北海道函館市の建築設計事務所 小山設計所

建築の設計のことやあれこれ

ちばてつやの原理

2015-04-14 02:07:13 | 日記
子供の頃、ちばてつやさんのマンガ「島っ子」が大好きで、夏休みに何度も読み返したり

していました、、、。





伊豆の孤島鬼ヶ島に地質学者の家族が移り住んで、島の子供達とのあれやこれやのお話な

のですが、





誰かが何かを素晴らしく解決したりすると、他の子供達や大人が「ギャラリー」になって

「オォーッ」とか「スゴイっ!」と驚いたりするのです。


ちばてつやさんのマンガには、この「ギャラリー」が必ず出てきて、例えば、これは多分

「あしたのジョー」だと思うのですが、ボクシングのシーンだけではなく





上から二段目なのですが、丹下段平さんや、対戦相手のセコンド?や、白木葉子さんや、

日本ボクシングコミッショナーの関係者?が、何故か額から汗を飛び散らかしながら驚く

様子が、必ず挿入されるのです、、。(女性の白木葉子さんまで「汗」なのです。)


ちばてつやさんのマンガでは、ボクシングだけではなく、野球マンガならスタンドの観客

が、「あした天気になあれ」のようなゴルフのマンガでは、それこそ「ギャラリー」が、

額に汗して「オォーッ」と驚くシーンが、毎回必ず出てくるのです、、、。



「虎杖浜の夢 その参」で「人間誰しも嫌われたり否定されるより、受け入れられる方が

良いに決まっている、、、。」と書きましたが、ちばてつやさんのマンガを読んでいると

何だか自分が賞賛されているような気持ちになるのか、主人公よりも読んでいるこちらが

昂揚してきてしまうのです、、、。



昔、住宅の打ち合わせで、建て主さんから、いきなり

   「周囲の家から見下されるのは嫌だから、自分たちの家は周囲より高く

    してほしい。敷地も50cmと言わず、1m、いやそれ以上でも出来

    るだけ高くして欲しい。」

と言われ、絶句した事があります、、、、、。(1mも高くしたら盛岡での判例もありま

すし、擁壁工事も嵩みますし、弱い盛土の上に建物の基礎は作れないので、基礎を地山ま

で深くすると基礎工事費も余計にかかりますと説明はしましたが、、、。)


建物の外観デザインでも、「自分たちが世間から、それなり評価されたい。」などの思惑

が影響して、とんでもない希望になる事もあるようです、、、、。(吉村先生は「節度を

持って」とおっしゃっているのですが、、、。判るわけないような、、、。)


私が、「建物の外観は何も気が付かず通り過ぎてしまうような外観が良いと思うのです

が、、、、」などと説明すると、「こんな設計士に設計されてしまうのは冗談じゃない」

みたいな顔をされてしまうのです、、、。これじゃ商売になりません、、、。




追記  「何も気が付かず通り過ぎてしまうような」って書きましたけど、実はこれ、

     もの凄く難しいことのはずなんです、、、。「ありきたり」で「単調」なら

     それはそれで「気付かれて」しまうと思うんです。「吉村事務所の、、」の

     記事で「さりげない」って書きましたけど、吉村先生の境地は「遥な高み」

     です、、、、、。



追記の追記   「狐に、、、」の記事で「いつもは家族全員集合で、集中砲火のよう

         に、その家族の『集団的個別的欲望』に晒されるんですけど、、」

         と書きましたけれど、いつもはこのパターンが多いんです。でも、

        「敷地を高くしろ」と言ったのは、このお客さんではありません、念の

         ため、、、。人間とは欲望の動物なのです、、、、、。



追記の追記の追記  個人の大工さんやハウスメーカーの営業の方の中には、この「人間

          の欲望」に対処するのが上手な方が居て、(これが僕にはなかなか

          難しい、、、)一度、「あんた達の希望を俺に言え!後は方法論な

          んだ!」と凄む大工さんを横で見ていた事があって、「方法論なん

          て難しい言葉使うんだぁー」と感心した経験があります、、、、。














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