安倍首相は、昨日の衆参両院で施政方針演説で「戦後以来の大改革」を叫びました。そこで今回は「しんぶん赤旗」の『潮流』を転載したいと思います。
『ドーム屋根の壮麗さが目を引くベルリンの大聖堂。第2次世界大戦で大きな被害を受けましたが、年月をかけて現在の姿を取り戻しました。復興の象徴となった場所で、ドイツ・ワイツゼッカー元大統領の追悼式が行われました。▼国内外から尊敬を集めた人らしく、大勢の各国首脳らが参列。死を悼む声はドイツ市民だけでなく、世界中に広がります。グウク現大統領は「人々が過去を直視し、未来を見据えられるようにした」と功績をたたえました。▼真実を重ねた言葉の力を信じた人でした。あの終戦40年の名演説も、ナチズムの暴力支配によって苦しめられた無数の犠牲者を、悲嘆のうちに思い浮かべたものでした。▼「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目となる。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、また同じ危険に陥りやすい」。この言葉もまた、人間として心からの和解をもとめるにはどうすればいいか。それを問いかけたものでしょう。▼同じ責任を背負いながら、こうも違うものか。比ぶべきくもありませが、安倍首相の施政方針演説を聞きながら思ってしまいます。戦後70年の節目にあたる国会で「日本は変えられる」「戦後以来の大改革」とたんかを切るばかり。過ちをどう反省し、そこから何を学び生かすか。そんな姿勢はまったくみられませんでした。▼内外の声に耳を傾け、若い人たちに寛容と共生を説いたワイツゼッカー。生前、来日したときの演説でこんな言葉も残しています。「過去を否定する者は過去をくり返す」(2015・2・13)
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