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ジェンダーと葬送

2024-12-28 17:32:52 | 日記
 「ふぇみん」から「ジェンダーと葬送」の内容で原稿を頼まれ、編集者の清水さんと相談しながら、月1回4回を書くことになりました。
 第1回目の9原稿が12月に載りました。
 小見出しは清水さんがつけてくださいました。


ジェンダーと葬送
第1回目「仏教における女性差別(上)

 今年4月、『「遺骨を拾わない・お墓をつくらない」葬送を考える』(同時代社)を上梓した。タイトル通り、「遺骨を拾わない」を実践し、当然お墓をつくらなかったことを書いた。遺骨の人はわたしが心から大切に思っていたつれあいである。
 
収骨と痛みは別
 わたしが遺骨に関心をもったのは、寺に生まれたからである。家族の会話に「死」がタブーではなく、本堂の横には墓があり、土葬があたりまえの子ども時代だった。
 38年前父の葬儀の後の収骨のとき、部分収骨の残りがどうなるかを焼き場の人に尋ねた。「粉にして果樹園の肥料になる」という答えに、わたしは「すべてが肥料になってもよい」と強く思った。そして仏教を学び、親鸞の思想に傾倒したわたしは、親鸞の「死後賀茂河に遺体を流して魚の餌にしてほしい」という遺体観は収骨しないことに通じると共感した。
 四半世紀をともに暮らしたつれあいも同じ考えだったので、どちらが先に逝っても収骨しないことを決めた。2016年、わたしが彼を見送った。ただ、わたしにとって収骨しないことと彼を悼む思いは別ものであり、今もなお彼への喪失感は大きい。
 
女性差別を知り衝撃
 現在も親鸞の思想に共感するが、仏教を勉強するなかで、女性差別の文言に出会った。「女人五障(にょにんごしょう)」と「変成(へんじょう)男子(なんし)」である。女人五障とは、女性は梵天(ぼんてん)王(おう)・帝釈天(たいしゃくてん)・魔王(まおう)・転(てん)輪(りん)聖(じょう)王(おう)・仏になれないという意味である。仏になれないのは仏教の根本を揺るがし、衝撃を受けた。変成男子とは、女性は男性に変わって成仏するという意味である。女人五障の解決策とも考えられるが、なぜ女性が男性に変わらねばならないのか納得がいかなかった。
わたしはそこから仏教における女性差別の問題を研究する道を選んだ。仏教の教えは、人間の苦悩(生老病死苦・愛(あい)別離(べつり)苦(く)・怨憎(おんぞう)会苦(えく)・求(ぐ)不得(ふとく)苦(く)・五縕(ごうん)盛(じょう)苦(く))を解放し悟りを開く教えなので、人生そのものを教える。だれでもが悟りを開くことができ、わたしはそれを信じた。
 さとりを開いたブッダは何も書き残さなかった。ブッダの死後、弟子がつくった経典には、男性中心の考えが散見する。わたしが仏教の教えを信じて生きることを諦めた理由のひとつが、女性差別を含む宗教だからである。
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