蒲田耕二の発言

コメントは実名で願います。

オリバー・ストーン

2013-08-15 | 政治
Gunosyに登録してあるのだが、どういうわけかMSN産経だのZakZakだの、俺の大嫌いな産経系のニュースばかり拾ってくる。だから大半は読まずに削除してしまうんだけど、昨日送ってきた記事はちょっと面白かった。

オリバー・ストーン監督がヒロシマの原水禁大会に出席した。それはどのメディアも伝えたが、彼がどんなスピーチをしたのか、詳しくは朝日を含めてどこも伝えなかった。その全文がここに掲載されている。

当日は周知のとおり、安倍が出席していた。その面前で、この男が平和だの核廃絶だの口にするのは「偽善だ」と言ってのけたんだから、こりゃ痛快だよね。まったく、原発再稼働と原発輸出に精出しといて「核廃絶」もないもんだ。

その三日後、長崎平和宣言で田上市長は、NPTの共同声明に署名拒否した日本政府は「世界の期待を裏切った」と言い切った。あれも安倍の面前でだった。胸のすく思いとは、あのことだ。

ストーンがオバーマのことを「ヘビのような人間だ」と言ってるのにも同感する。核軍縮を訴えるヒューマニストの仮面の下で、TPPを通じて日本を骨の髄までしゃぶり尽くそうとしている。ブッシュほど単細胞じゃないから、より狡猾だ。

オバーマ(の意を受けた官僚、特に財務省)の工作で、鳩山、小沢がダーティ・イメージ(もしくは無能イメージ)を貼りつけられて政治生命を絶たれたことを、ストーンは知っている。

「(日本にも)高邁な道徳や平和のために立ち上がった人が……ひとりいた。それは最近オバマ大統領の沖縄政策に反対してオバマに辞めさせられた人だ」誰のことか、言うまでもないよね。

「どうして……日本は、アメリカの衛星国家としてカモにされているのか……なぜ立ち上がろうとしない」同じことを54年前、来日したゲバラも言っていた。日本は半世紀以上、怠惰に過ごしてきたということだ。

いま振り返ってみるまでもなく、野田や玄葉など民主党政権末期に閣僚を務めた右派政治家は、政権の息の根を止めて自民に権力の座を明け渡すために官僚が送り込んだトロイの木馬だったとしか思えない。

彼らは東アジアに緊張状態を創り出すために尖閣を国有化し、アメリカの傀儡政党、自民にとって絶妙のタイミングで解散した。なんのためにそんなことをしたのか。

もちろん中国包囲網を形成して、ふたたび冷戦状態を創り出すためだ。オバーマを頂点とする米軍産複合体は常に、全盛を謳歌した2超大国時代の夢よもう一度、なのだ。

オリバー・ストーンは、かつてトム・ウルフが軽蔑的に呼んだ“ラディカル・シック”の現代版に過ぎないのかも知れない。スピーチには、能天気丸出しの個所もある。それでもやはり、大半のメディアが反政府的ポーズを取っても核心情報は伏せてしまう日本よりアメリカの方が、言論の自由の伝統が長いことを実感する。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする