■ リハビリテーションは進み
暫くオートバイから離れてから、改めてリターンライディングした頃は、この自由練習会はリターン&リハビリテーションにとても効果的でした。
自分のペースで自分の技量に合わせて、疲れ過ぎない様に自由に楽しめました。
それから、参加する度に徐々にリハビリテーションの効果も高まり、以前の様な緻密な車体調整へと気持ちが向くようになりました。
リターン直後は細かなミスが多かった整備勘も、整備を繰り返す度に練度と精度が高まり、以前からのデータ記録帳を開く時間も増えいき、徐々にセッティングという“迷宮”の入口に近づいてきました。
オートバイ自身のバランスを整えるのはもちろん、ライダーとのバランスを整えるセッティング。
これか整ってこそ、もっと高い次元でもっと大きな喜びになるから楽しみです。
■ タイヤの交換
昨年12月中旬に交換したタイヤも摩耗限界(フロントのエッジ:0 分山)になったので、今年発売の新シリーズへと交換しました。
従来の α-13(HR規格)から α-14(HR規格)へと手組み交換したのですが、設計に小さくない変化があるようです。
ビード剛性とサイド(ウォール)剛性が落としてあり、しかも均質で適度なハリと潤い感(?)が保たれていて、2000年代初期の M社製品のよう ???
α-10 時代から α-11、-12 の変化も味わってきたけど、今回の変化が一番大きい? と思えるモノ。
しかも、ZR規格(適応速度レンジが更に高い規格)の α-14 は、別機:トラ に履かせたけど、HR規格とは異なり、ビード剛性を従来より一段階高めるなど設計ポリシーも違っている?
それだけ、対応速度域の低い HR規格には最適設計されているのかも知れない。
これは、実際に走ってみるのが楽しみだし、新しくデータも取り直さなくては! とこの時は思っていたのでした。
しかし、それ以外に心配事も一つ。
脱いだリアタイヤのアブレーション(正常範囲の波立ち摩耗)が、右と左で違う!
右側は正しく路面で仕事をした跡があるのに、左側にはそれが少ない。
右と左での練習内容・頻度は変わらないので、ライディングの左右差があるのか?
それとも 前後タイヤの整列がずれているのか?
とりあえず、“前後妖怪棒”を使って前後整列を整えて、準備を完了しました。
■ アンダーステムブラケットボルトの変更
オートバイの操縦性に影響するボルトと言えば アンダーステムブラケット(俗称:三つ又)の フォーク固定用ボルトで、その締め付けトルク次第で操縦性と安定性に大きく影響するというのが持論。
今までは、“伸び”や“さび”が発生しやすいノーマル仕様のボルトから、「ステンレス」製のボルトへと変更して、それを基にセット出しをしていました。
が、ステンレス特有の“かじり”に悩まされてきたので、今度は「クロメート仕上げ」のスチールボルト に 「グリス塗布」(スレッドコンパウンド塗布)へと変更したのです。
万全を尽くすため、ボルトサイズ:M10 細目(P 1.25)用のタップを手配して、ブラケット側の ボルト穴を正しく整備し直し、ノーマルより 5 ㎜ 長いクロメート仕上げのボルトへと交換して、締め付けトルクは ノーマル指定の 39 Nm(ニュートンメーター) から 36 Nm へと落として様子を見る事にしました。
■ ダンパーセットも確認
もう一つ、言い訳をします。
リハビリテーションの楽しさにまみれて、整備勘の回復に神経を使って、全く セッティングへの注意が不足していたようです。
いえ、フロントフォークの車高調整トストローク調整には注意を向けていたのですが、リアのダンパーのセット確認には注意が向いてなかったのです。
その事に前日までに気づいていたので、リアのダンパー(減衰力)セッティングを、過去のタイヤ α-12 でのセット値へとリセットし直したのですが、タイヤの特性は変化している筈だし、ダンパーの経年変化はしている筈だから、本当ならば 実際に走って確認・調整すべき事だったのです。
結局、ダンパーセッティングだけでなく、タイヤ変更による適正タイヤ空気圧の確認・調整、
そして アンダーブラケット ボルトのトルク確認など、大切な事を当日は全て忘れ、後々後悔するハメになったのです。
■ 走ってみた感じは ・・
イベントが始まり、個人練習をしてみれば、「オートバイはイイ感じ!」
イベント専用新品ブーツの“慣らし”が中々進まないので、バンク角が稼げない。
バンクの度に路面で削り続けたけど、一番好きなバンク角での走行ができない!
