きの書評

備忘録~いつか読んだ本(読書メーターに書ききれなかったもの)~

ジャンボレモンはシトロンか(柑橘に対する情熱)

2019-02-21 20:23:28 | きのたんと大自然
 小さい頃から植物が好きで、ハエトリソウやらサボテン、
たれ下がる観葉植物などで、住宅街の部屋を満たしていた。
珍しいものに目がなく、その中でも特に、
レモンの原種であるシトロンが植えてみたいと思っていた。
 
 あの大きいミサイルのような姿をした柑橘だ。
和名は枸櫞(くえん)とも言い、クエン酸の元になった言葉らしい。
地中海の方の現地では、チェドロとも呼ばれ、
儀式に使ったり、酒を作ったりしている。
なぜ日本で苗を売っていないのだろう。
 
日本の気候では育たないからか。
(では耐寒温度が-30℃だというカラタチに接ぎ木すればいいではないか)
現地が輸出を許可しないとか。
(種が1粒でもあれば栽培は可能なはずだ)
単純にマズいからなのだろうか。
(マズくてもいい!ワタばっかりでもいいから観賞用として売ってくれ)
 
 
 大阪駅の北側でオシャレな野菜を売っていたので、
遠くから何気なく見ていたところ、
(きの)「あれは!!シトロンではないのか」 
 
 大急ぎで近寄って行って、店に居た(女性客)「私たちは意識が高いです」
というような数人をかきわけて、下の台から手に取った。
巨大なレモンで「ジャンボレモン」と書いてあった。
ずっしりと重く、レモンと言うだけあって少し先が尖っている。
 
 とりあえず買って帰って袋を開けてみた。(きの)「ん?」
そこはかとなく、かぎ慣れた文旦の匂いがする。
もしかして文旦の一種なのか。
 
 文旦が嫌いなわけではないが、
うちにはもうすでに、父が通販で取り寄せたバレーボールの木が2本もある。
以前、野菜市で獅子ユズを見つけて宝物のように運んできたが、
匂いから味から全部ニガい文旦という事実を知り、
(きの)「あれがシワシワになっただけじゃないか(泣)!」 
と庭を指さし、ののしった記憶がある。ショックだった。
  
 
 ネットでジャンボレモンを調べてみたが、
日本で出始めなのか、あまり情報はなさそうだ。
100年前からあるポンデローザだとか、大実レモンとか、
レモン×ユズと書いてあったりする。輪切りの写真は文旦そのもの。
あまりにも気になるので、Wikipediaの英語の方を読んでみた。
 
 すると、シトロンと文旦のハイブリッドだと書いてある。
ずっとレモンと文旦かと思われていたが、
DNA検査で、みかんの遺伝子が見つからなかったとのこと
(レモンはシトロン×みかん)。
 
  そうだったのか!お前は半分シトロンなのか!?
レモンだってシトロン×みかんだから半シトロンだが、
いまいち大きさにインパクトがねぇ。
ゴツゴツ具合もおだやかだし。
 
 
 とりあえず切ってみる。
胴体が長いのでナイフで皮をむいている最中に、
香油の成分リモネンが漂ってきて目に入る。
自分は虫ではないが、これはちょっと居難い環境だ。
 
ペロッと味見。
 
(きの)「ぎゃあぁぁぁ!!!」
 
尋常ではない酸味。シトロンがレモンの原種なら、
さもありなんといったところだ。
 
何もかもが強烈で、もしこれが、ときじくのかぐのこの実だったら、
田道間守は斬られてるだろう。
 
 
 ゴホン。落ち着いて考えてみよう。
これに合う料理は、チキンの香草焼きだ。
なにか縮尺がおかしいような気もするが、薄切りなら普通にレモンだ。
あとは砂糖に漬けて、ゆず茶のように飲めばおいしいのではないか。
 
 
結論:ジャンボレモンは、大きさが文旦で味はレモンだが、
   遺伝的に半分シトロン。
 
 
 これで、柑橘の3大原種(シトロン、文旦、みかん)の内、一応2つがそろった。
前に、庭にみかんもあったが、枯れてしまった。
マイナーな第4種目のキンカンはある。カラタチは裏の家にあるので、
できれば、幻の第5番目のPapeda(パピーダ?)という
ビターな熱帯インド香酸柑橘の原種も欲しいが、そううまくはいくまい。
 
 鷹のような目で探し当てた半シトロン。
残りのもう半分については、あまり気にしないようにしよう。
日本用の耐寒仕様だと思えば。
芽が出たら、うちの実家にある15年以上経ってもいっこうに実のならない
実生レモンの隣に植えてみる。
 
ジャンボレモンを食べたアオムシは、さぞかし大きいだろう!
結局、何を育てるつもりなのか。
 
 
追記:あの後なんだかんだ格闘があって、
ジャンボレモンは、このようになった。
これはハチミツの空き瓶だが、1個の果物から取れたとは思えないほどの量。
皮は、あの実のならないレモンの木の下にまいて肥料にしよう。

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