きの書評

備忘録~いつか読んだ本(読書メーターに書ききれなかったもの)~

プチホテル

2020-08-07 01:17:37 | 怒涛の京都ホテルめぐり

怒涛の京都ホテルめぐり~十九面童に会おう~

(娘の大学の映像授業で追い出され自宅からのテレワーク/緊急事態宣言後で安かった)

100年後ぐらいに、当時の日常を知る貴重な資料になっていると願って。

予約は娘。財源は大学からの給付金。名称はたまに仮称。

 

1of14)プチホテル(西陣/晴明神社近く)家から一番近いまともそうなホテル。

 以前に通りかかって、ガラス窓に赤い屋根と木の調度、ほの暗い照明が数か所キラキラ光り、南仏風の綺麗なエントランスだと思った。ただし名前が安っぽいのと昨今の時流からか、和の桜をイメージしてピンクを多用しすぎて、まるで地方の国道沿いの○○ホテルのよう。フランスか桜かどっちかに統一したらいいのに。名前もシェリルとかシャーリーとか、フランス映画やカクテルのようなオシャレなものにして、規模が小さいことなんか強調しなくていい。

 雨の中、夜にマスクをして貸し切りの9番に乗ってたどり着く。薄暗いフロント(女性)「記念にこれをどうぞ。」 チューブ(大)「洗顔」内容はダイズ油主体で良いのだが、「じゑる」や「品粧化大箸」という表記、白地に極太黒の勘亭流みたいな字がコワイんですけど。宿帳に記入のみ。その他ピンクのカギにピンクの説明書「プチホテル♥」下品だからやめた方がいいと思う。

 ヒマなので風呂に3回ぐらい入る。温度を確かめようとしゃがんだら、ユニットバスの洗面台の下の扉(きの)「ガッシャン。」ぶつかって外れどうにもはまらない。こんな狭いバスルームでは何もできない!かんしゃくを起こしてむぎゅむぎゅ暴れまわり、後で撮った部屋の写真を見るとそんなに狭くない。自粛下で食べすぎているのではないかと、その時ふと思った。雨の音が聞こえ、家の近所でこんな夜に一体何をしているんだろうという気分になり、早々に寝た。

 

 朝からエレベーターがチンと鳴り、意気揚々とカートを押す音が近づいてきた。まさかな。(ドア)「ガチャ・・・!!!」(きの)「ん?どうしました」ベッドで寝そべってパソコンのネットニュース見てた。(支配人)「(驚愕の表情)大変失礼。バタン!」本当に失礼だ。驚愕の表情を浮かべたいのはこっちだ。

 下りていくと、客は常連のジイさんと2人だけだったらしい。(きの)「あの、パン屋に行ってきます」(フロント)「先ほどはほんとに・・・連絡の行き違いで」追いすがってきたので、振り切って向かいのパン屋に行き、固いパンを買ってきて食べる。おそらくあの部屋は、今日来ると思って張り切ってその前に掃除をしようとしたのだろう。支配人がしょげている。

 朝食は、いつもは近くの老舗の湯豆腐が出るそうだが、今は感染予防で出さないとのこと。部屋でコーヒーを飲もうと思って1杯用のドリップパックを持ってきたが、さすがに部屋に置いてあるすり鉢状の湯飲み茶わんには、どう考えてもセットできない。何をどう頑張っても最終的にひっくり返って大やけどをしそうだし、淹れてるあいだ素手で持つのはさらに危険なのでコーヒーカップを借りてきた。ホテルのロゴが入った繊細な陶器のデザイン。エスプレッソを淹れたらさぞ美味いだろう。このホテルができた時の経営者の気概が伝わってくる。

 チェックアウト(きの)「この辺にスーパーないか」(フロント)「頼むから見限らないで・・・ゴニョゴニョ」こっちが引くほど平謝り。(きの)「あ~寝ぼけてて何も見てない(笑)」いいから場所を教えてくれよ。

 このホテルが後に続く「怒涛の宿泊 2020 in Kyoto」の始まりだった。デスノートでも主人公はやはり近場から始めている。人間のよくある行動パターンだ。

 そういえば、久しぶりに市販のシャンプーの匂いを嗅いだ(船は馬油だ)。思うところあって動物に優しいメーカーのものを愛用しているので、だいたい似たような匂いしかない。今回おかげ様で風呂に目覚め、たまには世にもかぐわしいボディーシャンプーを求めて、ドラッグストアに寄ってみるとしよう。例のクラスターの出た堀川病院の横だ。心なしか店員はピリピリしていたような気がする。普段見ないコーナーを入念に探り、サンプルを嗅ぎまくる。最近の商品は調合されすぎて、全部何の匂いかわからない。最終的に「Hadakara」という緑色の曼陀羅のような絵が描かれたものに決定した。「は?だから?」なのか「裸達」なのか「肌と体」なのか。

 家に帰って早速風呂に入ってみる(入りすぎだろう)。店で嗅いだビーズの爽やかなグリーンの匂いとはちょっと違うようだ。洗っていると複雑な中から途中でほんのわずかにアゲハ蝶の幼虫みたいな匂いがしてくる。気のせいか。しかしあれも柑橘を凝縮したようなものだし。ボトルにグレープフルーツと書いてある。ほらごらんよ。良い匂いなので、頭も洗ってみた。ボディーシャンプーで頭を洗っても、多少盛り上がるぐらいで大事には至らない。父などは石鹸1個で全てを解決していた。

 小学校の夏休みに、アゲハの幼虫を毎日観察した上で詳細な記録を3mの紙にまとめ上げ、意気揚々と新学期に持って行って、教室の後ろに貼り出した時のことを思い出した。まるで全身が緑に包まれているようだ。今年の夏は常世様系で行こう。常緑は縁起がいい。

 

 5/12/2020(金)クィーン#410 3,400円。眺望いまいち。#401だと道路沿いのようだ。道路沿いは好きだが、酔っ払い客や救急車がひっきりなしに通ったら、落ち着いた環境とは言えないのかもしれない。裏の駐車場や民家の屋根が見えてつまらない気がしたが、もしかすると奥まった静かな部屋にしてくれたのか。4号室がなく9号室もない。各階実質8部屋。迷信深いのか。計算しにくいのでは。その割に#402はあるぞ。

 アメニティー普通。ロビーアンティーク調。そういえば、着いた時に窓のカギは最初から開いていた。朝から勝手に入ってくるしもうこのホテル何なんだよ。フランス風に統一して、正面に白いバラを植えなよ。それも四季咲きのつるバラを。

そうしたら常宿にしてもいい。


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