でも、オートバイの動きは安定していて、グリップ感が高くて良い感じでした。
実際に、ベテランSさんに乗ってみてもらえば、「安定していて怖くなくイイ感じ」とお褒めの言葉をいただいた。
それでは!と、嬉しい言葉をもっと聞きたくて、伸び盛り I 君にも乗ってもらった。
i 君も 「怖くないです」と言ってくれたけど、続いての言葉が気になった。
「 でも、以前の様な感じが、落ち着きの無いような雰囲気が懐かしいデス」( i 君 談)
んん?
そういえば、ベテランSさん、初参加の人の ノーマルVTR に乗った後の言葉、
「 懐かしいですね、鈴鹿サーキットのトレーニング施設で乗った時の感じと同じです」
んんん? 僕の VTR は VTR では ないのかな?
■ ショトコース走行練習にて
午後 2時過ぎからの ショートコース・タイム測定走行練習は順調に始まりました。
「 うん、うん、安定していて 良い感じ! 」
でも、コースに慣れて、更にペースを上げて、コースとオートバイとの対話を高めようとしても、これが一番楽しいし、スキルアップの活力だと言うのに、「 反応が鈍い、口数の少ない、頑固なオートバイ !!」 になったのです。
ターンへ向けてターンインは出来ても、ターン中に べったり無口になる。
無口になるから ターンアウトに向けての アクセルポイントが掴めない。
ターンした途端に無口になるから、ターン部に置く “仮想 ベースサークル(基本円)”が
見えなくなり、ターンの一つひとつが手探り状態になるから、細かな切り替えしや微調整さえやり難くなる。
「 何故なんだ!」と考えて、気づけば良かったのに、そのまま走り続けて、ターンイン中に 左へ簡単にスリップダウン !
そう、あの“左”でした。
■ 帰路にて
イベントは無事に終了して、帰路の高速道路上で一日の走行をシミュレーション。
特に、個人練習で行なった 15 mピッチでの Oの字旋回 と ショートコース走行を。
この時になって、ようやく気付いたのが 大切な「タイヤのエア調整・確認」をしなかった事、アンダーステムブラケットの「フォーク固定用ボルトの締め付けトルク調整・確認」と新タイヤに合わせての「リア・ダンパーの調整・確認」を忘れていた事でした。
恐らく、新タイヤ α-14 に最適なエア値は 従来モデルとは違う筈。
このエア圧変更と 固定用ボルトのトルク値変更と併せて、ターン中に荷重を高めた時に感じた フロント全体の“ ヨレ感 ”は解消できるかも。
そうすれば、ターン中の方向安定性がはっきりと出てきて、ベースサークル(基本円)からのターンアウト(アクセルONによる)もはっきりと見えたかも知れないな ・・・ と。
後悔 & 後悔
i 君の言っていた、「 以前の様な雰囲気も好きです 」のアドバイスもその時に理解できたのです。
オートバイが自らの意思をはっきりと持ち、「 こっちへ行きまっせ!」と言ってくる感じが。
■ 次に向けて
左へターンイン中に転倒したのは、リアタイヤのアブレーションが右と左で差が出ている事と無関係ではないだろう。
実際、ガレージに戻ってから確認すれば、左右のアブレーションの差は依然として出ている。
リアスイングアームのピポット部、ベアリングとカラーの摩耗のチェック、そしてピポットシャフト、ピポット周りのエンジンマウントボルトの分解・再整備 が必要だ。
「最適エア圧」、「最適フォーク固定用ボルト締め付けトルク」の調整・確認以外に、フロントフォーク周りのアライメント変更は必要だろう。
・ 0 G(無荷重)時 フロント車高 : 143 ㎜
・ 1G'(乗車荷重)時 フロント車高 : 100.5 ㎜
・ 残ストローク値(練習走行時) : 49 ㎜
・ 残ストローク値(フルバンプ時):: 45 ㎜(推定)
ガレージにて測定した結果、【 通常ストローク長 】が 94 ㎜ ほどだった。
1G' 時車高はそのままでも、残ストローク値は 2~3 ㎜ は下げる方向性だろう。(きっと ・・!)
