トホホおやぢのブログ.....

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<スチールバイクはなんで乗り心地がいいのか?>その3

2017-02-10 12:19:00 | Italia & Bike
その3
CFRPは空力抵抗を減らすための自由な設計が可能なのだ ・・・と前回書いたけれど、CFRPのバイクのあるべき形として、このバイクを忘れてはいけないと思う・・・・(正面からみると、すごいんです)



確か1997年から、6回ironman世界選手権(コナ)で優勝しているNatacha Badmanのマシンだ。これを設計・製造したRudi Kurth,ドイツ系スイス人だ。元々彼はメカニックでありエンジニアでもあった。彼の知識は、なんと車体のみならずエンジン設計迄及んだ。彼の設計したヤマハTZ350のエンジンは、 片山敬済 選手によって1977年に世界チャンピョンになっている。彼の設計したサイドカ―レースのFRPボディは、世界チャンピョンになるためには欠かせざるものだった。ヨーロッパで、本格的にモノコックのバイクをリリースしたのは、彼が最初のはずだ。彼も、素材の特性を生かすには、当時は主流だった継手(ラグ)でつなぎ合わせるのでなく、モノコックの方が合理的だと語っていた。その理由は、”たわみ”の事を言っていたことを思い出す。残念ながら、KestrelKM40もCat CheetahもUCIの規定の関係から、ロードレースの世界に出現することは無かった。タラレバだけれど、長い距離のTTならば、かなりの成果を出していたに違いない。
“たわみ”が元の形に戻る力を推進力に向けることができると、乗り手はそのぶんエネルギー消費を抑えることができる。この二つのCFRPバイクのフロンティア達は、同じことを言っていた。日本人でも、同じことをチャキチャキの江戸弁で言う人がいる。

佐野末四郎さんの設計製造するSANOマジックのマホガニー製バイクだ。幸い何度か試乗する機会があって、このバイクにのるとシートチューブの無いKestrel500sciの乗り味を思い出す。材料の特性をまさに究極なまでに生かすという作り手の思いは、共通するものがある。
“たわみ”が戻る力を推進力に向けることができると、乗り手はそのぶんエネルギー消費を抑えることができる。その“たわみ”を【ウィップ】と言うのが一般的だ。自分のペダリングと【ウィップ】がシンクロしたと感じたときに・・・
「あれ?追い風?」
「あれ?いつもと違う・・・・なんか補助エンジンついてる?」
「俺って、才能あるかも・・・」
「なんか、このままどこまでも走れそうな感じ・・・止まりたくない」
「なんか、ランナーズハイみたい・・・」
こんな感覚になると思う。経験はないだろうか?それとも、忘れてしまっただろうか? 但し、堅いアルミや堅いだけのCFRPバイクしか乗った経験がないと解りにくい現象かもしれない。
 “たわみ”についてもう少し詳しく書くと、専門用語では“弾性変形”と“塑性変形”てのがあって、“たわん”で元に戻るのが“弾性変形”この特性は、スチール(鉄)や炭素繊維が元々持っている性質だ。
簡単に言うと、バネが元に戻るのが弾性変形で、バネが破断してような変形が塑性変形。実は、ピュアなアルミは弾性変形しない。“たわん”だままま、元に戻らない。アルミは塑性変形という性質だ。これでは、使い物にならないので合金化して弾性力を持たせている。しかし、経年劣化すると弾性力が無くなったりする。(よくフレームが“へたる”等と言う。薄いアルミ系材料はその傾向顕著だ)最悪な場合は、クラックが入って破断する。結果として耐久性のあるアルミ系フレーム材料は、意外と重量が有るし、【ウィップ】を感じるには、凄い脚力が必要だったりして、かつ振動吸収性が無いため、オイラみたいな”おやぢ”の体は、アチコチが痛くなる。若ければ、肉体自身に衝撃吸収力があるのだが・・・・
あ、マウンテンバイクとくにDHには、アルミ系材料はとても良い材料だよ・・・

つづく・・・・


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