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2019年11月10日 ドイツが統一されて30年が経過した。ドイツの現状と「ドイツのための選択肢」(AfD)という政党について

2019-11-10 | 昼間のエッセー
191108_ドイツが統一されて30年が経過した。ドイツの現状と「ドイツのための選択肢」(AfD)という政党について

 2019年11月8日 産経新聞 p.6

 1989年11月9日、東ドイツ政府は、東ドイツ国民が西ドイツへ出国することを許可した。そしてその一年後、西ドイツ国と東ドイツ国は統合された。


 1989年から30年が経過した。

 今、東ドイツはどうなったか。

 東ドイツでは、(社会主義国であった東ドイツの)国営企業が民営化する過程で、多くの企業が閉鎖され、失業者が大量に出た。

 一例をあげれば、ポーランド国境に近いシュプレンベルク(Spremberg)という町でも、最悪時の失業率は24%だった、という。

 東ドイツの住民が「おれたちは、取り残された」と不満を持つ中、2015年、シリア・中近東・アフリカからの難民が、ドイツにも大量に押し寄せた。

 その時は、ドイツのメルケル首相は、難民を受け入れた。

 メルケル首相の心の中には、過去ヒトラーが行った異民族虐殺という歴史的事実が、トラウマ(こころの傷)として残っていたためだ。

 しかし、東ドイツに住む人は、メルケル首相が、ドイツ人である自分たちを顧みず、外国人である難民を優遇することは、受け入れられなかった。

 東ドイツでは「ドイツのための選択肢」(AfD)という政党が作られ、この政党は、第一党の「社会民主党」に次ぐ、第二の政党となっている。