さあ、次に向けて、オートバイの一番大切な部品“タイヤ”の性能を発揮させられるようになってみたいものだ、( なるかなぁ ~? なるとイイなぁ~ )
以上が 今回の参加で得た体験で感想文です。
暫くオートバイから離れてから、改めてリターンライディングした頃は、この自由練習会はリターン&リハビリテーションにとても効果的でした。
自分のペースで自分の技量に合わせて、疲れ過ぎない様に自由に楽しめました。
それから、参加する度に徐々にリハビリテーションの効果も高まり、以前の様な緻密な車体調整へと気持ちが向くようになりました。
リターン直後は細かなミスが多かった整備勘も、整備を繰り返す度に練度と精度が高まり、以前からのデータ記録帳を開く時間も増えいき、徐々にセッティングという“迷宮”の入口に近づいてきました。
オートバイ自身のバランスを整えるのはもちろん、ライダーとのバランスを整えるセッティング。
これか整ってこそ、もっと高い次元でもっと大きな喜びになるから楽しみです。
■ タイヤの交換
昨年12月中旬に交換したタイヤも摩耗限界(フロントのエッジ:0 分山)になったので、今年発売の新シリーズへと交換しました。
従来の α-13(HR規格)から α-14(HR規格)へと手組み交換したのですが、設計に小さくない変化があるようです。
ビード剛性とサイド(ウォール)剛性が落としてあり、しかも均質で適度なハリと潤い感(?)が保たれていて、2000年代初期の M社製品のよう ???
α-10 時代から α-11、-12 の変化も味わってきたけど、今回の変化が一番大きい? と思えるモノ。
しかも、ZR規格(適応速度レンジが更に高い規格)の α-14 は、別機:トラ に履かせたけど、HR規格とは異なり、ビード剛性を従来より一段階高めるなど設計ポリシーも違っている?
それだけ、対応速度域の低い HR規格には最適設計されているのかも知れない。
これは、実際に走ってみるのが楽しみだし、新しくデータも取り直さなくては! とこの時は思っていたのでした。
しかし、それ以外に心配事も一つ。
脱いだリアタイヤのアブレーション(正常範囲の波立ち摩耗)が、右と左で違う!
右側は正しく路面で仕事をした跡があるのに、左側にはそれが少ない。
右と左での練習内容・頻度は変わらないので、ライディングの左右差があるのか?
それとも 前後タイヤの整列がずれているのか?
とりあえず、“前後妖怪棒”を使って前後整列を整えて、準備を完了しました。
■ アンダーステムブラケットボルトの変更
オートバイの操縦性に影響するボルトと言えば アンダーステムブラケット(俗称:三つ又)の フォーク固定用ボルトで、その締め付けトルク次第で操縦性と安定性に大きく影響するというのが持論。
今までは、“伸び”や“さび”が発生しやすいノーマル仕様のボルトから、「ステンレス」製のボルトへと変更して、それを基にセット出しをしていました。
が、ステンレス特有の“かじり”に悩まされてきたので、今度は「クロメート仕上げ」のスチールボルト に 「グリス塗布」(スレッドコンパウンド塗布)へと変更したのです。
万全を尽くすため、ボルトサイズ:M10 細目(P 1.25)用のタップを手配して、ブラケット側の ボルト穴を正しく整備し直し、ノーマルより 5 ㎜ 長いクロメート仕上げのボルトへと交換して、締め付けトルクは ノーマル指定の 39 Nm(ニュートンメーター) から 36 Nm へと落として様子を見る事にしました。
■ ダンパーセットも確認
もう一つ、言い訳をします。
リハビリテーションの楽しさにまみれて、整備勘の回復に神経を使って、全く セッティングへの注意が不足していたようです。
いえ、フロントフォークの車高調整トストローク調整には注意を向けていたのですが、リアのダンパーのセット確認には注意が向いてなかったのです。
その事に前日までに気づいていたので、リアのダンパー(減衰力)セッティングを、過去のタイヤ α-12 でのセット値へとリセットし直したのですが、タイヤの特性は変化している筈だし、ダンパーの経年変化はしている筈だから、本当ならば 実際に走って確認・調整すべき事だったのです。
結局、ダンパーセッティングだけでなく、タイヤ変更による適正タイヤ空気圧の確認・調整、
そして アンダーブラケット ボルトのトルク確認など、大切な事を当日は全て忘れ、後々後悔するハメになったのです。
■ 走ってみた感じは ・・
イベントが始まり、個人練習をしてみれば、「オートバイはイイ感じ!」
イベント専用新品ブーツの“慣らし”が中々進まないので、バンク角が稼げない。
バンクの度に路面で削り続けたけど、一番好きなバンク角での走行ができない!
