「お母さんの子供のころ、暖房は何だった?」
突然娘に聞かれた。
記憶の一番奥の方は、火鉢、と炬燵。
「火鉢?炭?」と感心するやら、あきれ返られるやら。
ほんと、昔の主婦は大変でした。炭は種火を絶やさずにつないでいきますが、
時々朝炭をおこしていた母の姿を思い出す。
それからは電気ストーブが現れグッと近代化された。
でも時々思い出す。居間の真中に火鉢があって、いつもやかんがシュッシュッと程よい湿気を作っていた。
お風呂から上がると母は、冬場は必ず肌着をお炬燵の中に入れておいてくれた。
甘い親だと言われたらそれまでだが、あのぬくもりは何十年たった今も忘れない。
湯たんぽの湿気も風邪予防には理にかなっていた。
親たちは工夫をし、手間を惜しまず、子どもたちは優しく守られていた。
今、あの昭和の暮らしが見直されているのは納得。