
かきつはた 佐紀澤にお生ふる 菅の根の 絶ふとや君が 見えぬこのころ
(作者不詳 万葉集より)
「あの人、このごろ来てくださらないけれど、どうなさったのかしら。
ひょっとしたら、誰かが邪魔しているのでは---?」
恋しい人に会えない時、もしかしたら仲を裂こうとする人が...と、
落ち着かないのは人の常ですね。
歌の作者は、不安な気持ちを抱きながらも、じっと待っています。
いじらしい女心ですね。
待つ女性、耐える女性にことさらいとおしさを感じるのは、男の身勝手でしょうか?
佐紀は、奈良の平城宮跡の北、今も土塀が残る静かなところです。
カキツバタは池や沼など湿地帯に群生するアヤメ科の多年草で、高さ50~70センチくらい。
初夏に白や紫の大きな花が咲く。
書き付け花が転じてカキツバタとなったという。
書き付けとは、花を布にこすりつけて花汁で染めること。

ここは日本三大カキツバタ自生地の一つに数えられている刈谷市の小堤西池、紫色のカキツバタの花がいっぱい咲いていました...

上品な紫色の花をみていたら凛とした女性の姿を連想してしまった---(^^)

この日は久しぶりに良い天気だったのでたくさんの人が見物に訪れていました。