ウラジーミル・タラソフとは何者なのか?
これが、今回のロシア革命アニメーション上映で生じた最大の関心事です。
さて。昨日また観てきました。このあいだは一番前のど真ん中に補助椅子を置かれたせいで、字幕の50%が見えなくなるという悲惨な事態に直面せざるをえなかったわけですが、今回は満席にはならず、大丈夫でした。それにしても、前回、2列目に座った人はたぶん、50%どころか何も見えなかっただろうと思います。椅子を個性豊かにするのもいいですが、どの席からでもスクリーンが見えるように、という最低条件はクリアしてもらいたいものです。
内容に触れる前にまた上映環境から始めてしまったのは残念ですが、ついでに言うと、ロシア語のクレジットなどがやはり前回同様切れていたようです。ぼくは日本語の字幕しか見ていなかったので気が付きませんでしたが、一緒に行った人によれば、画面の大きさとスクリーンの幅が一致していなかったみたいです。それと、音が割れていたのはどこの責任でしょうか?完全に言語ではなく雑音と化していた台詞にきちんと字幕が付いていたので、オリジナルははっきりとした音声だったと思われるのですが。ついでの最後。「ツイスター氏」における音声が、耳に不快なボリュームでした。じかに鼓膜に突き刺さり、頭を刺激するような。悪い意味で鳥肌が立ちそうでした。
8編の短編で構成されていたプログラムB。冒頭は、「惑星間革命」。火星でも共産主義革命を達成しようというとんでもない内容ですが、『アエリータ』の影響を受けているのでしょうか。同じような趣旨ですからね。ちなみに、かつて映画館で『アエリータ』を鑑賞していたとき、ひどくお腹が痛くなって、映画どころではありませんでした。それでも、それなりに印象深かったです。ところでこの「惑星間革命」は、実は内容はよく分からなかったです。解説を読むと、地球を逃げ出したブルジョアを追って革命軍が火星で革命を達成した、という話らしいです。しかしまあ、これを観ているときなんだかぼーっとしてしまって、別のことを考えていたんですよね…
「株主」は23分あって、本プログラム最長。アメリカの資本主義を批判する作品だと思うのですが、けっこうおもしろかったです。カーレースのシーンなんかは、キャラはあまり動かしていないのですが、一枚の絵をブレさせたりしていて、古い日本のテレビアニメってこんな感じなのかなあ、と思いました。いま見るとその省力化の作業がかえって斬新な手法に見えたりするから不思議なものです。リミテッドアニメーションも独自の手法に進化していますからね、日本では。
掉尾を飾るのはプログラムAに続いてタラソフの作品。前回(「射撃場」)も強烈な作品でしたが、今回もすごいです。「射撃場」は、そのスタイリッシュな絵に心惹かれましたが、「前進せよ、今がその時だ」は色彩が圧倒的です。そして奇怪なデザイン。とにかく多様な線と色の洪水に、驚倒しました。マヤコフスキーの詩とポスターをちりばめたそうですが(詩は朗読される)、激しくてこの作品によくマッチしていたと思います。マヤコフスキーは過激な言葉を投げつけ、絢爛たる色彩がそれを補完する。マッチョな彼の瞳がぎろりとこちらを睨んでくる動画も効果的でした。
しかし、「前進せよ、今がその時だ」と繰り返される歌詞のリズムは軽快で、若者のポップな音楽のよう(ちなみに実際には「フピリョーー・ブレーミャ」と聞こえ、邦訳の堅い印象とは異なる。「フピリョート」が「前進せよ」、「ブレーミャ」が「その時だ」の意)。とにもかくにも革命の熱狂と享楽的な雰囲気をありったけのヴィジュアルイメージに込めて表現した、爆弾のような作品。タラソフって何者?
これが、今回のロシア革命アニメーション上映で生じた最大の関心事です。
さて。昨日また観てきました。このあいだは一番前のど真ん中に補助椅子を置かれたせいで、字幕の50%が見えなくなるという悲惨な事態に直面せざるをえなかったわけですが、今回は満席にはならず、大丈夫でした。それにしても、前回、2列目に座った人はたぶん、50%どころか何も見えなかっただろうと思います。椅子を個性豊かにするのもいいですが、どの席からでもスクリーンが見えるように、という最低条件はクリアしてもらいたいものです。
内容に触れる前にまた上映環境から始めてしまったのは残念ですが、ついでに言うと、ロシア語のクレジットなどがやはり前回同様切れていたようです。ぼくは日本語の字幕しか見ていなかったので気が付きませんでしたが、一緒に行った人によれば、画面の大きさとスクリーンの幅が一致していなかったみたいです。それと、音が割れていたのはどこの責任でしょうか?完全に言語ではなく雑音と化していた台詞にきちんと字幕が付いていたので、オリジナルははっきりとした音声だったと思われるのですが。ついでの最後。「ツイスター氏」における音声が、耳に不快なボリュームでした。じかに鼓膜に突き刺さり、頭を刺激するような。悪い意味で鳥肌が立ちそうでした。
8編の短編で構成されていたプログラムB。冒頭は、「惑星間革命」。火星でも共産主義革命を達成しようというとんでもない内容ですが、『アエリータ』の影響を受けているのでしょうか。同じような趣旨ですからね。ちなみに、かつて映画館で『アエリータ』を鑑賞していたとき、ひどくお腹が痛くなって、映画どころではありませんでした。それでも、それなりに印象深かったです。ところでこの「惑星間革命」は、実は内容はよく分からなかったです。解説を読むと、地球を逃げ出したブルジョアを追って革命軍が火星で革命を達成した、という話らしいです。しかしまあ、これを観ているときなんだかぼーっとしてしまって、別のことを考えていたんですよね…
「株主」は23分あって、本プログラム最長。アメリカの資本主義を批判する作品だと思うのですが、けっこうおもしろかったです。カーレースのシーンなんかは、キャラはあまり動かしていないのですが、一枚の絵をブレさせたりしていて、古い日本のテレビアニメってこんな感じなのかなあ、と思いました。いま見るとその省力化の作業がかえって斬新な手法に見えたりするから不思議なものです。リミテッドアニメーションも独自の手法に進化していますからね、日本では。
掉尾を飾るのはプログラムAに続いてタラソフの作品。前回(「射撃場」)も強烈な作品でしたが、今回もすごいです。「射撃場」は、そのスタイリッシュな絵に心惹かれましたが、「前進せよ、今がその時だ」は色彩が圧倒的です。そして奇怪なデザイン。とにかく多様な線と色の洪水に、驚倒しました。マヤコフスキーの詩とポスターをちりばめたそうですが(詩は朗読される)、激しくてこの作品によくマッチしていたと思います。マヤコフスキーは過激な言葉を投げつけ、絢爛たる色彩がそれを補完する。マッチョな彼の瞳がぎろりとこちらを睨んでくる動画も効果的でした。
しかし、「前進せよ、今がその時だ」と繰り返される歌詞のリズムは軽快で、若者のポップな音楽のよう(ちなみに実際には「フピリョーー・ブレーミャ」と聞こえ、邦訳の堅い印象とは異なる。「フピリョート」が「前進せよ」、「ブレーミャ」が「その時だ」の意)。とにもかくにも革命の熱狂と享楽的な雰囲気をありったけのヴィジュアルイメージに込めて表現した、爆弾のような作品。タラソフって何者?