6月29日(水)夕方 二人の来客
先に来たのは学校同期の元警察幹部で現在外郭団体に天下り?
蒔絵万年筆とシルバーボールペンを買いに来た。
私の商売の窮状を見かねて買ってくれた。
かなりの数量をポケットマネーで購入
使い道は若い警察官がチョットした善意の行いをした時に
報奨としてあげる。お金を渡す訳にはいかないので
品物で報いている。
彼は人間的に温厚で偉ぶらないので若い警察官は慕った。
部下をかばい、自分が責任を取ることで、尚一層頑張ってくれたと述懐した。
私は聞いてみた。
「日本が大不況で大多数の国民が苦しんでいるが実感はあるか」?
答えは予期したように
「実感はない」と言った。
定年後安定した職を得て65歳まで働き年金生活に入れる。
卒業時、警察官になると聞いた時、みんなでバカにしたものだった。
高度成長期で就職はいくらでもあり、あえて安月給といわれた
公務員など眼中になかった。
それに加え、当時は全共闘世代で反権力志向が若者にはあり
公権力の犬だと呼んで警察官には成りたがらなかった。
今では厳しい数十倍の競争試験を突破しなければ警察官にはなれない。
少し遅れてもう一人の来客がやってきた。
今年の3月までデザイン版下会社を経営していたが
不況で会社を閉じた。
4月から葬儀会社に就職、50歳でサラリーマンになった。
久しぶりの再会だったが痩せて見えた。
3ヶ月で7キロ体重が減少した。
表情は苦闘を物語っていた。
28歳で独立して、好きなデザイン、版下の仕事をずっと
続けてきた、苦しく辛いこともあっただろうが、
好きであったので続けてこられた。
妻と学生である子供二人を抱え生活していくためには
経済的に安定しなければならない。
葬儀という仕事が年中無休、昼夜別なく動き
個人的考えや行動を許されない仕事。
学生時代の友人は警察官だったが、同様の年中無休
昼夜別なしで動き、規律や上下関係に縛られている。
我慢の中で歩んできた。
その報奨が安定した収入と老後保障
対照的な人生を歩んだ二人
しかし、二人とも、他人の人生の裏側を直接見る仕事
現在の状況であれば、我慢我慢でも安定収入の道選ぶだろうか?

本日のランチ あさりパスタ