堀江敏幸さんの小説「なずな」を読んだ。
日経新聞の文学周遊で
相変わらず可愛いね。おしまい。
堀江さんの小説は初めてである。
日経新聞の文学周遊で
堀江さんの「王子駅にて」の紹介を読んだのが、
きっかけである。
文章が崩れると、視点も崩れる。
ひとりの人間がのちに、どんなふうに変化し、
どんなふうに化けていくかは誰にもわからないという、
じつにあたりまえのことだけだ。
人を見る目なんて、そうあるものではない。
中略
間近にいる人間と、とにかく愚直に言葉を交わし、
「いま」を見定める、その繰り返し以外にないのだ。
繰り返しだ。
繰り返しが大切だ、と自分に言い聞かせる。
中略
大人になって成長が打ち止めになった渡守、
地道に日々を繰り返していれば、
きっとどこかにたどり着けるだろう。
電気信号ではなく、
空気の振動で伝わる生の声や気配だけで、
支えられることもあるのだ。
昭和生まれの自分には共感できるところが
多々ある作品であった。
今日のおまけ。
相変わらず可愛いね。おしまい。