が注目されていますが、一方で植物の病理として菌密度と毒素発生酵素との仕組みが重視され始めています。大半は一定菌密度を超えて菌が増殖すると「Quormone」という酵素が毒素発生指令を菌へ出し、宿主たる植物に病斑が出現します。逆に菌密度が減少すると毒素発生が収まり、樹勢に力が残っていれば回復に向かうことになります。
ケイ酸がいくつかの種の病原菌の増殖を押さえることは数多く発表されており、糸状菌を押さえて放線菌を増やすことも認識されています。その仕組みについてはまだ未定ですが、菌のバランスが平衡していることの重要性は研究者の共通する認識です。