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六十を過ぎて始めた自転車旅行、山登りをつづります

2019年11月7日 土井晩翠は、27歳の時に「荒城の月」の詩をつくり、滝廉廉太郎は、22歳の時にそれに曲を付けた

2019-11-07 | 昼間のエッセー
191107_土井晩翠は、27歳の時に「荒城の月」の詩をつくり、滝廉廉太郎は、22歳の時にそれに曲を付けた

 2019年11月6日 産経新聞 p.7

 土井晩翠は、27歳の時(1898年)に「荒城の月」の詩を書き、滝廉廉太郎は、22歳の時(1901年)にそれに曲を付けた。

 当時の唱歌の作り方は、先に「詩」を作り、その後に「曲」つけた。

 なぜ、今から100年前には、みんなの頭は、こんなにさえていたのか。

 この時代と、今の時代の違いは、象徴的にいえば、そこに「スマホ」があるかないかである。

 スマホは、パンドラの箱であった。

 パンドラの箱とは、ギリシア神話に出てくる「欲望」と「無秩序」入った箱だ。

 この箱を開けてしまい、「スマホ」を世の中に出してしまったため、もう20代の人が土井晩翠や滝廉太郎のような「作品」を作ることはできなくなった。

 我々は、欲望にとらわれ、すべてのものに無秩序に手を出すようになったため、もやは、土井晩翠と滝廉太郎のいた時代のように、一つの情感だけを求める、ということはできない時代となった。