月曜日、「ツタンカーメン展」を見に行ってきました
昔から「ツタンカーメン」の響きに興味があったからです。
本嫌いの子どもだった私が「ツタンカーメン王の秘密」と「ファラオの呪い」という
本は引き込まれるように読んだのを覚えています。
内容は全く覚えていませんが…
古代エジプトでは王の墓は権力の象徴であり、不老不死のためのものであった・・
昨日もビートたけしのテレビでやっていましたが、中国の秦の始皇帝の墓も権力を示すことと不老不死のためのものと言っていました。
世界の場所を問わず、権力を手に入れたいと望む人の共通の夢のようですね。
権力の誇示と
不老不死。
面白いのは古代エジプト王朝の宗教と死生観。
ミイラとして亡くなった王を保存し、猫やチンパージ、ワニや鳥などの動物もミイラにしていたという古代エジプト。
ミイラとして保存するのは永遠に肉体を保ちたい・・
永遠に生き続けている、生き続けたいと考えていたからではないでしょうか。
そんな古代エジプト人たちが
「生まれ変わりの死生観」を持っていたということに驚きました。
古代エジプト人は「死者は生まれ変わり、鳥がこの世に連れてきてくれる」
そう考えていたようです。
私は学生時代、死生観と教育の関係を研究していました。
東洋の死生観と西洋の死生観の比較などの研究も。
東洋の死生観は「円環的なすべての命をひと連なりととらえ、一人の人間の命も生まれ変わりながらひとつながりになっている」
欧米の死生観は「生か死か、白か黒か、正しいか間違っているか、勝ちか負けか、二者択一的な発想が多い」
そう考えていました。
古代エジプトの人たちがこれで言うと東洋的な死生観、思想を持っていたということに驚きました。
古代エジプトの宗教も面白いです。
長らく信仰されていた宗教は「アメン神」という多神教。
太陽、風、鳥、ライオン、…
自然や生き物、いろいろなものが神とされていました。
それらすべてを管理していたのが神官。
するとしだいに神官の役割が大きくなっていき、
神官が権力を握るようになってきた…
そこでツタンカーメンのお父さんであるアメンホテプ4世が
宗教改革を行います。
多神の「アメン神」から太陽のみを神とする唯一神「アテン神」へと変えようとしたのです。
その時、ツタンカーメンも名前を「ツタンカーテン」とアテンを含む名前に改めています。
しかし「アテン神」は定着せず、反発を受けて
ツタンカーメンは自分が王の時代に再び「アメン神」に戻すことにしました。
そしてアメンを含む「ツタンカーメン」の名が定着しているのですね。
ツタンカーメン王は9歳で即位し、19歳で亡くなるという
少年王でした。
あまりに若くして亡くなったということと
墓が封印された状態できれいなまま発掘されたということ
そして発掘に関わった人たちが次々に謎の死を遂げていくという不思議、
黄金に輝く、王のマスクや装飾品に魅せられるということ
これらのことが人々をくぎ付けにする理由のような気がします。