連理とは、植物の相生(あいおい/一つの根から2本生える)の一種で、
2本の木が上の方で融合した状態だそうだが、前から興味があった。
和合の象徴でほほえましいという文学的な興味ではなく、
免疫がどうなってるのか?という方で。
正月早々、糺の森に見に行った。
太古の森というか、薄暗い雑木林と言った方が近いのか、
とにかく新春のめでたいような雰囲気は、そこにはなかった。
奥の方の社のわきに連理の賢木はあった。
全体が湿って大変おごそかだ。
ここのは榊が2本くっついているが、他所の連理では
モチとクヌギ、スギとイチョウ、ヒノキと桜など、
全然違う木がくっついて、養分を受け渡している。
「接ぎ木は同種に」という植物界における黄金の法則はどうした!?
と思えるほど、イレギュラーな成長スタイルだ。
サボテンは木キリンに、スイカは夕顔に、ミカンにはカラタチが良いそうだ。
なぜなら同一の系統だからだ!
ミカンにリンゴを挿してやっていけるとは思えない。
南米のジャングルの「しめ殺しのイチジク」は、連理だろうか。
もしかすると、連理の片方は了承していないのかもしれない。
勝手に隣から近づいてきて、養分を吸われているだけでは。
ぜったい和合だ!それが証拠に両方育ってるじゃないかという反論には、
栄養を奪われた方は、そのままだったら2倍3倍に育っていた可能性を
否定できないという見方を示唆しておこう。
ただの大きな寄生木(やどりぎ)なのではないかと思うと、
目の前の木も、ひとつも仲良さそうには見えてこない。
動物に人間の価値観をあてはめるのは良くないのなら、植物にはどうだろう。
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