「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

欧州サッカー>ビッグリーグは、4大リーグから2大リーグになっていた?<2023年8月

2023-08-14 19:37:26 | スポーツ

女子Wカップが開催中ですので何かとサッカーのことが気になります。今回、ドイツ女子チームが予選敗退しました。男子もそうでしたね?イタリアにいたっては予選リーグで敗退しています。本大会には、出てきませんでした。

その理由は、何なのだろうと考えました。
ヨーロッパの国別サッカー比較は、チャンピオンリーグの成績を比較すると傾向が分かります。あくまでチャンピオンリーグに出てくる上位国に限定した話です。

2001~2002シーズンから昨シーズンまでのチャンピオンリーグ1位と2位国の数です。
イングランド15 スペイン13 ドイツ7 イタリア7
以前は、ドイツやイタリアの全盛時代がありましたから、ここでも衰退が見えます。

最近10シーズンでは?
イングランド7 スペイン8 ドイツ1 イタリア3 フランス1

かなり、???になってきましたね?

最近、5シーズンでは?
イングランド6 スペイン1 ドイツ1 イタリア1 フランス1

つまり、2001年以降は急速にリーグ間の実力差が拡大して最近10年ではその傾向が明確になり、更に最近5年では、スペインまで没落してイングランドのプレミアが1軍で、他のスペイン・ドイツ・イタリア・フランスはほぼ2軍になっています。

理由は資金力の差です。スペインに資金がうなっていた時は、スペインリーグが最強のリーグでした。メッシやC・ロナウドの全盛時代です。その時期、プレミアは低迷しています。
この時期にプレミアは、大改革を行いました。まず、テレビ放送権料の配分をほぼ平等にしました。これで下位のクラブの財政基盤も安定しました。それから、キック&ラッシュの単純なサッカーを止めました。有名監督を招聘して最先端の面白いサッカーをファンに提供しようとしました。もちろん外国人枠の制限などありません。
お金を儲けたいクラブは、チャンピオンリーグで名前を売って様々な収益を探すようになりました。

つまりプレミアの試合を上質な娯楽のコンテンツに作り上げる努力を続けました。そうすることで収益も増えますし大口のスポンサーも付きます。

こうした努力を続けて巨額の安定した収益が得られるようになり、ビッグクラブは選手獲得に巨額の資金を投資できるようになりました。選手の給料だって他のリーグとは比較にならないほど高いです。

こうして一流選手を上中下に分けると上の部に属する選手は、プレミアを目指すようになりました。プレミアから声がかからない選手は、二流と言うことです。他のリーグはプレミアのビッグクラブが漁った残り物か落ちこぼれしか獲得できません。

まだ昔の名前が残っているレアル・マドリーは多少選手が集められます。しかし、資金はプレミアのビッグクラブには太刀打ちできませんから、獲得できる選手は限られます。同じくブランドのあるバルセロナは、財政不正問題から資金を失って財政規律を守るためには、まだ選手を放出しなければなりません。

10年前なら、金に任せてレアル・マドリーが有力選手をかき集めていました。今、そんなことは出来ません。

イタリアのクラブには、ビッグクラブであろうと精々、中の部の選手にしか手が出ません。

ドイツでもバイエルンが、ある程度資金力があるくらいです。それ以下のクラブは、選手を売る側に回っています。

こうした流れが、ここ5年くらい続いた結果クラブ間の実力に大きな差が付き1強3弱みたいになりつつあります。

フランスがWカップで強いのは、選手を売る側の状況は昔からですから、むしろ強いリーグに選手を供給することに特化しています。そこで強くなった選手を集めて代表チームを編成するノウハウがあるのです。

スペインは、元々代表チームが弱いから別としてイタリアやドイツは、強いリーグに国内の有力選手を売って鍛える発想はありません。国内リーグで育てようとしますが、肝心の国内リーグのレベルが大幅に低下しているので特別製の選手が育たない環境があります。
それが代表チームの弱体化につながっています。だから少々代表チームの強化やユースの強化をしても上手くいかないわけです。

