今回、新しい技法“カラーモジュレーション”を取り入れていますが、ウォッシングした後にどのようになるか、少し不安がありました。
こういう微妙な色使いだと、ウォッシングの後のふき取りが重要になってきます。
基本塗装が死んでしまいますので。
大体ここらあたりの工程からモデラーの作風が作られているような気がします。
ウォッシングもその人の好みで、色合いの濃い人や薄い人、やらない人、いろいろですね。
さて、また基本的な話になってしまいますが、ウォッシングで使用するエナメル系の溶剤はプラを浸食しますので、色々前準備が必要です。
①細かいパーツ、サスペンション取り付け部などは瞬間接着剤でガッチリ固め、溶剤の毛細管現象での浸食を抑える
②アクリル系塗料は塗膜が弱いので、ラッカー系のクリアーでコートしておく
③連結式キャタピラはウォッシングによって崩壊するのでウォッシュを施さない
などです。
私は、経験上最もウォッシングに適しているのは、油彩絵具+ペトロールだと思います。
ペトロールの作り出す毛細管現象には他の溶剤にはない伸びがあり、ここでの工程では欠かせないモノです。
また、乾燥後ハーフグロスとなり、表面は卵の殻のような艶となり、いい感じ。
ウォッシングを終えた段階。側面のERAボックスを見れば判るとおり、「にじみ」が出ています。
この「にじみ」を放置させたまま完成させるモデラーもいますが、ウォッシングはここで終わるのではなく、こういったにじみのふき取り等も含めて、完了となります。
1回目のウォッシングが終わった状態。
色が薄すぎたので、もう一度行います。
2回目が完了。
ここから拭き取り作業を行います。この際、ラッカー塗料でコートしておかないと、アクリルの塗膜が剥がれます。
また、組み立て前の脱脂が不十分だと同様の現象が起きます。
拭き取りを行うと、出てきたぞ~、カラーモジュレーションが。
できるだけ凸面上を拭き取れば、自然と凹面に塗料が残るので、立体感・重量感が出てきます。
拭き取りには、100円ショップで売っている綿棒を使います。
安くて、使い捨て出来ますので重宝です。
写真では判りづらいですが、基本塗装の段階で意図的に塗膜をザラザラになるよう塗付して、パネル上に滑り止め加工をしているように見せています。
溶剤の浸食によるパーツの脱落などもありませんでした。
側面部分です。
拭き取りを丁寧に行う事で、カラーモジュレーションが「死ぬ」事態を避けることが出来ました。
以上の写真は途中段階のもので、この後筆も使って更に細かく拭き取りを行い、ウォッシングの完了となります。
足回りは、これからホイール部分のみ、ウォッシングを施します。