でも、オートバイの動きは安定していて、グリップ感が高くて良い感じでした。
実際に、ベテランSさんに乗ってみてもらえば、「安定していて怖くなくイイ感じ」とお褒めの言葉をいただいた。
それでは!と、嬉しい言葉をもっと聞きたくて、伸び盛り I 君にも乗ってもらった。
i 君も 「怖くないです」と言ってくれたけど、続いての言葉が気になった。
「 でも、以前の様な感じが、落ち着きの無いような雰囲気が懐かしいデス」( i 君 談)
んん?
そういえば、ベテランSさん、初参加の人の ノーマルVTR に乗った後の言葉、
「 懐かしいですね、鈴鹿サーキットのトレーニング施設で乗った時の感じと同じです」
んんん? 僕の VTR は VTR では ないのかな?
■ ショトコース走行練習にて
午後 2時過ぎからの ショートコース・タイム測定走行練習は順調に始まりました。
「 うん、うん、安定していて 良い感じ! 」
でも、コースに慣れて、更にペースを上げて、コースとオートバイとの対話を高めようとしても、これが一番楽しいし、スキルアップの活力だと言うのに、「 反応が鈍い、口数の少ない、頑固なオートバイ !!」 になったのです。
ターンへ向けてターンインは出来ても、ターン中に べったり無口になる。
無口になるから ターンアウトに向けての アクセルポイントが掴めない。
ターンした途端に無口になるから、ターン部に置く “仮想 ベースサークル(基本円)”が
見えなくなり、ターンの一つひとつが手探り状態になるから、細かな切り替えしや微調整さえやり難くなる。
「 何故なんだ!」と考えて、気づけば良かったのに、そのまま走り続けて、ターンイン中に 左へ簡単にスリップダウン !
そう、あの“左”でした。
■ 帰路にて
イベントは無事に終了して、帰路の高速道路上で一日の走行をシミュレーション。
特に、個人練習で行なった 15 mピッチでの Oの字旋回 と ショートコース走行を。
この時になって、ようやく気付いたのが 大切な「タイヤのエア調整・確認」をしなかった事、アンダーステムブラケットの「フォーク固定用ボルトの締め付けトルク調整・確認」と新タイヤに合わせての「リア・ダンパーの調整・確認」を忘れていた事でした。
恐らく、新タイヤ α-14 に最適なエア値は 従来モデルとは違う筈。
このエア圧変更と 固定用ボルトのトルク値変更と併せて、ターン中に荷重を高めた時に感じた フロント全体の“ ヨレ感 ”は解消できるかも。
そうすれば、ターン中の方向安定性がはっきりと出てきて、ベースサークル(基本円)からのターンアウト(アクセルONによる)もはっきりと見えたかも知れないな ・・・ と。
後悔 & 後悔
i 君の言っていた、「 以前の様な雰囲気も好きです 」のアドバイスもその時に理解できたのです。
オートバイが自らの意思をはっきりと持ち、「 こっちへ行きまっせ!」と言ってくる感じが。
■ 次に向けて
左へターンイン中に転倒したのは、リアタイヤのアブレーションが右と左で差が出ている事と無関係ではないだろう。
実際、ガレージに戻ってから確認すれば、左右のアブレーションの差は依然として出ている。
リアスイングアームのピポット部、ベアリングとカラーの摩耗のチェック、そしてピポットシャフト、ピポット周りのエンジンマウントボルトの分解・再整備 が必要だ。
「最適エア圧」、「最適フォーク固定用ボルト締め付けトルク」の調整・確認以外に、フロントフォーク周りのアライメント変更は必要だろう。
・ 0 G(無荷重)時 フロント車高 : 143 ㎜
・ 1G'(乗車荷重)時 フロント車高 : 100.5 ㎜
・ 残ストローク値(練習走行時) : 49 ㎜
・ 残ストローク値(フルバンプ時):: 45 ㎜(推定)
ガレージにて測定した結果、【 通常ストローク長 】が 94 ㎜ ほどだった。
1G' 時車高はそのままでも、残ストローク値は 2~3 ㎜ は下げる方向性だろう。(きっと ・・!)
さあ、次に向けて、オートバイの一番大切な部品“タイヤ”の性能を発揮させられるようになってみたいものだ、( なるかなぁ ~? なるとイイなぁ~ )
以上が 今回の参加で得た体験で感想文です。
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