190528_スマホを見ているおまえ!
2019年5月28日産経新聞、エッセーより引用
通勤路
41年間勤務した会社を定年退職した。
翌月、いつものように駅へ向かい、
そしていつものように新聞を買った。
しかしいつもと違うのは、
そこから家へ帰ることだ。
駅へ向かう多くの人とすれ違う。
今まで背中を見ていた人たちの顔を正面に受け止めながら歩く。
無表情な人もいれば、スマホを見ながらの学生、目線を下にし、若干
疲れたような人もいる。
・・・・
40年前、通勤者は新聞を見ていた。
そして、その新聞は、すぐ捨てた。
スマホを見ているおまえ!
スマホを見ているおまえは、
自分がそれを見ていると思っているが、
スマホに見られているとは思っていない。
ゲームをしているおまえが、
自分がゲームをしていると思い込み、
ゲームがおまえを動かしているということに、
死ぬまで気がつかないのと同じことだ。