つまり、既得権益に安住してその小さな利益に満足する構造が、リーグの弱体化を招き衰退を招いている構図があります。

イングランドのサッカー協会が、大改革に踏み切った理由は他のリーグに競争で負けつつあり衰退しているのを見て考えたからです。

今度は、スペインやドイツやイタリアのサッカー協会が考えなくては、なりません。

今、一番つまらないサッカーをやっているのはドイツです。昔式の勝負しか考えないサッカーです。野球なら1-0で勝つ野球です。そんなの見ていてお客さんは、おもしろくないでしょう。戦術も旧式。ポゼッション・サッカーなど無視します。今、どのリーグでも世界中に試合を売る時代です。そんな時代に旧式のつまらないサッカーをしていれば、一番先に捨てられます。それが、ドイツサッカー協会やビッグクラブのバイエルンには分かりません。

各国のサッカーリーグの栄枯衰退は、このようにして順番に起こります。イングランドのように伐根的な大改革をしなければ、衰退するのみです。

調べたらチャンピオンリーグの1位と2位は、以下のように変化していました。

2005~2006▲バルセロナ ◎アーセナル
2006~2007 △ミラン ◎リヴァプール
2007~2008◎マンチェスターU ◎チェルシー
2008~2009▲バルセロナ ◎マンチェスターU                               
2009~2010△インテル 〇バイエルン
2010~2011▲バルセロナ ◎マンチェスターU
2011~2012◎チェルシー 〇バイエルン
2012~2013〇バイエルン 〇ドルトムント

2013~2014▲レアル・マドリード ▲アトレティコ
2014~2015▲バルセロナ △ユヴェントス
2015~2016▲レアル・マドリード ▲アトレティコ
2016~2017▲レアル・マドリード △ユヴェントス  
2017~2018▲レアル・マドリード ◎リヴァプール

2018~2019◎リヴァプール ◎トッテナム
2019~2020〇バイエルン パリSG
2020~2021◎チェルシー ◎マンチェスターC
2021~2022▲レアル・マドリード ◎リヴァプール
2022~2023◎マンチェスターC △インテル

◎イングランド▲スペイン〇ドイツ△イタリア
◎15 ▲13 〇7 △7

最近10年
◎7 ▲8 〇1 △3 仏1

最近5年
◎6 ▲1 〇1 △1 仏1

※更に、マネーゲームに慣れた一部の選手は法外な利益を得ようとします。
しかし、プレミアのビッグクラブは必要な選手には必要な移籍金を払って獲得します。

法外な移籍金の必要な選手は敬遠されるようになりました。コストパフォーマンスを考えるわけです。
300億円の移籍金の必要な選手がいたとします。300億円あれば、かなり優秀な選手を3人は獲得できます。

パリ・サンジェルマンは、そんな大金を払ってでも選手をかき集めました。しかし、1回もチャンピオンリーグの優勝はありません。

300億円で1人がいいのか?100億円の3人がいいのかの問題です。300億円に見合う選手は、メッシやC・ロナウドの全盛期でしょう。

移籍市場を見ていると150億円くらいまでは、必要な選手には資金を出しています。マンチェスターCがセンターバックの若手の大物に100億円を超える資金を使いました。この選手を獲得すれば10年以上センターバックの心配をする必要がないからです。

300億円の移籍金の必要な選手はパリSGのエムバペとネイマールです。ネイマールは31歳ですし買うクラブはないでしょうね?

エムバペの方は、レアル・マドリーが獲得したいようですが300億円を払う気はないようで、シーズン終了後のフリーになるのを待つようです。

エムバペはサウジの400億円を超える金額を拒否しましたから、パリSGは1年飼い殺しにするようです。それでもエムバぺは1年分の給料がもらえて2年在籍のボーナス(120億円だそうです)をもらえるから満足なのでしょうね?
エムバぺの場合、更に移籍金なしで入団した場合はレアル・マドリーから更に巨額のボーナスが支払われるとのうわさがあります。

この選手は、ボーナスを全部せしめたら引退する気なんじゃないか?と疑ってしましまいます。
クラブ同士で巨額のマネーゲームをやった結果、こんな選手が生まれてしまいました。

エムバペにとっては、1年飼い殺しにされようと平気なんでしょうね?確かに、これだけ稼げば即、引退でも全然困らないことは確かです。



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