古いパソコンの掃除から始めたが、カバーを外し、冷却用ファンが吸い込む埃は意外に多く、放置しておくと基盤をショートさせるケースがある。掃除機のノズルを変えて吸い込ませるが、これだけであると隅にたまったほこりを吸い取ることはできないため、小型の空気圧縮機を倉庫から出し、ホースをつなぎ、ダスターガンを取り付けた。これで埃を吹き飛ばすのである。もちろん室外へ出て、屋外で作業を行った。ビープ音で指摘されたROM(読み取り用メモリ)とCPU(中央演算装置)放熱カバーを外し、状況を見たら、CPUのほうは正常であったが、ROMのほうは石灰化した固形物が大量に付着していて、ビープ音発生の原因が突き止められた。無駄な抵抗とは思いながら、固形物を取り除こうとしたが、基盤本体側は除去不可能であった。仕方なく元通りに配線をつなぎ、カバーを取り付けた。
これで基盤全体を変えなければ復旧は困難と判断された。再度コードをつなぎ電源を入れたがビープ音が鳴り、症状は改善しなかったため、あきらめることとした。内蔵ハードディスクは使えそうなので、現在、復旧したパソコンのセカンドHDとして使おうと思っている。
さて前に戻るが、認識しない内蔵のHDは、何かの原因で壊れていて、使える状況ではないことになっていると判断した。パソコンが認識しないため、新品の購入を行って、再挑戦しようと思い、HDのメーカーを調べ、同種の内蔵HDをネットで注文した。翌日には自宅に届いた。早速内蔵HDを取り換えてBIOS情報を見るとSATA1に新調したHDが認識されていた。認識されたため、USBをつなぎリカバリーを試みたがエラーが表示され、試しに焼き付けたDVDをDVD・CDディバイスに入れて立ち上げてみたら起動し始めた。DVDは7枚あったが、すべて読み込んでくれた。F12で起動ディバイスを変更し、再起動を行ったところ、Windows10が立ち上がった。
ファクトリーバックアップはWindows8であったのでおかしいと思った。立ち上がったWindows10は女房の新調したPCの内容そのものであった。どこかでリカバリーソフトの取り扱いが間違ったようである。しかし、Windowsが立ち上がってくれれば、購入した内蔵HDが正常に動いていることを示すもので、今後、自分専用にソフト等を入れ込み不要なファイル等は削除しようと思っている。
結果として、内蔵HDの復旧は困難と判断したことがこの結果につながった。基盤が破壊されていなかったことも幸いしている。メーカーのサポーターにはいろいろ相談に乗ってもらったことも復旧できた大きな原因である。(このシリーズ最終回です)