蒲田耕二の発言

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原発処理水

2021-06-12 | 福島原発
夕方7時のニュースの続きでテレビを点けっ放しにしてたら、処理水を海へ流す話をやっている。NHKの政府広報機関化を端的に物語る番組だった。

話の力点はもっぱら、処理水がいかに安全かである。いわく、汚染水の放射性物質はALPSなる設備でほぼすべて取り除かれる、トリチウムだけは除去できないが、これは自然界にも存在する物質だ(だから無害だ、と仄めかす)。しかも放出するときは、6万ベクレル/1リットルの安全基準の40分の1、1500ベクレルという薄さまで希釈する。

したがって原発処理水の海洋放出は完璧に安全であり、害は主として風評だけだ、漁業者の反対と消費者の懸念はエビデンスのない妄想に過ぎない、というワケ。

この番組で異様だったのは、福島沖に放出することが既定事項になっていて、それが妥当かどうかは、まったく議論されなかったことだ。福島の魚はうまいだの、汚染水をいつまでもタンクに溜めておけないだの、当たり前のことをエンエンと流している。女子アナに至っては、メヒカリの唐揚げ、美味しいですよねえ、などとハッピーな笑顔である。

福島の漁業者は原発事故で壊滅的被害を受けた。それが10年掛かって、やっと事故前の水準まで売上げが戻った。そこへ処理水の海洋放出があれば、またもや売上げが下がるのは目に見えている。いくら政府が安全だと力説しても、風評被害は避けられまい。

なぜ福島の漁業者が、いつも原発事故の尻ぬぐいをさせられるのか。

処理水がそんなに安全なら、東京湾に流せばいいではないか。福島原発の電力にもっとも恩恵を被っていたのは、東京の住民なんだから。

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