きの書評

備忘録~いつか読んだ本(読書メーターに書ききれなかったもの)~

はきものやという名前の雑炊屋

2019-02-12 14:22:06 | シリーズ:あれは何だったのか
 知り合いの編集者が、知る人ぞ知る老舗に連れて行ってくれると言うから行ってみたら、
何とも摩訶不思議な空間だった。
仏像をたくさん見終わった後、2時半を過ぎたあたりで予約もなしに入ってみる。
 
メニューは雑炊ただ一つ。
 
 
 和風の木造で、こぎれいな庭が付いたあずまや風の離れに案内される。
待っていると何やら神妙な面持ちで運んできた。
平安時代のつのだらいのような洗面器大の特製鍋に、お湯が張ってあって、
焦げたぶつ切りのウナギが数切れと、お麩が浮いている。
おいしかったが、正直これは何だろうと思いながら飲んだ。
底の方に春雨が数本。
 
これが京都の雑炊なのだろうか??
 
 不可解な気持ちでいると(店)「お鍋が通ります!」 
突然そう宣言し、ガラッと障子を開け放ってどこかへ消えた。
2月の寒空の下、入口から冷風が大量に入り込んできて寒い。
暖房の効果もあらかた消えた頃、またさっきのつのだらいに
今度はご飯の入った液体をゆさゆさ持って現れた。
 
これが雑炊か!
 
 じゃあさっきのは何だ?
気を取り直してまた食べ始める。
2人で鍋が2回だと、1人1鍋食べることになるが、
そんなに人体に水分が入るだろうか。
 
 もうすぐ昼の営業時間が終わるのではないかという焦燥感の中、
アツアツの雑炊を食べ終え、這うようにして出ようとすると、
出口でなぜかクツベラを、
(編)「ボキッッ!!ああっ取れちゃった!」 
昼もかなり過ぎていきなり来た上に長居して、
最終的に備品を壊して帰るという、大迷惑な客になってしまった。
そして極めつけが(店)「お会計1万6千円です」 
 
雑炊が!?
 
 さっきの食事のどこにそんな値の張るようなものがあったのか。
お麩とネギしか入ってなかったじゃないか。
それとも、あの chopped eel の質がよほど良いのか。場所代か。クツベラの代金か。
離れの造りも簡素で座布団も汚そうだったし、
そんなに取るなら買い直したらどうか。
本当に知る人ぞ知る店だ。
 
 
(編)「もう1軒行こう」 他のガイドがいい。

コメント    この記事についてブログを書く
« 日記を書く猫(夢日記) | トップ | 玄米蒸しパンがおいしい »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

シリーズ:あれは何だったのか」カテゴリの最新記事