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もっと健康でいなければならない理由
キムスファン枢機卿が亡くなったことで追慕と哀悼の波が全国にあふれていた頃でした。枢機卿の目が寄贈されたという話が世の中に知られると、臓器寄贈に関する人々の関心も大きく高まっていました。宗教を超える愛の誓い、臓器寄贈、、、。
私の大学の教授の中の一人も、その際、臓器寄贈をしましたが、そのいきさつがが特別でした。
プールで歩く運動をしながら体を鍛えていたある日でした。どこからか子供たちの騒がしい声が聞こえて、そのほうを見た教授。
「ジソン、どこにいるの。」
「ハヌル、私ここにいるわ。ここ。」
プールでのリハビリに来た視覚障害の子供たちが、友達を探すために呼ぶ声でした。目の見えない子供たちには、友達の声は耳で聞く羅針盤だったのです。偶然にその場面を見た教授もおばあさん達も、やっていた運動をやめて一斉に目頭が赤くなったと言いました。視覚障害の子供たちの天心な姿は、教授とおばあさん達が臓器寄贈を決心する動機になったのでした。
「どうせ死ねば土の中に埋まってしまう身、あの子供たちのために、私達の目でも残して逝きましょう。」
「そうだ。そうしよう。」
教授の助けで臓器寄贈の誓約をしたおばあさん達、、、、。その後、表情とか行動が目に付いて変わったといいます。前は水泳を趣味で休み休みやっていた人たちが、いつからか準備運動さえ軽く思わず、まじめにやっていたというのです。それで教授が聞いてみました。
「おばあさん、急に一生懸命運動をする理由でもあるのですか。」
かえって来たおばあさん達の答え、、、、。
「前に見たあの子供たちに、少しでも健康な目をあげたくて、、ほほほ。」
不治の病の患者に最後の希望といわれる臓器寄贈。その崇高な愛を実践するために、自分がまず健康でなければならないと、体力を蓄えているおばあさん達。その人たちの健康な体と美しい心が生命の大切さを教え諭してくれました。